外務省・新着情報

令和4年2月25日

 2月25日(現地時間同日)、パプアニューギニア独立国の首都ポートモレスビーにおいて、我が方、渡邊信之駐パプアニューギニア独立国日本国特命全権大使と先方ソロイ・マレポ・エオエ外務国際貿易大臣(Hon. Soroi Marepo Eoe , Minister for Foreign Affairs and International Trade of the Independent State of Papua New Guinea)との間で、以下2件の無償資金協力(供与額計8.1億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. 対象案件の概要はそれぞれ以下のとおりです。
  • (1)道路整備及び空港維持管理のための支援(経済社会開発計画)(供与額:3億円)
     国内道路の連結性が十分でないパプアニューギニアでは、現在、物資の輸送において空輸が生命線となっており、空港は国内物流拠点として極めて重要な位置を占めています。我が国が無償資金協力「新ラバウル(トクア)空港緊急整備計画」(1995年度)により整備した東ニューブリテン州のトクア空港については、老朽化が進んでおり、空港当局が自身の維持管理用機材を有しないため、緊急的な補修も自らは行えず、安全かつ安定的な物流に対して大きなリスクを抱えています。また、空港から近隣市街地までのアクセス道路の整備が不十分であることから、輸送する量の制限や時間の増大につながっています。この協力では、パプアニューギニア政府に対し、道路・空港維持管理に必要な建設機材を供与することにより、同国の経済成長基盤の強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  • (2)水力発電設備改修のための支援(経済社会開発計画)(供与額:5.1億円)
     パプアニューギニア政府は、増大し続ける電力需要に対応しつつ、ディーゼルから安価で再生可能なエネルギーである水力への発電方法の転換を実施するとの方針を掲げています。電力公社においては、機材老朽化により発電出力が低下している首都近郊の水力発電所の改修と出力回復に取り組んでいます。現在、パプアニューギニア政府は、それら発電所の一部の改修をADB(アジア開発銀行)と共に実施中ですが、財政状況の悪化や、景気低迷に伴う売電収入の悪化等により、自らで改修事業を実施する余裕が無い状況です。この協力では、パプアニューギニア政府に対し、既存の水力発電設備を改修するための機材を供与することにより、同国の経済基盤の強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  1. 我が国は、昨年7月2日にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「持続可能で強靱な経済発展の基盤強化」及び「気候変動・防災」を含む支援の重点分野を表明しており、上記2つの協力は同表明を具現化するものです。
(参考1)パプアニューギニア独立国基礎データ

 パプアニューギニアは、面積46.2万平方キロメートル(日本の約1.25倍)、人口約894.7万人(2020年、世界銀行)、1人当たり国民総所得(GNI)は2,660米ドル(2020年、世界銀行)。

(参考2)第9回太平洋・島サミット

 昨年7月2日、テレビ会議方式により、菅総理とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回 太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting:PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。パプアニューギニアからはジェームス・マラペ首相が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。 


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