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冒頭発言

【林外務大臣】先ほど、ブリンケン米国国務長官との間で25分間ほど日米外相電話会談を行って、極めて緊迫度を増しているウクライナ情勢について意見交換を行いました。会談の中で、ブリンケン長官とは、今回のロシア軍による侵略は、ウクライナの主権及び領土一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法に深刻に違反するとともに、力による一方的な現状変更を認めないとの国際秩序の根幹を揺るがすものであり、この影響は欧州に止まるものではないとの認識を共有し、ロシアを厳しく非難することで一致をいたしました。私からブリンケン長官に対し、既に発表済みの措置に加えて、今回の侵略を受け、金融・輸出管理等の分野で、米国及び欧州諸国と足並みを揃えて更に厳しい措置をとることを発表した旨伝え、ブリンケン長官との間で、引き続き日米で緊密に連携していくことを確認をいたしました。ブリンケン長官とは、今般の事態のような力による一方的な現状変更を決して認めず、誤った教訓を残さないためにもロシアの行動に適切に対処することが必要であり、引き続き日米、そしてG7を始めとする国際社会と緊密に連携していくことで一致をいたしました。さらに、両外相は、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠である点を改めて確認し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致をしました。

質疑応答

【記者】経済制裁の措置を米側に伝えたということですが、アメリカやイギリス、EUなどではプーチン大統領やラヴロフ外相への制裁というのをすると発表しておりますけれども、日本としてもプーチン大統領やラヴロフ外相を制裁対象に加えるというのは考えておられますでしょうか。

【林外務大臣】まず25日に発表した措置を速やかに実施すべく、必要な手続きを進めるということですが、それとともに、引き続き我が国として今後の状況を踏まえつつ、米国を始めとする国際社会と連携して、適切に取り組んでまいりたいと考えております。

【記者】先ほど紹介のあった、今回の影響は欧州にとどまるものではない、また力による一方的な現状変更を認めないということがあったと思うが、東アジアとかインド太平洋地域、そういった意味も含まれるのでしょうか。

【林外務大臣】当然東アジアを含むインド太平洋地域もこの欧州にとどまるものではない、という中に含まれていると考えております。

【記者】ゼレンスキー大統領は先ほどの声明で首都侵攻が近いという見通しを示されています。今、現状認識についての大臣の認識と、今後更なる追加の制裁ということはあり得るのか、日米の外相会談でも話されたのか、お願いします。

【林外務大臣】状況についてやりとりを致しましたが、外交上のやりとりでございますので、詳細については控えさせていただきたいと思います。また制裁については先ほどお答えしたとおりでございます。

【記者】ロシア側はウクライナとの対話について、ウクライナの中立化を前提とした対話であれば応じる準備があるというような姿勢を示してますが、日本政府としてウクライナの中立化についてどのような立場でらっしゃいますでしょうか。

【林外務大臣】先ほど申し上げたようにですね、今回のロシア軍による侵略はウクライナの主権及び領土一体性を侵害して、武力の行使を禁ずる国際法に深刻に違反する、力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を揺るがすものであるということを申し上げたところでございます。我々としてはそういう立場でございますので、今後の推移につきましては引き続き日米、またG7と連携して注視してまいりたいと思います。

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