外務省・新着情報

冒頭発言

ウクライナ情勢

【林外務大臣】それでは私(林大臣)から、ウクライナ情勢に関しまして、27日に出席したG7の外相会合におきまして、今回のロシアによる侵略は、ウクライナの主権及び領土一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の重大な違反であり、このような暴挙は決して認められないとの認識を各国と改めて共有をいたしました。我が国としても、プーチン大統領を含む個人・団体への制裁、ロシア中央銀行の資産凍結等の厳しい対ロシア制裁措置を行うこととし、本日、閣議了解を行いました。更に、ベラルーシへの制裁措置も行うなど、適切かつ迅速に措置を講じています。
 日本政府と日本国民の心は、ウクライナと共にあります。昨日の日・ウクライナ首脳電話会談でも、岸田総理よりゼレンスキー大統領に対し、国難に直面するウクライナの人々に対して、新たに1億ドルの緊急人道支援を行う用意がある旨伝達をいたしました。また、日本への在留を希望する在留ウクライナ人の在留期間延長措置もとる方針です。我が国は引き続き、ウクライナとウクライナ国民と連帯し、できる限りの支援をしてまいります。
 同時に、日本政府として、ウクライナ在留邦人の安全にも最大限努力してまいります。昨日、総理から発表があったとおり、ポーランドに陸路で退避する邦人の支援のため、ウクライナ西部のリヴィウ市に加え、ポーランドのジェシュフ市にも臨時の連絡事務所を設けました。この関連では、19日にルーマニア、26日にポーランドの外相に対し、私(林大臣)から、ウクライナの在留邦人が陸路退避する場合の円滑な入国等について協力を要請し、いずれの外相からも、最大限の支援をいただける旨の発言がございました。
 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、明白な国際法違反です。国際秩序の根幹を守り抜くため、G7を始めとする国際社会と結束して、断固として行動し、こうしたロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示してまいります。私(林大臣)からは以上でございます。

ウクライナ情勢(在日ウクライナ大使館による外国人部隊参加の呼びかけ)

【朝日新聞 野平記者】ウクライナが呼びかけている外国人部隊についてお伺いします。在日の大使館も、日本語でSNSで呼びかけていて、多数の問合せがあったというふうにしているんですけれども、外務省として、ウクライナ側と連絡を取り合って、日本側の希望者が実際いるのかどうかという点と、あと、今回のその件が、私戦予備罪に当たるなど、その法的な問題がないのかどうかという点について教えてください。

【林外務大臣】在日ウクライナ大使館が、そうした呼びかけをしているということは承知をしておりますが、いずれにしても、現在、外務省として、ウクライナ全土に退避勧告を発しておりまして、目的のいかんを問わず、同国への渡航を止めていただきたいというふうに考えております。

ウクライナ情勢(対露経済協力)

【読売新聞 阿部記者】ロシアとの経済協力についてお尋ねします。今、冒頭で、ロシアに対する経済制裁のご説明もありましたけれども、今まで、日本としては、対話の窓口を閉ざすべきではないという考えの下で、協議というものを継続してきたと認識しているんですけれども、今回のウクライナ侵攻を受けて、この経済協力と平和条約交渉について、どう進めていくか、お考えをお聞かせください。

【林外務大臣】今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反として、断じて許容できず、厳しく非難をするわけであります。
 今こそ、国際秩序の根幹を守り抜くために、結束して毅然と行動しなければならないと考えます。我が国として、このことを示すべく、断固として行動をしていくということで、こうした暴挙には高い代償が伴うことを示していくということです。
 国際社会は、ロシアの侵略によって、ロシアとの関係、これをこれまで通りにしていることは、もはやできないというふうに考えております。日本は、G7各国、国際社会と共に、ロシアに対して強い制裁措置をとってまいるということでございます。

核共有の議論

【共同通信 前田記者】核共有についてお伺いをします。今回のロシアによるウクライナへの侵攻に関連して、自民党内でも、核シェアリングに対して議論をする必要があるんじゃないかという声が出ていると思うんですけれども、大臣、この核シェアリングの議論というものは必要かという、どういうお立場かというのをご説明ください。

【林外務大臣】ご指摘のような発言があることについては承知をしております。政府としては、政策上の方針として、非核三原則を堅持していくとの考えには変わりがございません。平素から、例えば自国の領土に米国の核兵器を置いて、有事には、自国の戦闘機等に核兵器を搭載・運用可能な態勢を保持することによって、自国等の防衛のために米国の核抑止を共有する、といった枠組みを想定しているということであれば、非核三原則を堅持していくということから認められない、というふうに考えております。

対露制裁(ロシア国籍機の領空内飛行禁止措置)

【時事通信 田中記者】ロシアの制裁の関連でご質問なんですが、欧州の各国は、ロシア機の欧州領空の通過を禁止して、逆にロシア側が、欧州の航空機に対して同様の措置をとっておりますが、日本として、この措置に踏み切るお考えがあるかについてお聞かせください。

【林外務大臣】欧州諸国においては、ロシアに対する制裁の一環として、ロシア国籍機の領空内飛行を禁止する措置が取られているというふうに承知をしております。
 我が国としては、G7を始めとする国際社会との連携を重視しながら、今回の事態に対応してきております。その上で、具体的な対露制裁措置の決定にあたっては、いかなる措置をとることが適切かということを、我が国として、総合的に判断をしてきておりまして、今お尋ねの件について申し上げますと、欧州と我が国との間にある地理的な状況の違いや、それが物流に与える影響等も考慮する必要があると考えております。
 個々の措置に係る検討の詳細についてはお答えすることは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、今回の事態に対して、引き続き毅然として対応してまいりたいと考えております。

ウクライナ情勢(避難民支援)

【ラジオ・フランス 西村記者】ウクライナについての質問をさせていただきます。日本の政府は、既に日本に住んでいるウクライナ人の方々のご家族、ご両親、姉妹か、兄弟の入国を可能にすることを検討していますか。また、その点に関して、林大臣のご意見を聞かせてください。

【林外務大臣】我が国は、冒頭申し上げましたように、「ウクライナの国民とともにある」ということを表明し、既に表明済みの1億ドル規模の借款に加えて、困難に直面するウクライナの人々に対する支援として1億ドルの緊急人道支援、これを行ってまいります。
 ウクライナから避難される方々については、これらの方々が、迅速かつ適切に保護されることが重要だと考えております。
 こうした観点から、今後のウクライナ情勢等を踏まえながら、個々のウクライナ人の皆さんの置かれた状況等にも配慮しながら、出入国在留管理庁を始めとする関係省庁とも連携の上で、引き続き、適切に対応していく所存でございます。

ウクライナ情勢(在日ロシア大使館のSNS投稿)

【朝日新聞 野平記者】在日のロシア大使館が、「日本は2度もナチスを支持した」と、以前はヒトラー政権、今回はウクライナ政権だと、いうふうな投稿をSNSでされているんですが、これに対しての大臣の受けとめをお願いします。

【林外務大臣】ご指摘の発信は承知をしておりますが、そうしたロシア側の主張は、全く根拠がなく、受入れられないと考えております。

発信元サイトへ