外務省・新着情報

令和4年3月2日

 2月15日から17日まで、第28 回アジア輸出管理セミナーが一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)の主催、外務省及び経済産業省の共催によりオンラインにて開催され、32か国・地域と国際機関等から約400人が参加しました。

1 背景

 アジア各国・地域は経済成長に伴い、大量破壊兵器等に転用可能な物資・技術の生産拠点や中継貿易地として発展を続けており、懸念国等による違法な調達活動に意図せず関わる危険性が高まっています。本セミナーはこうした状況を背景に、アジア各国・地域の輸出管理担当者の認識向上と能力構築を図り、我が国の安全保障にも直結するアジアの不拡散体制を強化することを目的に平成5年から開催されています。

2 概要

(1)開会挨拶

 冒頭、小田原潔外務副大臣から、国際的な不拡散に取り組むための輸出管理の重要性を強調した上で、北朝鮮関連の国連安保理決議の完全な履行を呼びかけるとともに、テロリストを含む非国家主体への拡散防止のための国連安保理決議第1540号、本年20周年を迎える弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)等にも言及しつつ、抜け穴を作らない輸出管理の履行強化に向けて本セミナーを活用してほしいと述べました(英文(PDF) 別ウィンドウで開く)。

(2)アジアの輸出管理強化

 パネルディスカッションが二部構成で行われ、第1部は「輸出管理制度の実効性確保(無形技術移転管理の強化)」をテーマに我が国、マレーシア及び米国の政府関係者が、また、第2部は「産業界の輸出管理の実効性の強化(産業界との連携・協力強化)」をテーマに我が国、フィリピン、ドイツ、インド及び英国の政府関係者が、国際的な供給網においてますます大きな役割を担うようになっているアジア地域における、無形技術移転対策、キャッチオール規制、産業界や学術界へのアウトリーチ等の新たな法整備や取組、輸出管理強化の重要性等について議論を行いました。また、カンボジア、中国、フィリピン、香港、インド、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル及びパキスタンの政府関係者が、各国の輸出管理制度の最新の状況について報告しました。

(3)近年の動向を踏まえた各国の取組

 新興技術等をめぐる近年の動向を念頭に、カナダ、EU、フランス、ロシア、スイス、アラブ首長国連邦、英国及び米国の政府関係者が、各国の輸出管理の現状、注力している分野及び課題について発表を行いました。

(4)国際的な枠組みにおける活動

 国連安保理北朝鮮制裁委員会、1540委員会専門家グループ及び国連政務・平和構築局安保理部のそれぞれの専門家が、関連安保理決議をめぐる動きについて発表し、各国に履行を呼びかけました。また、国際輸出管理レジーム(原子力供給国グループ(NSG)、オーストラリア・グループ(AG)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、ワッセナー・アレンジメント(WA))、化学兵器禁止機関(OPCW)、弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)及び欧州対外行動庁(EEAS)の代表が活動報告を行いました。

3 参加国・地域

(1)アジア(19か国・地域)

 我が国、バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナム、香港及び台湾

(2)アジア域外(13か国・地域)

 豪州、カナダ、EU、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ロシア、スイス、ウクライナ、アラブ首長国連邦、英国及び米国


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