外務省・新着情報

令和4年3月17日

 3月17日(現地時間同日)、マーシャル諸島共和国の首都マジュロにおいて、我が方、田中一成駐マーシャル諸島共和国日本国特命全権大使と先方、キャステン・ネッド・ネムラ・マーシャル諸島共和国外務貿易大臣(Hon. Casten Ned NEMRA, Minister of Foreign Affairs and Trade of the Republic of the Marshall Islands)との間で、以下3件の無償資金協力(供与額計11億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. 対象案件の概要はそれぞれ以下のとおりです。
  • (1)インフラ整備のための支援(経済社会開発計画)(供与額:5億円)
     マーシャルは、29の環礁と大小多数の島々から構成される島嶼国で、国土が広大な海域にまたがっており、離島ではインフラ整備が進まず、物資の輸送が滞るなどの問題が生じています。この協力では、マーシャル政府に対し、基礎インフラ整備機材(ダンプトラック、エクスカベーター、ホイールローダー等)を供与することにより、同国の経済成長基盤の強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  • (2)廃棄物処理のための支援(経済社会開発計画)(供与額:3億円)
     マーシャルは、利用できる土地が限られており、廃棄物処理に支障を来している上に、廃棄物処分場からの海水の汚染進行が指摘されており、住民の健康や環境への悪影響が懸念されています。この協力では、マーシャル政府に対し、廃棄物処理関連機材(ごみ収集車、廃金属圧縮機等)を供与することにより、同国の社会サービス提供体制の向上を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  • (3)電力供給安定化のための支援(経済社会開発計画)(供与額:3億円)
     マーシャルでは、電力供給のほとんどをディーゼル発電に依存しており、発電用の燃料を輸入していますが、海外市場から遠く離れた広大な海域に国土がまたがっており、その特有の狭小性、隔絶性、遠隔性から輸送コストも上乗せされ、恒常的に燃料価格が高価となるなど、エネルギー安全保障上の脆弱性を抱えています。この協力では、マーシャル政府に対し、発電用の燃油の供与を通じ、同国の電力の供給の安定化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  1. 我が国は、昨年7月2日にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「持続可能で強靱な経済発展の基盤強化」を含む支援の重点分野を表明しており、上記3つの協力は同表明を具現化するものです。
(参考1)マーシャル諸島共和国基礎データ

 マーシャル諸島共和国の面積は約180平方キロメートル(霞ヶ浦とほぼ同じ)、人口は、約5.9万人(2020年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)は4,940米ドル(2020年、世界銀行)。

(参考2)第9回太平洋・島サミット

 2021年7月2日、テレビ会議方式により、菅総理とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回 太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting:PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。マーシャルからはクリストファー・J・ロヤック大統領代行が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。 


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