外務省・新着情報

冒頭発言

林大臣のトルコ、アラブ首長国連邦訪問

【林外務大臣】それでは、まず私(林大臣)からでございますが、3月18日から21日まで、中東のトルコ、UAEを訪問する予定であります。
 今回の訪問は、まずウクライナ情勢、そして国際原油市場の安定化、及び二国間関係の強化、この3点において連携を確認することを目的としております。
 ウクライナ情勢について、トルコは、チャヴシュオール外相が、今回の訪問地であるアンタルヤにてロシアとウクライナの外相会談を仲介し、今週、両国を訪問しておられます。また、UAEは、安保理非常任理事国として、今月、安保理議長国を務めています。両国との間で、国際秩序の根幹を守り抜くため、緊密な連携及び国際場裡における対応で協調していくことを具体的に確認したいというふうに思っております。
 ウクライナ情勢を受けた原油価格の高騰への対応としては、OPECメンバーであるUAEと、国際原油市場の安定化のための連携を確認したいと考えております。
 二国間関係については、2024年に外交関係樹立100周年を迎えるトルコ、本年が外交関係樹立50周年にあたるUAEと、従来の協力関係の更なる深化について、じっくりと議論したいと考えております。私(林大臣)からは以上です。

ウクライナ情勢(米中首脳会談)

【朝日新聞 野平記者】今日、米中の首脳会談が行われます。ロシアによるウクライナの侵攻後、初めての会談となるわけですけれども、中国側が、ロシアに対する支援をする意向だとされていることに対して、米側は、それを警告するものとみられますが、大臣、この会談についてご所見をお願いします。

【林外務大臣】米国のホワイトハウスは、米国時間3月18日に、バイデン大統領と習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が会談を行い、米中関係及びウクライナ情勢等について、意見交換を行う予定であると、その旨発表したと承知をしております。
 第三国間の会談について予断をもってコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、その上で、ロシアによるウクライナ侵略について、今こそ、国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会が結束して毅然と対応することが必要であり、中国に対しても責任ある行動を求めていくことが重要であるというふうに考えております。

ウクライナ情勢(「キエフ」の表記)

【毎日新聞 飼手記者】今朝の自民党の部会で、2015年に前ウクライナ大使から外務省に対して、首都キエフをウクライナ語に変えて欲しいと、文書で要請されたとの指摘がありました。15日の官房長官の会見では、ウクライナ側から表記に問題があると申入れを受けているわけではないという発言があったのですけれども、それとの齟齬はないのでしょうか。事実関係をお願いします。

【林外務大臣】今、お尋ねのような文書、これを受け取ったという事実は、現時点では確認されておりません。
 その上で、政府として、様々な場において、いかなる表記や呼称を用いるのが適切か、これは不断に検討してまいりたいというふうに考えております。

【毎日新聞 飼手記者】追加でお願いします。2014年のクリミア併合以降に、ウクライナの主要都市について、外務省ではウクライナ語に変えてきたという指摘もあります。この事実関係と、そうであれば、キエフがそのときに変更されなかった理由についてもお願いします。

【林外務大臣】外務省では、業務の必要性の観点から、既に慣用として相当程度定着しているキエフ等を除いて、ウクライナの地名については、ウクライナ語に基づくカタカナ表記を使用してきておるということでございます。

ウクライナ情勢(ロシア国内の言論弾圧と人権侵害)

【産経新聞 杉本記者】ロシアに関してお伺いしたいと思います。ロシアによるウクライナ侵攻が継続していく中で、ロシア国内の言論弾圧と人権問題が懸念をされております。大臣としての受け止めと、ウクライナ侵攻を継続するにあたって、そうした国内体制が、どういうふうに支えているのかという認識について、お伺いしてもよろしいでしょうか。

【林外務大臣】ロシアにおいて、報道の自由を制約する法律が成立をし、それを受けて、外国メディアがロシアでの活動を停止せざるを得ない状況となっております。また、ロシア国内における、抗議デモに対しても厳しい取り締まりが行われております。
 こうした締めつけは、ロシア政府によるウクライナ侵略の継続と、密接に関係しているものというふうに受け止めております。ロシアにおける報道の自由及び、表現の自由の制限を強く懸念しており、非難をいたします。
 我が国としては、今後とも様々な機会・手段を通じて、我が国の立場を明確に発信しつつ、国際世論の一層の喚起に努めてまいりたいというふうに考えております。

対露経済協力関連予算

【共同通信 前田記者】ロシアとの経済協力に関する予算について、お伺いをします。今審議中の22年度の予算案に、ロシアとの経済協力に関して、21億円の費用が計上されています。野党の議員からは、これは削除した方がいいんじゃないかという声も上がっておりますけれども、政府としての対応をお願いします。

【林外務大臣】これらの予算の取扱いについては、今後のウクライナ情勢や国際的な議論の展望、これ、正確に見通すことが困難である中、今後の状況を踏まえて検討することが必要であるということから、予算案を修正する必要があるとは考えておりません。

対モルドバ支援

【読売新聞 阿部記者】モルドバの支援について、お尋ねさせてください。昨日のG7外相会合で、モルドバ支援グループを設置することを決めたということだと思いますけれども、大臣は、モルドバ友好議連の会長であるとも伺っております。その立場も踏まえて、どのようにリーダーシップ発揮していきたいと考えているか、意気込みを教えてください。

【林外務大臣】外務大臣に就任する前、数年前だったと思いますが、ご縁があって、日・モルドバ友好議員連盟というのが立ち上がり、会長にご推挙されてきたところでございます。その間、在日、駐日の大使との懇談、それからオンラインであったと思いますが、先方の議員団との、オンラインでの意見交換等の交流を通じて、友好を深めてきたところでございます。
 そうした中で、外務大臣に就任してからも議員連盟としてのオンラインの会談に一部参加をすることができました。やはり、モルドバ、我々と普遍的な価値を共有するということで、この大変な今、状況になった中で、いわゆる避難民がたくさん来られているということと、この大変大きな影響を受けて、困難に直面しているというところでございます。
 そうした中で、昨日のG7の外相会合の中で、モルドバに対してG7が中心となって、支援のチームを立ち上げようということになりましたのは、大変時宜にかなったことと、私(林大臣)も思っておりまして、G7として、また、その他の参加国や関係国際機関とも連携して、これをしっかりと進めていきたいというふうに思っております。

新型コロナウイルス(在日米軍施設内外のマスク着用義務)

【共同通信 前田記者】在日米軍のマスク着用に関してお伺いをします。在日米軍、新型コロナの感染拡大に伴う外出制限を解除する際に、在日米軍施設内外において、マスクの着用義務を継続しますというふうに言っていたのですけど、今月14日に、一部それを解除したという話があります。政府として、こういう何か通報等を受けたかということと、抗議等何か対応したことがあるかという点についてお聞かせください。

【林外務大臣】在日米軍は、3月14日から、国防省及び米国疾病管理予防センター(CDC)、この新たな方針を踏まえまして、施設・区域周辺地域の感染状況が落ち着いている場合、施設・区域内でのマスク着用を義務としない、ただし、施設・区域外におけるマスク着用は引き続き義務とする方針とするという旨を説明を受けております。
 この説明を受けまして、日本政府からは、米国側に対して、マスクの着用に関する日本国内における考え方、これを説明しつつ、協議を行ってきたところでございます。
 その結果、在日米軍では、3月18日付、本日ですが、「在日米軍関係者は施設・区域内で日本人従業員と接触する際に、マスクを着用することが推奨される」という方針としたという旨説明を受けているところでございます。
 政府としては、引き続き、感染拡大の防止及び地元の方々の不安解消に向けて「検疫・保健分科委員会」を通じて、日米間で連携していきたいと考えております。

【共同通信 前田記者】関連で、今おっしゃったと思うんですけど、今日から日本人従業員と接する時というのは、マスクを着けるように、ということになったということで、現状、それ以上は求めないというようなお考えでしょうか。

【林外務大臣】先ほど申し上げましたように、説明を受けたところでございますので、引き続き、感染拡大の防止及び地元の方々の不安解消に向けて「検疫・保健分科委員会」等も通じて、日米間で連携していきたいと考えております。

ウクライナ情勢

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濵本記者】ウクライナ情勢について一つ伺います。現在、世界中でロシア批判が席巻していますが、ハンガリーのオルバン首相は、「中部欧州諸国は大国にとってのチェス盤に過ぎず、ハンガリーは、自国軍や兵器を派遣することはない」と述べています。林大臣は、この言葉をどのようにお受け止めになられるでしょうか。日本政府は、防弾チョッキなどの装備をウクライナに支援していますが、中立を守る、戦争に関与しないという選択肢はないのでしょうか。よろしくお願いします。

【林外務大臣】ロシアによるウクライナへの侵略は、国連憲章第2条4が禁じる違法な武力の行使であり、国際法違反であるというふうに考えております。
 国際秩序の根幹、これを守り抜くために、毅然と行動し、こうしたロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示していかなければならないと考えております、我が国としては、ロシアが侵略をやめ、国際社会の声に耳を傾けるよう、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携して、適切に対応してまいりたいと考えております。

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