外務省・新着情報

【冒頭発言】

【林外務大臣】昨日、トルコ・アンタルヤを訪問いたしまして、チャヴシュオール外務大臣と外相会談を行いました。アンタルヤはチャヴシュオール大臣の地元でありまして、大臣のイニシアティブで「アンタルヤ外交フォーラム」これが毎年開催をされております、外交のそうした舞台でもあるわけでございます。先日は、チャヴシュオール大臣の呼びかけにより、ロシアのラヴロフ大臣とウクライナのクレーバ大臣との3者外相会談もこのアンタルヤで行われたわけでございます。
 ウクライナ情勢については、ロシアによる侵略を始めとする一連の行動は、ウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の重大な違反であるという認識で一致をしました。チャヴシュオール大臣からはウクライナ、ロシア双方との緊密な関係に基づくトルコの外交努力につき、詳細にわたる説明があり、トルコのこのような取組に対し、私から深い感謝と敬意を伝えました。国際秩序の根幹を守り抜くため、今後とも二国間で緊密に連携するとともに、国際場裏における対応でも協調していくことを確認しました。また、国際社会がロシアに対して一致して対応することが重要であるということについても一致をしました。
 また、歴史的な友好関係に支えられた二国間関係については、2024年の外交関係樹立100周年を念頭に、幅広い分野で更に協力を深化させることを確認をいたしました。
 また先ほど、11時30分から約30分間でございますが、スルターン・アル・ジャーベル産業・先端技術大臣と会談を行いました。日本担当特使のみならずアブダビ国営石油会社(ADNOC(アドノック))CEO等を務めるジャーベル大臣はUAEの原油や脱炭素政策におけるキーパーソンであり、今般の原油価格高騰を踏まえた国際原油市場の安定化や脱炭素に向けた取組を含めて、日本を強く支えていきたいとの意向が示され、両国協力関係の一層の拡大に向け、今後も緊密に連携していくことで一致をいたしました。
 この後、19時30分から、アブダッラー外務・国際協力大臣との外相会談及びワーキング・ディナーを行う予定にしております。
現在UAEは国連安全保障理事会非常任理事国、今月は安保理議長国を務めています。ロシアによる侵略に対する日本の確固たる立場を伝えつつ、日本とUAEとの緊密な連携に向けて率直な議論を行いたいと考えています。また、両国の外交関係樹立50周年の機会を捉えて、二国間関係について、エネルギー分野に留まらない幅広い分野での一層の進展に向けて議論を行う予定です。
なお、今晩会談予定のアブダッラー外相が数日前にドバイ万博の日本館を訪問していただいたことも踏まえて、同外相との会談前に日本館を視察して、加えて、開催国であるUAE館、そして、ウクライナへの連帯を示すためにウクライナ館への訪問を予定をしております。私からは以上でございます。

【質疑応答】

【記者】今日の日本特使との会談なんですが、国際原油市場の安定化などについて意見を交わされたのでしょうか

【林外務大臣】日本はUAEから約3割の原油を輸入しておりまして、両国はエネルギー安全保障上の重要なパートナーであります。先週15日に行われました、岸田総理とムハンマド・アブダビ皇太子との電話会談において、国際原油市場の安定に向けた連携について有意義な会談が行われたと承知しております。本日は、アブダビ国営石油会社のCEOをつとめるジャーベル大臣との間でも、OPECプラスの主要メンバーであるUAEと原油市場の安定化に向けた充実した議論を行ったったところでございます。また、ジャーベル大臣からは、国際原油市場の安定化や脱炭素に向けた取り組みを含めて、日本を強く支えていきたい、こうした意向が示されまして、今後も緊密に連携をしていくことを確認をいたしました。今晩会談予定のアブダッラー外相との間でもこうした議論をしっかり行っていたいと思います。

【記者】加えて一問お伺いします。ウクライナ情勢について、特にどのような緊議論が交わされたのでしょうか。

【林外務大臣】ロシアによるウクライナ侵略ですが、先ほども申し上げたとおり、これは主権および領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の重大な違反であり、日本としては国際秩序の根幹を守り抜くため、UAEを含む国際社会と引き続き緊密に連携しながら対応していく考えであります。現地時間3月2日の国連総会の緊急特別総会で採択されたウクライナに対する侵略の決議案、これはUAEを含む141カ国の国際社会の圧倒的多数の支持を得て採択をされました。国際社会で幅広く共有されている強い意志が改めて確認されたものであり、日本として歓迎しているところでございます。そして、今年国連安保理非常任理事国という重要な役割を担っているUAEとは、今晩のアブダッラー外相との間でも二国間の緊密な連携を確認したいというふうに思っております。

【記者】UAEはこの地域のオピニオンリーダーであり、トルコは大臣が会談でご説明受けられたように、様々なウクライナ情勢について外交努力をされていると思うんですけれど、この時期にこの2カ国を日本の外務大臣として訪れて外相会談等を行うことについての意義についてお願いします。

【林外務大臣】おっしゃっていただいたように、UAEは国連における安保理非常任理事国という重要な役割を担っております。また、トルコにつきましては、冒頭申し上げましたように、ロシアの外務大臣、ウクライナの外務大臣とアンタルヤ外交フォーラムの場で三大臣による外相会談を行い、さらには、チャヴシュオール大臣ご自身が、その後、ロシア、そしてウクライナ両国を訪問して外相会談を行われるなど、外交努力を活発に重ねておられるわけでございます。そうした両国を訪問することによって、それぞれの二国間関係についてさらに連携を強化するということはもちろんでございますが、喫緊の課題であるウクライナ問題につても意見交換をすることによって、日本としてもウクライナ問題の解決に向けての外交努力をさらい強めていける、その一環となったと考えております。

【記者】UAEの方なんですけれども、先ほど原油市場の安定化に向けた議論をして、日本を支えていくというような発言が先方からあったということなんですけれども、この大臣の方からは、今のこの原油市場のどういったような説明をして日本にどういう支援をしてほしいというふうに求めたのでしょうか?

【林外務大臣】私からは、先ほど申し上げたようにですね、この2国間、特に日本はUAEから、原油の3割を輸入しているというようなことを踏まえて、この両国間での様々な協力関係についてですね、さらに強化をしていきたいという旨をお申し上げたところでございます。そして、このウクライナ情勢を受けてですね、この原油市場を含む、エネルギー市場の不安定化のリスクが懸念される中ですね、両国間でこれに向けて連携を確認することが、必要であるという旨議論を行いさらに協力を強化していくことで一致をしたところでございます。

【記者】今日のUAEの特使とは、特にどういった意見を交わされ、ウクライナ情勢については特にどういったことを議論されたのかということと、原油に関して、すみません、もうちょっと具体的に林外相からどういったことを呼びかけられたのかお願いします。

【林外務大臣】このウクライナ情勢につきましては、先ほど申し上げたようにですね、私からはウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の重大な違反であり、国際秩序の根幹を守るため、UAEを含む、国際社会と引き続き、緊密に連携しながら対応していく、こうした考えをお伝えをしたところでございます。先方がどんなことをおっしゃったかということについては、これは外交上のやり取りでございますので、差し控えさせていただきたいと思います。 それから二問目はなんでしたっけ。

【記者】原油の話で特に大臣からこういった働きかけを行ったという。

【林外務大臣】先ほどもご質問に答えたとおりでありまして、もともと日本はUAEから約3割の原油輸入をしておるという状況も踏まえながらですね、さらにはこのウクライナの情勢によってエネルギー市場、原油市場含めてですが、不安定化されるというリスク、こういったものもある中でですね、さらにこの両国間のそういったこの関係を強化していきたいと、そういう旨を申し上げたところ、そのやり取りの中で、先ほどご紹介した通り、ジャーベル大臣から、 国際原油市場の安定化、さらに脱炭素に向けた取り組みを含めてですね、日本を強く支えていきたいという意向が示されたということでございます。

発信元サイトへ