外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】本日、北朝鮮が新型ICBM級の弾道ミサイルとみられる発射をいたしました。先般のICBM級の弾道ミサイルに続きまして、北朝鮮がこのような挑発行為を行い、しかも我が国EEZ内に落下したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、また、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過できない暴挙であります。
 こうしたことを踏まえて、先ほど、現在バイデン大統領と共にブリュッセルに滞在中のブリンケン米国国務長官との間で、30分間、日米外相電話会談を行い、意見交換をいたしました。
 ブリンケン長官とは、北朝鮮による度重なるICBM級の弾道ミサイル発射、特に今回の発射を強く非難した上で、北朝鮮が核・ミサイル活動を強化しているということは、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であるという認識で一致をし、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向けて、国連安保理での対応を含め、日米、日米韓で緊密に連携して毅然と対応をすることを確認いたしました。
 特に、ロシアのウクライナ侵略への対応に国際社会が注力している中、北朝鮮に挑発的な行動を進める機会の窓が開いたと誤信をさせてはならないという点で一致しました。
 そして、ブリンケン長官と、このように一層厳しさを増す地域の安全保障環境に鑑み、日米同盟の抑止力・対処力の強化が不可欠であり、引き続き日米で緊密に連携していくことを再確認をいたしました。
 更にブリンケン長官からは、ウクライナ情勢に関する日本の指導力、そして協力と連携に感謝するという発言もあったところでございます。
 私からは以上でございます。

質疑応答

【記者】今日の会談の中でですね、北に対して対話に応じるようにということをやってきたりとかですね、圧力をかけてきたりしていると思うんですけれども、今実験が続いている状況がある中で、今後のアプローチについて何かブリンケン長官と話したりしたのでしょうか。

【林外務大臣】この今回のですね、この発射を受けまして今後の対応でございますが、我々としては制裁などを含めてですね、米国や韓国とも連携しながら、検討していきたいと思っております。
具体的にどういうやり取りをしたかについては差し控えたいと思います。

【記者】今回のミサイルはですね、ロフテッド軌道で撃たれたという風になっていますが、通常軌道で発射したらばアメリカの東海岸まで届くという話も出ています。
そうしたお話についてですね、今回の会談の中で言及はあったのでしょうか。

【林外務大臣】先ほど申し上げましたように、ICBM級の弾道ミサイルということでございます。この北朝鮮側の意図についてはですね、日本として断定的にお答えすることは差し控えたいと思いますが、これまでにも北朝鮮が2021年1月の党大会におきましてICBM級関連事業の推進に言及しているということも踏まえますと、引き続きですね、弾道ミサイルの長射程化を追求する姿勢であることは変わりがない、こういう風に見ております。
 いずれにせよ、今回のような事態を更にですね、緊迫させる弾道ミサイル発射を含めて、一連の北朝鮮の行動というのは、我が国や地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものでありですね、断じて容認できないと考えております。

【記者】過去に2016年にも2017年にも北朝鮮のミサイルについては、北海道沖に落下しているんですけれども、今回の渡島半島沖150キロというのは、かつてないほどの近さだと思うんですけれども、そのことについてどのようにお考えですか。

【林外務大臣】先ほども申し上げましたようにですね、この我が国のEEZ内、しかも今お話があったようにですね、今までにないようなですね、近さでございますので、先程申し上げましたけれども、これは我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威でという風に考えております。

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