外務省・新着情報

国連安保理改革

【読売新聞 阿部記者】国連改革についてお尋ねします。先日、NHKの番組でも、国連の改革について新たな局面に入ったというような言い方をされていたと思います。今回のウクライナ、ロシアによるウクライナの侵略を受けて、これまで日本政府としての取組を進めてきたと思うんですけれども、議論する環境が様変わりしたと思いますが、今後どういうふうに進めていくかについて、論点が様々あるかと思うんですが、どういった点を特に重視して進めていくお考えかをお聞かせください。

【林外務大臣】国際社会の平和と安全に大きな責任を持つ国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアの暴挙、今回のウクライナ侵略ということ、これは新たな国際秩序の枠組みの必要性、これを示していると考えております。
 我が国は、安保理をこの時代にふさわしい組織とするべく、長年、安保理改革の必要性を訴えて、積極的に活動してきたところであります。この間、トルコとUAEに行きましたときも、それぞれの外相に対しまして、私(林大臣)から、安保理の問題点につき提起をしたところでございます。
 各国の複雑な利害が絡み合う安保理改革、これ、簡単ではないというふうに思いますが、岸田政権の下で、引き続き、多くの国々と協力しながら、日本の常任理事国入りを含む安保理改革、この実現に全力を挙げてまいりたいと考えております。

ウクライナ情勢(避難民支援)

【朝日新聞 野平記者】ウクライナからの避難民の受入れについてお伺いします。現在の政府の受入れの状況と、あと、避難民の支援チームができまして、ポーランド大使館とジェシュフの連絡事務所の機能強化をして、また、古川法務大臣もポーランドを訪れる予定だというふうに伺っておりますが、具体的に、外務省としては、この避難民の支援チーム、どのように取り組んでいくお考えかお聞かせください。

【林外務大臣】3月25日に、総理から発表があったとおり、今般、在ポーランド大使館及びジェシュフ連絡事務所の体制を強化いたしまして、「ウクライナ避難民支援チーム」を新たに設置をして、避難民の方々の日本への渡航支援のニーズについて調査・把握を進めていくということにいたしました。必要な知見を有する職員、これを追加的に、外務省及び法務省から速やかに派遣していくということです。
 避難民の方々の日本への渡航支援のニーズについて、調査・把握をするとともに、更に、査証の発給や具体的な渡航方法などについても、きめ細かく相談に応じていきたいというふうに考えております。
 我が国に避難して来られる方々への必要な支援等について、支援のニーズを把握しながら、日本ができることを、政府全体としてスピード感をもってしっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。
 また、古川法務大臣でございますが、総理特使として、このポーランドに出張されるというふうに承知をしております。ウクライナと国境を接して、多くのウクライナ避難民を率先して受け入れているというのがポーランドでありますので、そうした観点から、ポーランド政府要人との会談、また、現地のウクライナ避難民の受入れ状況の視察、こういったことを行って、現地のニーズや課題を的確に把握していただけると承知をしております。詳細については、まだ調整中でございます。

ウクライナ情勢(キエフの表記・呼称)

【時事通信 田中記者】ウクライナの地名の表記についてなんですけれども、防衛省が、自民党の部会などで使う説明資料で、キエフについて、現地語との併記で、「キーウ(キエフ)」というふうに表記することを始めていますが、外務省でこのように、「キーウ」という言葉を使うお考えはありますでしょうか。

【林外務大臣】政府として、既に慣用として相当程度定着しているキエフ市等を除いて、ウクライナの地名については、既にウクライナ語に基づくカタカナ表記を使用してきておるところでございます。
 その上で、我々として、キエフの表記や呼称についても、政府として、いかなる表記や呼称を用いるのが適切か、同国政府との調整も含めて、検討しておるところでございます。

日米地位協定(在日米軍の訓練)

【琉球新報 安里記者】昨日、外務省沖縄事務所の橋本沖縄担当大使が、実弾射撃を伴わない提供施設・区域での米軍訓練について、事実上容認するようなご発言がございまして、これは日米地位協定の解釈を示したということなんですけれども、この点を踏まえて、この解釈に基づくと、訓練空域や水域を定める意味がなくなると思いますけれども、まず、この点についての大臣の受け止めをいただきたいのと、あとまた、外務省沖縄事務所については、95年の少女暴行事件を契機に、地元の負担軽減のために在日米軍と調整目的のために設立されたとの認識ですが、このように地位協定の拡大解釈とも言えるような知見に立っていては、設立趣旨に沿う組織ができているのかと、疑問を持たざるを得ません。この点についても受け止めをお願いします。

【林外務大臣】3月22日に名護湾で実施をされました米軍の訓練に関して、事前に日本側への連絡がなかったというふうに承知しております。
 在日米軍は、日米安保条約の目的達成のため、実弾射撃等を伴わない米軍機による各種訓練については、施設・区域の外においてこれを行うことは認められております。しかしながら、在日米軍は、同時に、航空機の運用に当たっては、公共の安全に妥当な考慮を払うのは当然のことであります。
 今回の名護湾での訓練実施を受けて、防衛省から米国側に対して、訓練の実施に当たっては、地域に与える影響を最小限にするように申入れを行ったところでございます。
 私(林大臣)自身も、本年の1月の日米「2+2」において、岸防衛大臣とともに、在日米軍による地元への影響に最大限配慮した安全な運用について求めたところでございます。今後とも、引き続き、防衛省と連携しながら、米側に対して、安全面に最大限の配慮を求めて、地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

バイデン大統領による被爆地訪問の可能性

【中国新聞 樋口記者】土曜日に、エマニュエル米国駐日大使が、岸田総理とともに平和公園を視察されました。その際、視察後に、報道陣に、バイデン大統領が、次期の来日の際に、広島、長崎のどちらかには行きたいというふうに言うんじゃないだろうかというふうな発言をされました。外務省は、かねがね、要人の被爆地訪問は重要だというスタンスだと思うんですけれども、政府として働きかけていくような、改めて考えがあるのかどうか、また、この発言、どういうふうに受け止めたかというのをお願いします。

【林外務大臣】エマニュエル駐日米国大使の発言については承知をしております。
 国際社会が被爆の実相に関する正確な認識を持つことは、核軍縮に向けた、あらゆる取組のスタートとして大変重要であると考えておりまして、そうした視点から、要人の被爆地訪問というのは、極めて有意義だというふうに考えております。
 バイデン大統領の訪日そのものについては、具体的日程や訪問先を含めて、まだ何ら決まっていることはないというふうに承知をしております。

北朝鮮によるミサイル発射

【日本経済新聞 三木記者】北朝鮮のミサイル発射についてお伺いします。24日の北朝鮮のミサイル発射に関して、大臣、NHKさんの番組の中で、ロシアによるウクライナ侵略の間隙をついたというような見方をされましたけれども、改めて、日本政府として、今回の北朝鮮のミサイル発射が、このような状況で、どういう意図を持って発射されたのか、どういうふうにみているのか、その見解をお願いします。

【林外務大臣】重要なことは、今回のウクライナ侵略のような、力による一方的な現状変更をインド太平洋、とりわけ東アジアで許してはならないということだと考えております。
 そうした意味で、その上で、北朝鮮側の意図について、日本として断定的にお答えをするということは差し控えたいと思いますが、先般のICBM級の弾道ミサイルに続いて、北朝鮮が24日、新型ICBM級弾道ミサイルとみられる発射を行い、しかも我が国EEZ内に落下したということは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であります。また、国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中、この間隙を狙ったものともみられ、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり、到底看過できない暴挙であると考えております。
 政府としては、今後とも、日米、また日米韓で緊密に連携するとともに、国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の完全な非核化を目指すという考えでございます。

G20へのロシアの参加

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 ロシアのG20ヘの参加に対する日本の立場を教えてください。報道によれば、バイデン米国大統領は、ロシアをG20から排除すべきと提唱していますが、大臣は賛成でしょうか、反対でしょうか。

【林外務大臣】今回のロシアによるウクライナへの侵略は、力による一方的な現状変更の試み、かつ、国際秩序の根幹を揺るがす行為でありまして、明白な国際法違反であります。国際秩序の根幹を守り抜くために、国際社会と結束して、日本としても、毅然として行動をしてまいりたいと考えております。
 G20へのロシアの参加については、議長国であるインドネシアを始めとするG20のメンバーとも議論しつつ、今後の情勢をよく踏まえた上で、政府として、適切に対応してまいりたいと考えております。

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