外務省・新着情報

冒頭発言

『外交』72号の発売

【小野外務報道官】私から1点ご報告をいたします。明日3月31日、『外交』72号が発売される予定です。今号は、「特集:ウクライナ侵攻の衝撃波」と題して、ウクライナ情勢について特集しています。
 具体的には、ロシアや国際政治の専門家に加え、民間企業やアメリカからの見方、歴史的背景、政治、経済、軍事からの分析、さらにはインド太平洋地域への影響についても網羅をし、ロシアのウクライナ侵攻が、今後の国際秩序に与える影響全般について考察をするものとなっています。また、今年がサンフランシスコ平和条約の発効から70年という節目の年に当たることを踏まえた連続企画なども掲載しています。
 ウクライナ情勢への関心の高まりを受けて、この72号は、明日からオンラインで期限を設けず、無料で全文を公開する予定となっています。ぜひご一読いただきたくとともに、広くご紹介をいただければ幸いです。私からは以上です。

ウクライナ情勢(キエフの表記・呼称)

【読売新聞 金子記者】ウクライナ情勢について伺います。まず、ウクライナの「キエフ」の表記ですが、ウクライナ政府と調整しているということなのですが、今の調整状況と、今後変更する見通しがあれば、それについても教えてください。

【小野外務報道官】ご案内のとおり、昨日も、大臣もこちらの場でご説明をしているところですが、既に慣用として相当程度定着しているキエフ市等を除いて、ウクライナの地名については、ウクライナ語に基づくカタカナ表記を使用してきています。
 その上で、外務省として、そのキエフの表記や呼称についても、政府として、いかなる表記や呼称を用いるのが適切か、ウクライナ政府と調整を含めて、現在も鋭意検討しているところであります。

ウクライナ情勢(露・ウクライナ停戦交渉)

【朝日新聞 相原記者】ウクライナ情勢について伺います。昨日、ウクライナとロシアの停戦協議がありました。初めて進展したと言われていて、ゼレンスキー大統領は中立化について用意があるというような発言をされて、新しい安全保障の枠組みについても、種々報道されています。先日の、その停戦協議について、外務省の受け止め、評価について教えてください。

【小野外務報道官】ご指摘いただきましたとおり、ロシアとウクライナとの間では、29日の停戦交渉で、双方共に様々な提案があったと承知をしています。また、双方ともに、一定の譲歩をし、また、ロシア側は首都キエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小するという考えも示したというふうに認識をしております。
 他方で、これが具体的な停戦に結びつくかどうかは依然、不透明なままであり、例えばバイデン米大統領も、ロシアが提案を実行に移すかどうかを見守る必要があるという旨発言をしているほか、ロシアはウクライナから撤退しているのではなく、部隊を再配置しているに過ぎないという見方を、複数の米国政府の関係者も示しているというところであります。
 我が国としても、一刻も早く具体的な停戦に結びつくことが重要と考えております。また、引き続き、高い関心を持って事態の推移を注視していくとともに、既に表明している、ウクライナへの各種の支援を迅速かつ着実に実施していく考えであります。
 いずれにしても重要なことは、一刻も早くロシアの侵略を止めさせて、ロシア軍を撤退させるということであり、そのためにも、国際社会が連携をして、ロシアに対して、強い措置をとっていくことが極めて重要と考えています。
 そうした認識の下で、我が国としても、引き続き、今後の状況も踏まえながら、G7等と連携して、適切に取り組んでいきたいと考えています。

田中新国際協力機構(JICA)理事長の就任

【読売新聞 金子記者】JICAの新理事長の関係で伺いたいんですけど、4月から政策研究大学院大学の学長の田中さんが、再びJICAの理事長に就任されますけれども、今回2回目ということで、ウクライナとかコロナとか、いろいろと支援の在り方というのが変わってかきたと思うんですけれども、外務省として期待することについて伺いたいと思います。

【小野外務報道官】ご案内のとおり、3月25日に、4月1日付で、国際協力機構(JICA)の理事長に田中明彦氏を任命するということを政府として、決定をいたしました。
 田中明彦氏は開発協力の経験や深い見識に加えまして、外国の首脳級との関係を築く力を有しておられると認識をしております。
 先ほど冒頭でご紹介をしました、こちらの『外交』の編集委員長も、長年務めていただいておりまして、外務省としても、いろいろな形で御見識をいただいているところです。
 今後、実務や現場と、それからアカデミズムとの優れたバランス感覚を活かしながら、JICAをダイナミックに、より一層活性化していただくことを、大いに期待しております。

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