外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】ポーランド訪問の二日目は、まずワルシャワから5時間かけて移動となりましたけれども、国境地帯のメディカを視察をさせていただきました。国境警備隊の方の説明をいただきましたが、この1日に数千人から数万人、多いときでですね、ウクライナの避難民が国境に滞留して大変混雑する状況があったということで、実際にこの説明する方に動画も見せていただきましたが、それに比べますと、最近ではですね、人数が減少して、むしろポーランドからウクライナに移動するこういう人もでてきているという状況であるというご説明でございました。いずれにしても、別離と再会、この現場をですね感慨深く訪問させていただきました。
 また状況が少し落ち着いた現在であっても、避難民の方々がスムーズに国境を越えて、ワルシャワと、昨日視察をいたしました避難民の滞在施設に移動できるようにですね、まずは入国審査の円滑化から始まりまして、避難民の車に対する車両保険の提供、実際にその場で保険提供をしている車を見させていただきましたが、また市民団体、これは赤いテントがありましたけれども、そこでの食事の準備や、子供が暖をとって、そして細やかな心遣いでしたが、その中で子供が遊べるようにですね、玩具の手配等、この避難民の皆様に応える様々な支援が提供されていることを見ることができました。最前線のこうした状況を自分達の目で見まして、既に日本に来られてきておられる避難民の方々へ思い致すとともに、国をあげて避難せざるを得ないこうした人々が1日も早く元の生活に戻れるように最大限の支援を行っていきたいという思いを新たにしたところでございます。
 その後、在ポーランド大使館ジェシュフ連絡事務所に設置をされましたウクライナ避難民支援チームの激励を行いました。昨日激励した在ポーランド大使館の支援チームと同様に、一番の最前線の非常に厳しい難しい状況で賢明に業務に当たっていただいております職員の姿を目の前に拝見して、大変心強く思いました。引き続き避難民の方々の声を丁寧に聞いて今後の避難民の支援に当たるように指示を出したところでございます。続けて先ほどですが、国際機関の皆様、具体的にはOCHA、UNHCR、IOMの代表の方々と意見交換を行いました。昨日に引き続きまして避難民の支援のニーズ、課題、こうしたものについて詳しくお話をお伺いしました。ここには日本人のスタッフも2人来られまして、グローバル人材ということでご活躍されていることを心強く思いました。私からは各機関がそれぞれの強みを活かす形で日本政府の人道支援を有効的に活用していってもらうことへの期待を述べたところでございます。代表の皆さん方からは、日本の迅速な支援に対しての感謝を述べられまして、それとともに日本政府からの支援を現下のジェシュフの状況も踏まえて、例えば、女性や子供たちの支援、医療、水等のですね、分野で早速活用している、こうした具体的な説明があったところであります。ウクライナ国内で活動するにあたっての治安への不安という指摘もありました。昨日のワルシャワに続いてジェシュフに於いても日本政府の支援がですね、有効に活用をされているということを確認できて、今後の課題もいくつか確認することができた大変有意義な機会でありました。
 明日が最終日になりますが、ポーランド政府の要人の方々、具体的にはドゥダ大統領、モラビエツキ首相、ラウ外相との会談を行う予定にしております。この2日間、自分たちの目で確かめて話を聞いてきた現場の状況も踏まえて、意見交換を行い、今後の日本政府のウクライナ避難民支援の取り組みに活かしていきたいと思います。
 私からは以上ですが、副大臣から補足がございます。

【津島法務副大臣】私から今日の一連の日程を踏まえて、主に法務省に関わることについて私の受けとめをお話しします。まず、感じたこと、今後の日本の支援を行う上で重要だと思う点については、まず一点目に誰もがほっとする、そういった場をつくるということであります。具体的には、温かい食事、暖かい場所、そして子供たちが気兼ねなく遊べる場所、そういったものが用意されているということであります。
 続いて林大臣からもお話ありました障害者の方、それから親をなくした子供さんに対する、人道的観点からの支援というもの、これを行う必要があるという点であります。この2点を中心にですね、しっかり日本に持ち帰りましてなにができるのかということをしっかり検討して参りたいと思います。

質疑応答

【記者】今日、連絡事務所の職員の方や国際関係の方との意見交換がありましたが、具体的に先方からどんな要望があったのかという点を聞かせてもらえますでしょうか。

【林外務大臣】ここの事務所の皆さんとは、主に激励という形でございました。特にこの要望というのは松田大使等から伺ってきているところでございましたので、特に今日改めてということは特にございませんでした。
 国際機関からは、先ほど申し上げましたようにこの日本の迅速な、かつ、この世界でも有数の規模の支援に対して謝意の表明がありました。いろんな課題については、例えばウクライナ国内に入っていくときの安全の確保ですとか、それから、今後は、ウクライナ、農産国でもありますので、そういったものがこのシーズンに入ってきます時になかなか難しい状況だと思いますが、農業生産というものに向けて、このしっかりとした道筋をつけていきたい、こういうような課題を示されたところでありますので、我々も政府といたしまして、こうしたいろんな国際機関と協調しながらこういったことに向けてどういったことができるのかということをさらに検討していきたいと思っております。

【記者】いよいよ明日が最終日ということになりますけれども、ウクライナからの避難民の受け入れは現状20人程度で調整しているんじゃないかという報道もあるんですけど、現状の調整状況はどんな感じでしょうか。

【林外務大臣】これについては昨日も申し上げましたけれども、様々な報道が出ていることは承知をしております。帰国をする時までに、調整を了しまして避難民の方々を連れて帰る可能性を最後まで追求をしていきたいというふうに思っておりますが、現時点では引き続き調整中という状況でございます。

【記者】最後に、明日、要人の方、外相、大統領、首相とお会いになりますけれども日本側としてどういったことを伝えていきたいとお考えでしょうか。

【林外務大臣】3人を含めて両国の大使の皆様やこの団の皆様と一緒に現場をこの目で確認をして、いろんな意見交換を含めて状況をさらに把握できたと思っておりますので、これを踏まえて、意見交換をするとともに、せっかくの機会でありますから、私としましては二国間のいろんな課題についてもさらに議論を深めていければというふうに思っております。

【記者】避難民に関してなんですけれども、政府専用機に乗れる可能性のある方というとはどのような条件になるのでしょうか。希望者全員乗れるのでしょうか。

【林外務大臣】それについては先ほど申し上げたとおりで、繰り返しになって恐縮でございますが、帰国するときまでに調整を了して避難民の方々を連れて帰る可能性を追求できればと思っていますが、現時点では引き続き調整中でございます。

【記者】日本人女性でウクライナ人の旦那さんを持つような方でも乗れる可能性もあるんでしょうか、国籍とかは。

【林外務大臣】そういうことも含めて調整中でございます。

【記者】今日国境を視察されて、実際そのロシアによる侵攻が始まってあそこの国境から多くの方がポーランドに避難されてきたと思うんですが、その場を視察されて大臣としても率直に感慨というようなお言葉もありましたけれども、どういうふうな印象をお持ちになったかお聞かせいただけますでしょうか。

【林外務大臣】そうですね、ずっと報道で見ておりましたので、今日もあそこの責任者から自ら画像を見せていただきましたけれども、ものすごい数の方が、あそこで滞留をしていたという状況を頭に置いて、今日参りましたけれども、大きな波は一段落して、また落ちついた状況でありますし、それから逆にウクライナの方に帰られる方もいらっしゃるということでありましたけれども、まさにこの場所で暖かいテントの中でNGOの方がいろんな活動をする、未だにしておられるということで、皆様の暖かい善意の中で、いろんな活動をしているということですね、それに加えて数は一時ほどではございませんが、今日も車の中に乗って手続きを待ってらっしゃる方と目を合わせる機会がありました。3人で歩いて行っている中ですね、自然とこう手を振ったら、向こうも手を振り返していただいて、その時の先方の笑顔が、大変印象的でありました。

【記者】大臣が総理の特使としてポーランドまで来られて、国境地帯に足を運ばれて、ポーランドの方々ですとか、ウクライナの方々だったりとか、日本の支援に期待する声も多いんじゃないかとお察しします。明日は外相会談の後に共同で記者会見をするご定ですけれども、その場で何か、ウクライナあるいはポーランドへの何かしらの支援を発表されるご予定はありますでしょうか。

【林外務大臣】先ほど冒頭で申し上げましたように、この国際機関の方々はじめですね、また今日行きました国境警備隊の皆様や、昨日訪れました避難施設等々の方々から、口々に、かなり早い段階で我々が1億ドル人道支援、そしてさらに追加的にもう1億ドルということを、それぞれの皆様から謝意の表明があったところでございますので、まさに今後、署名をしました1億ドル、合わせて2億ドル、さらには借款ということで1億ドルということをかなり早い時期に決めておりますので、これを今日、昨日、明日と意見交換する中で、どうやって、感謝を表明していただいていますが、さらに有効につかっていくのかということを、視察で得られた知見をもとに、検討を深めていければというふうに思っております。

【記者】現場の取材で、ウクライナからの避難民の方で日本へ行きたいという希望があっても、身元引受人がいなければ、日本に来れませんということで断られてしまう方もいらっしゃるとのことなのですが、たとえば今後そういう方を受け入れるですとか、経済的な支援ですとか、窓口を広げていくようなお考えはありますか。

【林外務大臣】それは法務省から。

【津島法務副大臣】私からお答えします。我が国では、日本に親族や知人がいらっしゃらない方でも受け入れ、必要な支援をしていくこととしております。そういった場合にまずは日本大使館にご相談いただければと思います。何れにしましてもそのようなケースについて柔軟に対応していこうと考えてございます。

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