外務省・新着情報

冒頭発言

「中央アジア+日本」対話・第8回外相会合

【林外務大臣】それではまず、1件、私(林大臣)からございます。
 本日、「中央アジア+日本」対話の第8回外相会合をオンライン形式で開催をいたします。私(林大臣)が議長を務めまして、中央アジア5か国、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンから、副首相や外相等が参加をいたします。
 「中央アジア+日本」対話ですが、2004年に中央アジア諸国との対話と協力の枠組みとして、日本が他国に先駆けて立ち上げたものでございます。法の支配に基づく国際秩序を維持・強化するパートナーである中央アジア諸国との間で、地域の持続可能な発展を目指して、意見交換を行う予定でございます。
 本日の会合では、中央アジア諸国と日本の協力を再確認をしつつ、ウクライナ情勢、また、アフガニスタン情勢についても、日本の立場をお伝えをし、そして、意見交換をした上で、本年、外交関係樹立30周年を迎えます中央アジアと日本との変わらぬ連帯、これを確認する機会としたいと考えております。私(林大臣)からは以上です。

対中央アジア外交

【NHK 青木記者】今の関連でお聞きします。大臣、中央アジアですとかモンゴルへの訪問というのも、検討・調整はされていると思うんですけれども、この昨今の国際情勢を踏まえまして、それぞれの国々との外交というのは、どういった意義があると現状お考えでしょうか。

【林外務大臣】外国訪問は、何ら決まっておりませんが、その上で申し上げますと、日本は、東アジア、また南アジア、中東、欧州、ロシア、これを結ぶ地政学的な要衝に位置する中央アジアとの対話と協力の枠組みということで、先ほど冒頭申し上げましたように、2004年に他国に先駆けて、「中央アジア+日本」という対話の枠組みを立ち上げてまいりました。この地域と、また地域との交流を通じながら、国際的な平和と安定に寄与すると、こういう目的で、中央アジアとの外交を推進してきたところであります。また、今年は、先ほど申し上げましたように、中央アジア諸国が日本との外交関係を樹立して30周年を迎える記念すべき年であります。
 昨今の国際情勢も踏まえて、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序、これをともに構築をするパートナーとして、中央アジア諸国との連携強化に、引き続き、取り組んでいきたいと考えております。

ロシア軍の日本海における訓練

【読売新聞 依田記者】昨日、ロシアの太平洋艦隊が、日本海で演習を行って、潜水艦2隻が巡航ミサイルを発射したということですけれども、これについての受け止めをお願いします。

【林外務大臣】ご指摘のことに関する発表を承知をしておるところでございます。
 今般のロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、日本政府として、厳しく非難をしてきているところでありますが、こうした情勢下において、北東アジアの緊張を高めるような行動は控えるべきであると考えております。そうした観点から、今般のロシア軍の行動、これは懸念すべきものであると考えております。
 4月14日、外交ルートを通じまして、こうした懸念をロシア側に申入れをしたところでございます。

G20等へのロシア参加問題

【産経新聞 杉本記者】G20等についてお伺いしたいと思います。G20の首脳会合に、ロシアの参加を拒否するような国がある、あるいはロシアが参加するなら欠席すると表明している国がございますけれども、G20だけではなくて、APECであるとかEASであるとか、ロシアが入っている多国間の枠組みというのは多数ございますけれども、日本として、G20等のロシアの出席というものを拒む考えはございますでしょうか。加えまして、ロシアの排除を求めるとか、あるいは求めないとかいうような、決定を下す際の留意点というか、配慮する事項等がございましたら、教えていただけますでしょうか。

【林外務大臣】直近では、来週、G20の財務大臣の会合がございます。国際社会は、ロシアのウクライナ侵略によりまして、ロシアとの関係をこれまでどおりにすることは、もはやできないと、こういうふうに考えております。
 先般のG7の首脳会合でも、今お話のありました国際機関や多国間フォーラムにおいては、もはやこれまでどおりにロシアとの間で活動を行うべきではないという点で、一致を見ております。
 G20へのロシアの参加についてですが、インドネシアが議長国でありますので、この議長国をはじめとするG20のメンバーとも議論しながら、今後の情勢をよく踏まえた上で、政府として適切に対応していきたいというふうに考えております。

【産経新聞 杉本記者】関連でお伺いいたします。そうしますと、例えばG20でありますと、その議長国であるインドネシアに対して、ロシアの欠席を認めないというような働きかけを、G7の一員として行っていくんだと、そういうような理解でよろしいんでしょうか。

【林外務大臣】ロシアの欠席でなく、出席を認めないということですかね。

【産経新聞 杉本記者】出席を認めない。

【林外務大臣】G20を含む国際会合のロシアの参加については、それぞれの議長国や、また同志国と一緒に議論しながら、今後の情勢を踏まえた上で、政府として適切に対応してまいりたいと考えております。

ウクライナ情勢(キーウでの大使館業務再開及びウクライナへの要人派遣の可能性)

【テレビ朝日 澤井記者】欧州を中心に、イタリアだったり、フランスだったり大使館を一時移転していたのを首都のキーウに戻すという流れがあります。

【林外務大臣】ウクライナですね?

【テレビ朝日 澤井記者】すみません、ウクライナ情勢です。流れがあります。一方で、ロシアの国防省は、キーウを含む施設をまた再攻撃するというような警告もしています。そうした中で日本政府としても、今、一時移転している大使館をウクライナの首都に戻す考えがあるのかということをお聞かせください、また、もう一点いいですか。先日、ジョンソン首相がキーウを電撃訪問しまして、あと、米国も、今、政府の高官を送る、首都のキーウを訪問する考えを示していますけれども、日本政府としてもキーウを訪問する可能性があるのか、お聞かせください。

【林外務大臣】フランス政府が、大使館業務の再開を決めたというようなことに関する発表、これは承知をしております。現在、ロシアは、ウクライナ各地で攻撃を継続しておりまして、無辜の民間人が多数殺害されるなど、残虐行為が繰り広げられているほか、キーウ中枢の攻撃、これも示唆をしているというふうに承知をしております。
 政府としては、現地情勢について、情報収集、これを行うとともに、現在、在ポーランド日本大使館と、それからジェシュフの連絡事務所を拠点として、在留邦人に対する情報提供や安全確保、出国支援、最大限取り組んでいるところでございますので、引き続き、現地の情勢など、不断に注視をしつつ、関係国とも緊密に連携しながら、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
 また、後段の要人のウクライナ派遣について、現在、何か既に決まっているということはございませんけれども、現地の情勢等、また、G7と連携して、適切に対応してまいらなければならないと思っております。

米国による未臨界実験

【中国新聞 樋口記者】米国が、昨年2回、核爆発を伴わないものなんですけど、臨界前核実験を行っていたことが明らかになりました。これは核兵器の、やはり近代化というのを進めているということが、浮き彫りになった形ですけれども、戦争被爆国としての受け止めをよろしくお願いします。

【林外務大臣】この関連の報道は承知をしておりますけれども、米国政府の活動を説明するという立場にないことから、コメントを差し控えたいと思います。
 その上で申し上げますと、日本は、今お話があった、唯一の戦争被爆国でありますから、戦争被爆国として「核兵器のない世界」に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 1月の日米首脳テレビ会談でも、岸田総理から「現実主義に基づく核軍縮の考え」、これを説明し、バイデン米国大統領からは、支持が表明をされました。両首脳は、「核兵器のない世界」に向けて共に取り組んでいくことを確認をしたところでございます。
 一方で、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境、これに鑑みれば、米国の核を含む抑止力は日本の安全保障にとり、引き続き、不可欠であると考えております。
 引き続き、米国との信頼関係を基礎としながら、現実的な取組を進めてまいりたいと考えております。

日韓関係(次期大統領の就任式)

【共同通信 前田記者】日韓関係についてお伺いをいたします。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の就任式まで1か月を切ったわけですけれども、現在、日韓間の関係が、戦後最悪とも言われている中で、次期政権と、日韓関係の改善の期待感というのを、大臣、どのように考えているかということと、併せて就任式に要人を派遣すると思うんですけれども、その検討状況について、お聞かせください。

【林外務大臣】国際社会が、まさに時代を画する変化に直面する中で、健全な日韓関係というものは、ルールに基づく国際秩序を実現して、この地域や世界の平和安定、更には平和・安定・繁栄を確保する上でも、不可欠なものだと考えております。
 また、先日のICBM級の弾道ミサイル発射を含めて、北朝鮮による核・ミサイル開発が一層活発化する中で、北朝鮮への対話をはじめとして、日韓米、この3か国の連携も非常に重要であると考えております。
 1965年に国交正常化して以来、築いてまいりました日韓の友好協力関係の基盤、これに基づきまして、日韓関係を発展させていく必要があると考えておりまして、尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領のリーダーシップに期待をするところでございます。
 尹(ユン)次期大統領の就任式への対応を含めて、今後の日韓間の往来や会談等については、現時点で具体的に決まっていることはございませんが、日韓関係改善のために、尹(ユン)次期大統領をはじめ、新政権と適時適切なレベルで意思疎通をしていく、こうした考えでやってまいりたいと思っております。

ウクライナ情勢(駐日ロシア大使館外交官及びロシア通商代表部職員の国外退去)

【読売新聞 依田記者】日本にいるロシア外交官などの追放の関係で、外務省が発表されてから、今日でちょうど1週間になりますけれども、その後の出国状況の最新情報があればというのと、あと、今後、ロシアが報復措置に出る、同じように対抗措置を取る可能性がありますが、その際、モスクワの大使館業務に影響が出ないかどうかというのをお伺いします。

【林外務大臣】現下のウクライナ情勢を踏まえて、今般、我が国として、総合的に判断をしました結果、8名の駐日ロシア大使館の外交官、及びロシア通商代表部職員の国外退避を要求することといたしまして、4月8日に、この旨を森外務事務次官から、ガルージン駐日ロシア連邦大使に通告をいたしました。
 森次官からは、ガルージン大使に対しまして、退去する期限、これを伝達をしておりますが、この詳細は控えたいと思います。また、現時点で、国外退去を要求した8名が既に出国したかどうかについても、お答え差し控えたいと思います。
 これに対するロシア側の反応でございますが、我が国による、国外退去の要求に対して、ロシア外務省の報道官は、相応の対応をするという旨を述べております。他方、その詳細は明らかでなく、今後のロシア側の対応については、予断をもってお答えすることは差し控えたいというふうに考えております。
 これまでロシア外交官の追放を決定した各国のロシア駐在外交官について、ロシア側が、同様に追放決定しているというのは御案内のとおりであります。ロシア側の反応がいかなるものであっても、我が国としては、引き続き、ロシアにおける邦人、また企業活動の保護には万全を期してまいりたいと考えております。

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