外務省・新着情報

冒頭発言

令和3年度外交に関する国内世論調査

【小野外務報道官】それでは、本日は、私(小野外務報道官)から、令和3年度外交に関する国内世論調査についてご報告をいたします。
 外務省は、毎年度、外交政策についての国内世論調査を実施をしております。全国の18歳以上の男女1,000人に、電話で意見を聞くものです。令和3年度は、令和4年3月に調査を行い、今般、その結果がまとまりました。
 そのポイントとして5点ご紹介をいたします。
 第一に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組については、約8割の方が「評価できる」と回答いたしました。
 第二に、東アジアの安全保障環境については、「一層厳しさを増していると考える」と回答した方が9割近くを占めました。
 第三に、ロシアによるウクライナへの侵略について、日本が特に力を入れるべき措置として最も多く挙げられたのが、「G7を始めとする国際社会との連携強化」であり、次いで、「ウクライナから日本への避難民への受入れの推進」、「ウクライナへの支援の強化」と続き、いずれも6割前後の方が挙げておられます。
 第四に、日米関係の強化を期待する分野については、「安全保障」を7割の方が挙げ、次いで「経済・貿易・金融」を過半数の方が挙げておられます。
 そして、第五に、日本の対中外交において重視していくべき点については、6割以上の方が「領海侵入等に対して、強い姿勢で臨んでいくこと」を挙げ、最も多く、続いて、「人権・自由・民主主義・法の支配の尊重を求めていくこと」を過半数の方が挙げておられます。
 詳細につきましては、後ほど外務省のホームページで公開をしますので、ご確認いただければと思います。
 外交政策を円滑に遂行するに当たりましては、国民の皆様のご理解と支持が不可欠であります。今回の調査結果についても、関係者間で広く共有をして、今後の外交政策立案の参考としてまいります。私(小野外務報道官)からは以上です。

駐日ロシア大使館及びロシア通商代表部職員の出国

【朝日新聞 相原記者】ロシア外交官について伺います。先日、森次官がガルージン大使に対して通告した8人の国外退去処分について、今日、8人を乗せたチャーター機とみられる飛行機が羽田空港を離陸したと報じられていますが、外務省としては、その8人が退去したという事実を確認しているんでしょうか。

【小野外務報道官】4月8日に、国外退去要求した在京ロシア大使館員等8名については、本4月20日、全員が出国したことを確認をしております。

ウクライナ情勢(日本からの「義勇兵」)

【フリーランス 安積記者】ウクライナについて、日本から「義勇兵」として応じた人たちについてお伺いします。この約50名ぐらいが、50名ないしは20名がウクライナに入ったというふうな報道があるんですが、この人たちの消息については、外務省は把握していらっしゃるのかどうなのか。
 そして、すなわち3月の2日に日本政府としては、「義勇兵」を募ったウクライナの大使館に対して自制を申し入れましたけども、3月17日に、RIAノーボスチが報道したところによると、ロシア外務省のザハロフ報道官が「これは日本政府の責任である」と。要するに「義勇兵」の応募者の生死については、日本政府の責任であるというふうに強く批判したことについて、どういうふうに思っていらっしゃるのか。
 そして、英国の捕虜が、メドヴェージェフ氏との交換を申し出て、英国は今のところは拒否をしているんですが、もし日本の「義勇兵」が、こういったトラブルに巻き込まれた場合は、どういうふうに対処されるおつもりなのか、以上3点をお願いします。

【小野外務報道官】まず、義勇兵をめぐっては様々な報道があることは承知をしております。
 いずれにしましても、現在、外務省としては、ウクライナ全土に退避勧告を発しておりまして、目的のいかんを問わず、ウクライナへの渡航をやめていただきたいと考えておりまして、それが日本政府としての基本的な立場であります。
 また、ロシアの一々の発言につきまして、私(小野外務報道官)の立場として公式にコメントすることは差し控えたいと思います。

令和3年度外交に関する世論調査(日中関係)

【テレビ朝日 澤井記者】先ほどの外交の世論調査についてお伺いします。日中国交正常化50周年の節目を迎える中での日中関係についての設問で、領海侵入などへの強い姿勢だったり、法の支配の尊重を求めるといった中国に対する厳しい姿勢が、交流の活発化だったり、協力の強化などの前向きな回答を大きく上回っているんですが、こうした背景について、外報官はどのように分析されているかというのと、また、9月には中国で記念式典が行われる方向だと思いますが、50周年の節目ということで、日本政府として、どういった対応を検討されていますか。

【小野外務報道官】中国との間には様々な懸案が存在しております。そうした懸案について、国民の皆様が高い関心を寄せていることが反映された結果であると受け止めています。
 日中関係は、両国のみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄にとって重要であります。中国との間には様々な懸案が存在しておりますが、引き続き、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、共通の諸課題については協力するという、建設的かつ安定的な日中関係を、双方の努力によって構築していくことが重要と考えています。
 そう申し上げた上で、特に今回、領海侵入等について強い姿勢で臨んでいくということが、非常に多くの方が挙げられたことについて、政府としては、中国海警局に所属する船舶の尖閣諸島周辺での領海侵入や、接続水域内での航行といった活動が相次いでいること、そういったことを極めて深刻に捉えているところであります。
 尖閣諸島周辺での日本の領海内で、独自の主張をするといった、中国海警局に所属する船舶の活動は、そもそも国際法の違反でありまして、断じて容認することはできません。
 これまで外交ルートにおいて、累次に亘って厳重に抗議をしており、速やかに日本の領海から退去するように強く求めてきているところであります。また昨年10月の日中電話首脳会談においても、また、昨年11月の日中外相電話会談においても、我が方から直接、尖閣諸島をめぐる情勢について、懸念を伝えたところであります。
 今後も引き続き、日本の領土・領海・領空を断固として守り抜くという方針のもとで、中国に対しては、主張すべきは主張し、冷静かつ毅然と対応していく方針であります。
 そして、日中国交正常化50周年の関連行事ですけれども、これについては、現時点で何ら決まっているものはございません。

駐日ロシア大使館及びロシア通商代表部職員の出国

【読売新聞 金子記者】今回のロシア外交官の国外退去ですが、政府として、どのような根拠に基づく国外退去要請だったのか、これはウイーン条約の9条に基づくものなのか、それともその慣例的なもので、外交的な慣例的なものがあるのか、それについてご説明いただければと思います。

【小野外務報道官】今回の要請につきましては、詳細は、人定事項にも関わるために立ち入ることは差し控えたいと思いますが、いずれにしましても異なる立場や役職にある計8名の方、駐日ロシア大使館の外交官及びロシア通商代表部職員について、現下のウクライナ情勢も踏まえ、総合的に判断をし、正式に国外退去を求めたというものです。
 この判断については総合的になされたものでありまして、その上で国外退去を要求したということに尽きております。これ以上の説明については、差し控えたいと思います。

日韓関係(次期外交部長官候補)

【日本経済新聞 三木記者】日韓関係についてお伺いします。次期政権の外相候補に指名をされている朴振(パク・チン)氏が、先ほどですが、2015年の日韓合意について日韓両政府の公式な合意だというふうな認識を示しました。尹(ユン)政権の幹部の候補から、こういう発言が出るのは初めてだと思うんですけれども、日本政府の受け止めについてお願いいたします。

【小野外務報道官】ご指摘の朴振(パク・チン)韓国の次期外交部長官候補のご発言については承知をしております。慰安婦問題に関する日韓合意は、日韓両政府が、多大なる外交努力の末に、2015年12月の日韓外相会談における合意によって、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したものであります。同外相会談の直後に、首脳間においても確認をいたしまして、韓国政府としての確約を取り付けたものであります。
 日韓合意は国と国との約束であり、これを守るということは国家間の関係の基本であります。1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を発展させていく必要があると認識をしておりまして、我が国としても、尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領のリーダーシップに期待をしているところです。

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