外務省・新着情報

冒頭発言

令和4年版外交青書

【林外務大臣】それでは、私(林大臣)から1件、報告がございます。
 本日の閣議で、2022年版の外交青書を配布をいたしました。
 外交青書は、主として前年の国際情勢と日本の外交活動を概観するものですが、ロシアによるウクライナ侵略を含め、本年の動きについても、一部の重要事項を、ポイントを絞って記載をしております。また、日米同盟の強化や、「自由で開かれたインド太平洋」の実現、中国・韓国といった近隣諸国との外交、北朝鮮をめぐる諸懸案への対応、また、経済外交、地球規模課題などの重要な外交課題に関し、2021年の日本の取組を発信する内容としております。
 外交青書は、本日から外務省のホームページで閲覧ができます。この外交青書を通じて、国際社会でリーダーシップを発揮し、世界の平和と繁栄に寄与する日本の姿を内外に広く発信するとともに、国民の皆様の日本外交への理解を深める一助となることを期待をしております。私(林大臣)からは以上です。

中国・ソロモン諸島両国間の安全保障協力

【朝日新聞 野平記者】ソロモン諸島が中国と安保協定を結んだことによって、あの海域での中国の影響力が増すのではないか、というような懸念が上がっておりますが、大臣のこれに対する受け止めと、また、政府として、何らかソロモンに対して、働きかけを行っていく考えがあるかどうか、お聞かせください。

【林外務大臣】この同協定につきましてですが、現時点では、全容が明らかにされておらず、詳細は確認中でございますが、太平洋地域全体の安全保障に影響を及ぼしうるものであると考えておりまして、我が国としては、懸念を持って注視をしておるところでございます。

日韓関係(政策協議代表団の訪日)

【時事通信 田中記者】24日から、韓国の次期大統領、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の政策協議代表団が日本に来日して、関係者に面会を重ねることになりますが、大臣がお会いになるご予定があるかどうかということと、あと、お会いになった場合に、慰安婦問題ですとか、元徴用工の問題とか、懸案事項が多くありますが、どのような意見交換をしたいかについて教えてください。

【林外務大臣】この政策協議代表団の訪日日程、詳細については、現在調整中でございます。
 また、現在国際社会が、時代を画する変化に直面する中で、健全な日韓関係というものは、ルールに基づく国際秩序を実現して、地域及び世界の平和や安定、繁栄、これを確保する上でも不可欠でございます。
 先般のICBM級の弾道ミサイルの発射も含めて、北朝鮮による核・ミサイル開発が一層活発化する中で、やはり北朝鮮への対応をはじめとして、日米韓3か国の連携、これも重要でございます。
 1965年の国交正常化以来築いてきた、この日韓の友好協力関係の基盤に基づいて、日韓関係を発展させていく必要がありまして、そうした意味で、尹錫悦次期大統領のリーダーシップに期待をしております。そうした観点から、日本側として、今回の韓国次期政権側による政策協議代表団の訪日の機会を捉えて、新政権側としっかり意思疎通をしていく考えであります。

ウクライナ侵略から2か月

【NHK 青木記者】ロシアがウクライナに侵攻してから間もなく2か月になりますけれども、これまでの日本の取組の総括と、今後の方針を聞かせていただきたいのと、あと、事態が長期化してしまっていることについて、大臣ご自身の考えを教えてください。

【林外務大臣】我が国は、ウクライナとその周辺国に対して2億ドルの緊急人道支援行っておりますほか、希望するウクライナ避難民の方々を日本に受入れております。
 同時に、先日開催されたウクライナ情勢に関する首脳テレビ会議において、総理から、ウクライナ経済を下支えするために、財政支援を3億ドルに増額するという旨表明をいたしました。
 こうした支援について、私(林大臣)から、先日ワルシャワを訪問したときに、クレーバ・ウクライナ外務大臣に、様々な措置や支援を進めているということをご説明して、クレーバ大臣からは、日本の対応と協力に深い感謝の意が示されたところでございます。
 今後も、困難に直面するウクライナ人々に寄り添った支援、これを実施してまいらなければならないと思っております。
 また、制裁でございますが、我が国は、一刻も早くロシアが侵略をやめるように、G7各国や国際社会と共に、ロシアに対して強力な制裁措置をとってきております。
 この経済制裁の効果が出るまでには一定の時間を要すると、これ一般論として言ってもそうでございますが、これまでの各国の措置によって、ロシアにおいて物価の上昇、それから外国企業の撤退、操業停止ということで、既にロシア経済に様々な影響が出ていると認識をしておりますので、2か月という時期にわたって、今、続いているわけですが、引き続き、我が国としては、G7をはじめとする国際社会と結束して、ロシアに対する外交的・経済的圧力を強化してまいりたいというふうに思っております。
 この制裁と、そしてウクライナの皆さんやその周辺国に対する支援を、しっかりと続けることによって、対応してまいりたいと思っております。

三宅外務大臣政務官のソロモン諸島訪問、韓国政策協議代表団の訪日

【産経新聞 千葉記者】先ほどのソロモンの件なんですけれども、一部報道で、三宅政務官を派遣するという報道がありましたが、その事実関係と、あとごめんなさい、韓国の方なんですけれども、議連の額賀会長が25日に、大臣ご自身がお会いになるということを、ぶら下がりの中でおっしゃっているんですけれども、この日程がいまのところ調整されているかということについてお願いします。

【林外務大臣】まず、三宅政務官のソロモン訪問については、まだ何も決まっていることはないということでございます。
 それから、この政策協議団についての日程、これは現在調整中であるということでございます。

中国・ソロモン諸島両国間の安全保障協力

【ジャパンタイムズ ウィル・フィー記者】日本の立場から、中国が提案するソロモン諸島との安全保障協定はどのような意味を持ちますか。また、この問題に関する地域安全保障の議論に、日本はどのように貢献するのでしょうか。

【林外務大臣】この同協定ですが、現時点で、まだ全容が明らかにされておらず、詳細は、今、確認中でございますが、太平洋地域全体の安全保障に、影響を及ぼしうるものであるということで、我が国としては、今、懸念を持って注視をしておるところでございます。

令和4年版外交青書

【共同通信 前田記者】外交青書における北方領土の表記についてお伺いをします。本日公開された外交青書の中で、北方領土について、「不法占拠されている」というふうに明記をされました。これ19年ぶりとのことなんですけれども、こうした表現を使った意図と、今後の対露外交について大臣の方針をお聞かせください。

【林外務大臣】この外交青書の記載内容でございますが、その年々に起こった様々な外交に関わる事象、これを総合的に考慮した上で、記載内容につき、決定をしておるところでございます。

自衛隊機による支援物資輸送

【朝日新聞 野平記者】UNHCRからの要請に基づく自衛隊機の移送の件ですけれども、昨日の自民党政審にかかる予定でしたが、インドが反対したために、先送りになったとされています。この経緯と、今後どのように対応していくか教えてください。

【林外務大臣】外交上のやりとりについては差し控えさせていただきたいと思いますが、自衛隊機による支援物資輸送も含めて、政府として、様々な可能性を検討していく考えでございますが、現時点で具体的に決まったことはないということでございます。

G20(政府の今後の方針)

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】4月20日のG20財務相会合にて、ロシアのシロアノフ財務相とロシア中銀総裁の発言時に、米国・英国・カナダの3か国と欧州中央銀行のラガルド総裁らが、退席、ボイコットをしました。しかし、G7に含まれないインド・中国・ブラジルなどを含む16か国は、退席しませんでした。この16対4という数字は、これまで米国を中心とする、G7のロシアへの厳しい制裁措置などに対し、G20の国々が、決して納得しているわけではないということを示しているように思います。また、BRICSなど、いまだ成長し続ける国々が参加するG20は経済成長のけん引役でもあります。日本は、今回、ボイコットはしませんでしたが、これまでG7に同調し、ロシアに厳しい経済制裁を課しています。日本は、G7の一員として、今後も米国などと足並みを揃えていくのか、それとも経済を重視し、G20の国々との関係を深めていくのか、どちらなのでしょうか、大臣のお考えをお示しください。

【林外務大臣】20日に行われましたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議では、日本を含む多くの国から、ロシアのウクライナ侵略が、世界経済が直面する多くの困難の元凶であると、そのこと等を厳しく非難する発言があったというふうに承知をしております。G20におけるロシアへの対応については、引き続き、議長国であるインドネシアを始めとするG20のメンバーと議論しながら、今後の情勢をよく踏まえた上で、政府として、適切に対応してまいりたいと考えております。

日韓関係(次期韓国大統領就任式に対する対応)

【東亜日報 李記者】韓国の次期大統領の政策協議代表団に関する内容なんですけれども、日本政府が、尹(ユン)次期大統領の就任式に参加に関する、ちょっと、自民党内で反対の声がちょっと大きいと聞きましたけれども、日本の政府では、今どのように調整するんでしょうか。

【林外務大臣】尹次期大統領の就任式の対応につきましてですが、現時点で具体的に決まっていることはございません。

日韓関係(次期韓国外相の慰安婦合意に係る発言)

【ジャパンタイムズ ウィル・フィー記者】慰安婦問題に関する韓国外相候補の発言について、どのような印象をお持ちですか。尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領の政権で、進展が期待できそうですか。市民団体や裁判の判決によって、この進展が妨げられることを懸念していらっしゃいますか。

【林外務大臣】ご指摘の、朴振(パク・チン)韓国次期外交部長官候補の発言は承知をしております。
 慰安婦問題に関する日韓合意は、日韓両政府が、多大なる外交努力の末に、2015年12月の日韓外相会談における合意によって、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したものでございます。同外相会談の直後に、首脳間においても確認し、韓国政府としての確約を取り付けたものであります。
 日韓合意は国と国との約束であり、これを守ることは、国家間の関係の基本でございます。
 1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づいて、日韓関係の発展させていく必要があり、尹錫悦次期大統領のリーダーシップに期待をしておるところでございます。

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