外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】それでは私からでございますが、日本の外務大臣として12年ぶりにカザフスタンとウズベキスタンを訪問いたしました。本年、日本は両国との外交関係樹立30周年を迎えます。戦略的パートナーである両国との関係を強化する上で、今回の訪問は大変時宜を得た、有意義なものとなりました。今回の訪問を通じてカザフスタンとウズベキスタン、それぞれの政府要人との間で、日本と両国が法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に構築するパートナーとして協力していくことを確認することができました。両国とは、「中央アジア+日本」対話の枠組をも活用しつつ、中央アジア地域の持続可能な発展を目指して連携を強化していくことで一致をしました。
 本日は、まずカザフスタンですが、未明にカザフスタンに到着し、午前中、トカエフ大統領への表敬を行い、その後、トレウベルディ副首相兼外相との間で外相会談を行いました。
 トカエフ大統領からは、暖かい歓迎をいただき、戦略的パートナーである両国の関係を更に発展させるために協力したいという御発言がありました。私からは、日本企業の進出を歓迎するとともに、トカエフ大統領が進める外国投資の促進・保護のための国内改革、これを支持をしているという風に伝えました。また、トレウベルディ副首相兼外相との会談では、外交関係樹立30周年の機会に、政治対話、経済、経済協力、環境などの分野で二国間関係を益々強化するとともに、国際場裡で引き続き緊密に連携することで一致をしました。また、アフガニスタンやウクライナを含む地域情勢についての意見交換を行いました。
 会談後、「両国外務省間の協力に関する行動計画」に署名をいたし、幅広い分野での協力を進めていくことで一致をいたしました。
 特にウクライナについてはトカエフ大統領及びトレウベルディ副首相兼外相から、本日午後にプーチン大統領と話をする予定であること、カザフスタンとして、国連憲章や国際法に則って両国との緊密な関係を基に仲介努力を払っているという旨の説明がありました。
 私からロシアによる侵略については明白な国際法違反であるとともに、これは国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態であるということを強調しつつ、国際社会が足並みを揃えて対処していく必要があるとの日本の立場を伝え、緊密に連携をしていくことを確認をいたしました。
 次にウズベキスタンですが、到着後、まずは先週東京でもお会いをいたしましたウムルザーコフ副首相兼投資・対外貿易大臣と会談をし、その後、ミルジヨーエフ大統領に表敬をいたしました。
 ミルジヨーエフ大統領への表敬では、私から、日本は二期目を迎えたミルジヨーエフ大統領の進める国内改革を一貫して支持しているとお伝えし、大統領から、日本の支援やの本企業の進出への高い評価が示されました。また私から、ウクライナアフガニスタン、それから東アジア情勢について、日本の立場を伝えたのに対し、大統領からウクライナについては 国際法及び国連憲章に基づき、平和的解決が実現する事への期待が表明され、アフガニスタンについては、対話を通じて安定と人道危機の回避を実現することへの重要性とともに、中央アジア、南アジアの連結性の強化に取り組んでいくという指摘がありました。また、大統領から双方は北朝鮮の拉致・核ミサイルの解決に向けた立場を完全に共有してい旨との発言がありました。さらに大統領からは日本の安保理常任理事国入りを一貫して支持しているということ、国連改革が必要であるというご発言がありました。
 ウルムザーコフ副首相との会談では、外交関係30年を改めて祝うとともに、新たな経済協力案件として私からウズベキスタン側から要請のありました「園芸作物バリューチェーン強化計画フェーズ2」についてドル建て借款2億ドルを供与する方針であるということを表明しました。農家等の支援を通じてウズベキスタンの農業が更に発展することを期待しております。
 また、アフガニスタンやウクライナを含む地域情勢について意見交換を行いました。特にアフガニスタンについては、日本がアフガニスタン及び隣接する中央アジア諸国に対し、国境管理の強化や過激主義の防止のための支援を行っていることや、ウズベキスタンの発電所建設への日本の協力もウズベキスタンからアフガニスタンへの電力供給を通じて地域の安定化への貢献に繋がっているということについて、高い評価を頂いたところでございます。
 本日はこの後、一昨日に着任したドロフ外務大臣代行主催の夕食会に出席をいたします。また明日は、日本人抑留者が従事して建設し、ウズベク人からも長年賞賛をされてきました、両国の友好のシンボルであるナボイ劇場を視察する予定にしております。また将来の行政官が学ぶ世界経済外交大学を訪問した後、ウズベキスタンの皆さんが長年にわたり、整備、清掃して守ってくださっている日本人抑留者墓地の献花に参ります。
 最後に、今回の両国の訪問では、現地の在留邦人の方々との意見交換をそれぞれ行い、また行う予定でございます。現場の率直な意見をよく伺って、今後の参考にしたいと考えております。

質疑応答

【記者】今、大臣からウズベキスタンの大統領との面会の中で、大統領から日本の安保理常任理事国入りを支持すると、国連改革が必要であるとの発言があったと紹介がありましたけれども、それに対して、国連改革について大臣からはどのような発言をされましたでしょうか。

【林外務大臣】はい、私からもですね、この国連改革が必要であるという声が国の内外で高まっているという趣旨の発言をいたしたところでございます。

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