外務省・新着情報

令和4年5月1日
技術革新・DX・サプライチェーン多元化における日越協力に関するセミナーで、スピーチする岸田総理大臣の様子 技術革新・DX・サプライチェーン多元化における日越協力に関するセミナー(写真提供:内閣広報室)
技術革新・DX・サプライチェーン多元化における日越協力に関するセミナーの参加者が登壇し、記念撮影を行う様子 技術革新・DX・サプライチェーン多元化における日越協力に関するセミナー(写真提供:内閣広報室)

 チン首相閣下、
 ご列席の皆様、
 本日は、お招きいただきありがとうございます。昨晩ハノイに到着し、4年ぶりにハノイの街並みを車中から眺めましたが、街の急速な発展に驚いています。同時に、古き良き街並みも残されており、本日のセミナーのテーマとも関係しますが、ベトナムの方々はドイモイ(刷新)を非常に上手に実施されていると改めて思いました。

 昨年11月、チン首相が訪日された際、(1)日越技術革新協力パートナーシップ、(2)日越デジタル・トランスフォーメーション・イニシアティブ、(3)日越サプライチェーン多元化イニシアティブの、3つのイニシアティブを立ち上げました。

 以来、日越両国は着実に協力を深化させてきました。この場を借りて、3点お話しします。

 まず、日本企業がベトナムに根を下ろして操業するに当たり、ベトナムの裾野産業は鍵となる存在です。そのためには、日越関係者が協力し、技術を底上げしながら、ベトナムにおいて裾野産業を育成していくことが必要です。
 本日署名された、溶接管理技術者育成支援のための機材供与は、そのための人材育成の一端を担うことが期待されます。

 次に、デジタル・トランスフォーメーションにより、幅広い分野で、日越両国が社会的、経済的な課題の解決に協力して対応していくことが期待されます。一例を挙げれば、日越の民間企業双方が協力し、紙で実施していた貿易手続を電子化することにより、効率性を向上させる取組が始まっています。

 そして、三つ目はサプライチェーン多元化です。コロナ禍はその重要性を我々に認識させました。ベトナムはグローバルサプライチェーンの一翼を担いつつあります。日本政府が実施した日本企業向けのサプライチェーン多元化支援事業では、全採択案件92件のうち、ベトナムでの事業案件は最多の39件にのぼりました。

 日越協力の可能性に限界はありません。本年1月には、アジア未来投資イニシアティブを発表しました。協力を更に加速化し、日本とベトナム双方に裨益する、より強固な経済関係をチン首相と共に築いていきたいと考えています。ありがとうございました。


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