外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】今回、中央アジア訪問に続きまして、中国とロシアに挟まれ地政学的に重要な位置にあるモンゴルを、日本の外務大臣としては1年半振りに訪問いたしました。今年は両国の外交関係樹立50周年及び青少年交流推進年です。この機会に突っ込んだ意見交換を行い、モンゴルにとって「第三の隣国」である日本として、普遍的価値を共有するモンゴルとの間で「戦略的パートナーシップ」の更なる強化を図っていく考えです。
 モンゴルは従来から「自由で開かれたインド太平洋」の実現に賛同し、両国の間では連結性の強化やPKO分野の能力構築支援など幅広い分野で協力が進んでおります。今回、両国政府による各分野の協力目標を定めた「中期行動計画」のレビュー結果を発表いたしましたので、各協力の詳細はそちらをご参照頂ければと思います。
 本日午前中の外相会談及びオヨーンエルデネ首相への表敬では、こうした両国間の協力に加えて、ウクライナ、北朝鮮情勢等についても意見交換をいたしました。ロシアによるウクライナ侵略については、モンゴル側から、即時停戦し、緊迫状況を緩和することが重要であるとの立場について改めて説明がありました。私からは、今回のロシアによるウクライナ侵略は、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態であり、国際社会の連帯が強く求められている旨働きかけをいたしました。また、北朝鮮に関し、3月24日のICBM級弾道ミサイル発射をはじめとする核・ミサイル問題や拉致問題の即時解決を含む対応において、引き続き連携していくことを確認をいたしました。
 今回、バトツェツェグ外務大臣との間で無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する交換公文への署名を行いました。同計画の下で、日本の大学院におけるモンゴル行政官の留学、これを支援をいたします。また、本日午前、元横綱の日馬富士が設立をされました「新モンゴル学園日馬富士校」を視察をし、日本式教育を受けるモンゴルの高校生達と交流をいたしました。さらに、この後、日本と関係の深いモンゴルの若手実業家との懇談も行う予定でございます。こうした取り組みを通じて、両国の若い世代の交流の輪が更に広がっていくことを期待をしております。
 この他、本日夕刻には日本人死亡者慰霊碑に献花を行い、明日はフレルスフ大統領を表敬する予定です。また、日本の円借款を活用して昨年夏に完成し、日本企業が運営に参画をするチンギスハーン国際空港を視察し、50周年の記念植樹を行う予定です。同空港が両国の「空の連結性」を象徴するものとなることを期待をしております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

【記者】今回訪問した中央アジアとですね、モンゴルなんですけども、いずれもそのロシアと一定の関係がある国だと思うんですけども、対ロシアという観点でですね、具体的に何が一致出来たのかということとですね、こういった対ロシアに慎重な国にも働きかけをしてると思うんですけれども、実際に手応えはどのように感じているのかというところをお願いいたします。

【林外務大臣】今般の訪問でですね、各国との間でウクライナ情勢についても率直な意見交換を行わせていただきました。 カザフスタン及びウズベキスタンからはですね、国際法及び国連憲章に基づく平和的解決の必要性が指摘をされました。
 モンゴル側からは、即時停戦し、緊迫状況を緩和することが重要であるとの立場について改めて説明があった他、モンゴルからウクライナに対する人道支援等についてもですね、説明があったところであります。私(大臣)からはですね 、ロシアによるウクライナ侵略は、武力の行使を禁ずる国際法違反であり、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態であり、国際社会の連帯、連携が強く求められている旨働きかけをいたして、各国との間で引き続き緊密に意思疎通していくことで一致をいたしました。
 引き続き、G7をはじめとする関係国と緊密に連携し、国際社会に対して直接訴えかけてまいりたいと思います。

【記者】今日、モンゴル側との意見交換では、モンゴルからは即時停戦が重要だとの立場の説明があったとのことですが、それでもまだロシアを非難してですね、対露制裁をしている日本とは立場がまだ異なると思いますが、今後どのように働きかけを重ねていくおつもりかお考えをお聞かせください。

【林外務大臣】モンゴル側からはですね、即時停戦をし、緊迫状況を緩和することが重要であるという立場について改めて説明があった他、モンゴルからウクライナに対する人道支援等についても説明がありました。我が方からはロシアによるウクライナ侵略、これは武力の行使を禁ずる国際法違反であり、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態でありまして、国際社会の連携が強く求められている旨働きかけたところでございます。今後も緊密に連携をとって参りたいと思います。

【記者】今日の日モンゴル外相会談の中で北朝鮮情勢に関して、具体的に拉致問題に関するやりとりはどのようなものがありましたでしょうか。

【林外務大臣】モンゴルはですね、近年、北朝鮮や我が国が参加をする北東アジアの安全保障に関するウランバートル対話を主催するなど、北東アジアの安全保障に関して重要な役割を果たしております。今次会談では先方との間で核・ミサイル問題や、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認したところでございます。

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