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令和4年5月1日
会談を前に、フック国家主席と握手する岸田総理大臣の様子 フック国家主席との会談(写真提供:内閣広報室)
フック国家主席と座って会談を行う、岸田総理大臣の様子 フック国家主席との会談(写真提供:内閣広報室)

 現地時間5月1日午前11時20分(日本時間午後1時20分)から約20分、ベトナム社会主義共和国を訪問中の岸田総理大臣は、国家主席府において、グエン・スアン・フック・ベトナム国家主席(H.E. Mr. Nguyen Xuan Phuc, President of the Socialist Republic of Viet Nam)と会談を行い、その後、午前11時50分から約1時間、少人数による昼食会を行いました。概要は以下のとおりです。

1 フック国家主席との会談

  • (1)冒頭、岸田総理から、日本の親しい友人であるフック国家主席と再会できうれしい、現在、世界は国際秩序の根幹を巡る歴史の岐路に立っており、両国で手を携え、地域、世界の平和、安定のために貢献していきたい旨述べました。これに対し、フック国家主席から、岸田総理の総理大臣就任後早期の訪越を歓迎する旨述べられるとともに、あらゆる分野において日ベトナム関係が発展していることを嬉しく思う旨述べられました。
  • (2)岸田総理から、ベトナムのサプライチェーン強靱化及びベトナムの新型コロナ対策を支援するとともに、安全保障分野、TPP11、RCEPなど様々な分野で引き続き両国で緊密に連携していきたい旨述べました。また、技能実習生の失踪、不法残留等の一連の問題を深刻に懸念している旨伝え、技能実習生の送り出しに係る問題ある慣行を抜本的に変え、技能実習生が適切な形で訪日できるよう協力を求めました。
    これに対し、フック国家主席から、ポストコロナにおいて両国間の人的交流が再活性化することに期待が示されるとともに、広範な戦略的パートナーシップにふさわしく、あらゆる分野で協力を強化していきたい旨述べました。
    双方は、2023年の日越外交関係樹立50周年を見据え、日越関係の更なる発展のためにしっかりと協力していくことで一致しました。

2 フック国家主席との昼食会

 双方は地域情勢についても意見を交わしました。岸田総理から、ロシアによるウクライナ侵略はアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為として断じて認められないものであり、国際社会の平和と安定のため、毅然と対応することの重要性を述べ、双方は、国連憲章を含む国際法の基本原則を踏まえつつ、連携していくこととしました。また、岸田総理から、南シナ海情勢における力を背景とした一方的な現状変更の試みについて強く反対する旨述べたほか、TPP11を含むインド太平洋地域の経済秩序についても戦略的な観点を踏まえて率直な意見交換を行いました。さらに、双方、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において引き続き連携していくことを確認しました。このほか、ミャンマー情勢や安保理改革などマルチの分野での協力や連結性インフラやエネルギー、安全保障分野での二国間協力、文化交流、人的交流の促進についても意見交換し、緊密な連携を確認しました。


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