外務省・新着情報

令和4年5月6日

 5月2日から5日まで、本田太郎外務大臣政務官はコーカサス3か国(アルメニアジョージアアゼルバイジャン)を訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

1  アルメニア(5月2日~3日)

アルシャキャン国民議会副議長及びトゥニャン日本友好議員連盟会長との会談前の記念撮影の様子 アルシャキャン国民議会副議長及び
トゥニャン友好議連会長との会談
アルシャキャン国民議会副議長及びトゥニャン日本友好議員連盟会長との会談の様子 アルシャキャン国民議会副議長及び
トゥニャン友好議連会長との会談
  • (1)5月2日、本田外務大臣政務官は、アルメニアの首都エレバンでアルシャキャン・アルメニア国民議会副議長及びトゥニャン・アルメニア・日本友好議員連盟会長と会談しました。双方は、日本とアルメニアが外交関係樹立30周年を迎えるタイミングで本田政務官のアルメニア訪問が実現したことは二国間関係の一層の発展にとって重要であること、議員間の交流を含む人的な交流を更に強化していくことで一致しました。
TUMOセンターを訪問し、ITについて学習する子供たちを視察する、本田政務官の様子 TUMOセンター訪問
  • (2)同日、本田政務官は、アルメニアの日本語・日本文化関係者との意見交換に参加しました。参加者からは、アルメニアでは日本文化への関心が高いこと、日本への留学の機会を活用して文化のみならず障害者雇用政策等の日本政府の取組を学んでアルメニアの社会分野の改革に生かしたいこと等の説明がありました。
  • (3)また、同日、本田政務官は2011年に設立された青少年向けのIT教育機関であるTUMOセンターを訪問し、エレバン在住の子供たちが放課後に無料でIT学習を受けている様子を視察しました。
グカサワン村のIT職業訓練センターを訪問し、IT職業訓練を受けている青少年を視察する、本田政務官の様子 グカサワン村IT職業訓練センター訪問
  • (4)5月3日、本田政務官はエレバン郊外にあるグカサワン村のIT職業訓練センターを訪問し、草の根・人間の安全保障無償資金協力によって建設されたセンターで青少年がIT職業訓練を受けている様子を視察しました。アルメニアではIT分野が発展しており、多くの雇用を生んでいることから、この職業訓練センターに通ってプログラミングやグラフィックデザイン等を学ぶことで新たな可能性が開けているといった説明があり、謝意が表明されました。
正面を向き、握手を交わす、本田政務官とサファリャン外務次官の様子 サファリャン外務次官との会談
サファリャン外務次官との会談の様子 サファリャン外務次官との会談
  • (5)同日、本田政務官はサファリャン・アルメニア外務次官と会談を行い、二国間関係及び地域情勢について意見交換を行いました。サファリャン外務次官は、外交関係樹立30周年のタイミングでの本田政務官の訪問を歓迎し、また、日本がこれまで実施してきたアルメニアの国造り、人造りのための様々な支援に対して深い感謝の意を表明しました。双方は、日本とアルメニアが法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に向けたパートナーであることを再確認しました。本田政務官は、ロシアによるウクライナ侵略は国際法の深刻な違反であるとして強く非難し、アルメニアが国際社会と足並みを揃えて対処していくことを期待すると述べました。サファリャン外務次官は、アルメニアは国際法の諸原則に基づいて問題が一刻も早く平和的な方法で解決されるべきであると述べ、双方は引き続き緊密に連携していくことで一致しました。サファリャン外務次官からは、ナゴルノ・カラバフ問題の現状や、アルメニアとトルコとの関係正常化に向けた取組の現状についても説明が行われました。
ホヴァニシャン大司教との意見交換の様子(会談形式) ホヴァニシャン大司教との意見交換
  • (6)同日、本田政務官はアルメニア使徒教会の総本山であり、世界遺産に指定されているエチミアジンを訪問し、ホヴァニシャン大司教と意見交換を行いました。ホヴァニシャン大司教からは、文化庁委託文化遺産国際貢献事業として染織品保存修復のための支援が行われていることに対して謝意が伝えられました。

2 ジョージア(5月3日~4日)

正面を向き、握手を交わす、本田政務官とフフティシアシヴィリ外務次官の様子 フフティシアシヴィリ外務次官との会談
  • (1)5月4日、本田外務大臣政務官は、ジョージアの首都トビリシでフフティシアシヴィリ・ジョージア外務省次官とのワーキングランチに参加し、二国間関係及び地域情勢について意見交換を行いました。本田政務官は、ジョージアが日本にとって基本的価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に構築する上でのパートナーであると述べました。フフティシアシヴィリ次官は、本田政務官のジョージア訪問を歓迎する、日本はジョージアの独立以来一貫して経済社会分野の発展のために支援してくれた重要なパートナーである、引き続き二国間関係や国際場裡での協力を進めていきたいと述べました。また、ウクライナ情勢に関し、本田政務官はロシアによる侵略を強く非難しつつ日本の立場につき説明しました。フフティシアシヴィリ次官からは、ジョージアが国際社会と一致してロシアを非難していることや、ウクライナ難民の受入れを行っていること等につき説明がありました。本田政務官は、日本がジョージアの主権及び領土の一体性を一貫して支持していることを伝え、これに対してフフティシアシヴィリ次官は、日本からの一貫した力強いメッセージに感謝すると述べました。
正面を向き、握手を交わす、本田政務官とダヴィタシヴィリ副首相兼経済・持続的発展大臣の様子 ダヴィタシヴィリ副首相兼経済・持続的発展大臣との会談
  • (2)同日、本田政務官はダヴィタシヴィリ副首相兼経済・持続的発展大臣と会談を行いました。双方は、近年両国間の経済関係が発展していることを歓迎し、脱炭素分野を含む気候変動分野での協力や再生可能エネルギー分野での協力も進めていくことで一致しました。ダヴィタシヴィリ副首相兼経済・持続的発展大臣は、2021年末にJICA海外投融資案件としてコロナ禍で打撃を受けた中小企業を支援するためのバンク・オブ・ジョージアに対する1億ドルの融資に感謝する、今後ジョージアに進出する日本企業を支援していくと述べました。
正面を向き、握手を交わす、本田政務官とアザラシヴィリ保健大臣の様子 医療機材供与式への出席
医療機材供与式に出席し、挨拶を述べる、本田政務官の様子 医療機材供与式への出席
  • (3)同日、本田政務官はトビリシ国立医科大学付属キプシゼ中央病院を訪問し、アザラシヴィリ保健大臣とともに医療機材供与式に出席しました。これは、新型コロナウイルスに対処する医療機関のキャパシティを強化する目的で、JICAを通じて180万ドル相当の医療機器をキプシゼ中央病院に提供するプロジェクトであり、日本が重視するジョージアの保健医療分野での人造り支援につながるものです。本田政務官は供与式に同席したジョージアの医療従事者の尽力に敬意を表し、今回供与される医療機材が将来の危機に備えるものとなることを期待すると述べました。アザラシヴィリ保健大臣は、日本からの支援に深く感謝する、保健医療分野で協力し、共に新型コロナウイルスを乗り越えていくことが重要であると述べました。
ジョージアビジネス関係者との意見交換の様子(会談形式) ジョージアビジネス関係者との意見交換
  • (4)同日、本田政務官はジョージアのビジネス関係者との意見交換を兼ねた夕食会に参加しました。本田政務官はジョージアの良好な投資環境が後押しする形で日本企業の進出が増加している、気候変動や再生可能エネルギーの分野にも連携強化の可能性があると述べ、ジョージアのビジネス関係者からは、ロシアによるウクライナ侵略を受けてジョージアのビジネスが新しい市場を模索し始めており、日本との関係強化は有望なオプションであること等の説明が行われました。

3 アゼルバイジャン(5月5日)

ババエフ環境天然資源大臣との会談の様子 ババエフ環境天然資源大臣との会談
  • (1)5月5日、本田外務大臣政務官は、アゼルバイジャンの首都バクーでババエフ・アゼルバイジャン環境天然資源大臣(日アゼルバイジャン経済合同委員会アゼルバイジャン側議長)と会談しました。本田政務官は、アゼルバイジャンは国際的なエネルギー安全保障や地域の安定と発展の鍵を握る重要な国であり、日本の大切なパートナーであると述べました。ババエフ環境天然資源大臣は、アゼルバイジャンの独立以来30年にわたり日本は常に友人であった、二国間の経済関係は順調に発展しており、今後は脱炭素社会の実現を見据え、グリーンエネルギーの分野等でも協力を進めていきたい、本年秋には経済合同委員会がバクーで開催される予定であり、多くの日本企業の来訪を心待ちにしていると述べました。また、会談の機会を捉え、本田政務官からババエフ環境天然資源大臣に対し、令和4年度春叙勲(旭日重光章)の授与が行われました。
バイラモフ外務大臣との会談の様子 バイラモフ外務大臣との会談
  • (2)同日、本田政務官は、バイラモフ外務大臣と会談しました。バイラモフ外務大臣は本田政務官のアゼルバイジャン訪問を歓迎し、外交関係樹立30周年の機会に行われた今回の訪問は二国間関係に弾みを与えるものになったと述べました。本田政務官は日本とアゼルバイジャンの外交関係樹立以来30年、政治、経済分野を始めとする人的交流を積み重ねて着実に友好関係を深化させてきたと述べ、双方は文化行事などを通じて相互理解を強化していくことで一致しました。ウクライナ情勢に関し、本田政務官はロシアによるウクライナ侵略を強く非難し、法の支配及び自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けてアゼルバイジャンとも連携していきたいと述べました。バイラモフ外務大臣からは、今回の事態は地域全体に甚大な影響を与えるものである、アゼルバイジャンは一貫してウクライナの主権と領土一体性を支持している、国際法の原則に基づいて平和的に問題が解決されることを望んでおり、アゼルバイジャンは仲介の用意がある旨をウクライナとロシアの双方に伝えているとの説明がありました。バイラモフ外務大臣は、最近のナゴルノ・カラバフ問題について説明し、アゼルバイジャンは平和的な方法で解決を追求していると述べました。
正面を向き、握手を交わす、本田政務官とガファロヴァ議会議長の様子 ガファロヴァ議会議長(写真左)及び
アガザーデ友好議連会長との会談
  • (3)同日、本田政務官はアゼルバイジャン議会を訪問し、ガファロヴァ議会議長及びアガザーデ対日友好議連会長と会談しました。双方は、日本とアゼルバイジャンとの間では議員交流が活発に行われていることを歓迎し、ガファロヴァ議長は外交関係樹立30周年の機会に日本側議連のアゼルバイジャン訪問等を実施して交流を一層促進したいとの希望を述べました。
ジャバロフ経済大臣との会談の様子 ジャバロフ経済大臣との会談
  • (4)同日、本田政務官はジャバロフ経済大臣と会談し、二国間経済関係を中心に意見交換を行いました。ジャバロフ経済大臣は、アゼルバイジャンは石油やガス等の化石燃料からの転換を図る方向へ進みつつある、グリーンエネルギーの分野など日本の企業がアゼルバイジャンで果たせる役割がある、既に多くの日本企業が進出しているが、一層の進出を望んでおり、アゼルバイジャン政府としてしっかりサポートすると述べました。本田政務官は、日本がこれまで17か国との間でJCM(二国間クレジット制度)を締結しており、引き続きJCMを推進したい、アゼルバイジャン側に関心があれば大使館を通じて詳細を説明したいと述べました。

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