農林水産省・新着情報

金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年5月20日(金曜日)9時34分~9時50分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)農林水産物・食品の輸出関係閣僚会議について
  • 明治用水頭首工の漏水について
  • 農業経営基盤強化法等の成立について
  • 輸出拡大実行戦略の改訂について
  • 消費者物価指数について
  • 食料安全保障について
  • 日米首脳会談について

冒頭発言

大臣

  本日、私から1点、御報告がございます。農林水産物・食品の輸出関係閣僚会議についてでございます。先程開催された会議で、昨日、成立しました改正輸出促進法に盛り込まれた支援策等を早急に実行するために、輸出拡大実行戦略の改訂案が取りまとめられました。政府といたしましては、改正輸出促進法を速やかに施行するとともに、輸出拡大実行戦略を着実に実行いたしまして、2025年に2兆円、2030年に5兆円の輸出額目標の実現を図ってまいります。輸出閣僚会議の詳細につきましては、本日、事務方から説明をさせていただきます。

質疑応答

  • 明治用水頭首工の漏水について

記者

  明治用水の事故についてお伺いします。農業用水が恐らく今でも止められた状態だと思うのですが、現状どうなっているのかということと、本省の方から、もう丸2日止まっていると思うのですが、何かこう支援だったり、大臣、昨日委員会でも本省から口出ししたら現場が混乱するとおっしゃっていたのを拝見したのですけど、農業されている方は大変困っていると思うのですが、何かサポートだったりがあれば教えていただきたいです。

大臣

  明治用水頭首工からの農業用水の供給は、現在、ストップしているところでございまして、営農活動への影響については、現在、県等からの聞き取りによりますと、明治用水頭首工から農業用水を取水している水田は、4730haありまして、このうち、水稲作付面積の4割程度を占めるコシヒカリは田植えが終了しております。残りの「あいちのかおり」などの田植えは、これからでありますが、いずれも断水期間が長引くと、影響が懸念されるところであります。園芸作物につきましては、いちじく、ハウス栽培の花き等への影響が懸念されております。
  現地支援につきましては、18日に、本省から連絡員を派遣いたしまして、更に、農村振興局次長を本日現地に派遣しまして、17日に既に立ち上がっている「東海農政局令和4年明治用水頭首工漏水事故緊急対策本部」に加えまして、東海農政局長とともに陣頭指揮を取りながら対策を加速化させることといたしております。
  加えて、宮崎政務官を派遣する方向で調整中ですが、国土交通省に対しても御協力のお願いをしておりますし、もう既に国土交通省におきましても、その体制を整えていますので、お互いでよく検討させていただきたいと思っております。
  そして今回この事案を受けまして、頭首工において、同様の漏水の発生を未然に防止する観点から、全国の国営造成施設の頭首工390箇所について、現場確認を行う緊急点検を実施いたします。特に、農業用水だけではなく水道水、工業用水も供給している施設や、受益農地面積が大きい施設、約50箇所を優先して実施いたします。また、国営造成施設以外の頭首工につきましては、都道府県等に対して、施設造成者としての点検と適切な対応を依頼する予定にいたしております。いずれにしましても、緊急点検を行いまして、必要に応じて、補修等の対応を図り、農業用水等の安定供給に努めてまいります。
  昨日私は、本省からいろいろ人が入って混乱するという意味で言ったのではなく、あの時に判断を、工業用水を優先したらどうですか、どうだったんですかという質問だったから、それは現場の判断にお任せしましたと(答えました)。当然現場が一番、状況を分かっているし、長年、三者で協力してやってきたわけですから、地元の県と現場の意見を尊重して、そういう決定をさせていただきましたと。そういう質問をしたのであってこちら側が何もしないということではございませんでしたから、誤解なきように。

  • 農業経営基盤強化法等の成立について

記者

  今日の参院本会議で農地関連法案が成立してですね、今国会に農水省が提出した法案が全て成立する見通しかと思いますけれども、そのことに対する受け止めと、特に農地法案については、今後市町村で地域計画の策定が進むかどうかが課題になると思いますけれども、農水省としてはそこをどう促していきますでしょうか。よろしくお願いします。

大臣

  おかげさまで、法案が今日最終的に参議院で基盤整備強化促進法と農山漁村活性化法が成立しますと、農林水産省として、今回提出した法案について全て成立することになります。大変厳しい環境の中で、各委員会で精力的に皆さん方が、審議をしていただいて、スムーズにこういった形で、法案成立ができたということに対しては、各党・各委員の皆さん方にお礼を申し上げたいと思っております。今後、農業経営基盤強化法が決まりますので、速やかに各地域といろいろと話し合いをして、十分に、説明が行き渡ってないところもあるのではないかという各委員会等(の御意見)もありましたので、やっぱり現場の意見をよくお聞きしながら、また我々がこれから意図していることについてよく十分に説明をして、お互いに協力し合って、この法案の趣旨に沿ったことができ上がっていくようにこれからも努力していきたいと思っております。いろいろと委員会で御意見がありましたから与野党含めて、その意見を十分受け止めておりますので、受け止めた中で、今後の対応をやっていきたいというふうに考えております。

  • 輸出拡大実行戦略の改訂について

記者

  先ほどの輸出促進関係閣僚会議の中で、新品種に対して知的財産権を専門家が管理保護する機関の設立などが盛り込まれたということですが、詳細はこの後ということなんですが、このねらいなどについて簡単にお願いします。

大臣

  それは例えば、シャインマスカット、シャインマスカットというのが今、もともと日本で作られたものがあったのですが、中国に渡って、中国が日本の今30倍ぐらいの量を作っていまして、それをそのまま、特許(種苗登録)というのかな、そういうものを取っていれば、100億円ぐらいに値するんですよ。だからそういったことを考えていくと、日本でやはりこのもともと日本で作ったそういう品種に対しては、そういう手続をしておかないといけないということで、そういった問題についてもこれから積極的に取り組んでいきましょうということなのです。いうなれば特許料のようなもので、もともと申請をしておけば、そういうことにもならなかったのでしょうけど。そういったことを、十分なされていなかったことによって、このライセンスを持って得られる許諾料収入が100億円。要するに失われた金額を。計算するとね。そこで、海外への持ち出しの制限を実効的に実施するため、権利者の委託を受けて、専門家が育成者権を管理保護する機関の設立を作るということです。

  • 消費者物価指数について

記者

  今朝発表された消費者物価指数で食料4.0%って前年同月比高い伸びを示しました。最近の食品メーカーとかの値上げとかも含めて、大臣、どのようにお感じてらっしゃるのかちょっと受け止めをお願いいたします。

大臣

  小麦を含めたいろいろな輸入品が値上がっていると。そういった結果の中で消費者の一般のそういった金額もアップしたってことになってまいります。そういう状況の中で、我々はできるだけそういった物価が上がらないように努力をしているのですが、なかなか現実的には非常に難しいところがありますので、今後一層の努力をして、消費者の皆さん方にできるだけ負担増にならないように今後とも努力をしていきたいと思っております。補正予算等もいろいろ含めて、今予算が成立しましたので、そういったことも活用しながら、これからやっていきたいと思っております。

  • 食料安全保障について

記者

  食料安全保障について2点伺います。昨日、自民党の方で、食料安全保障に関する提言がまとまり、近く政府に答申されるというふうになっております。世界情勢を踏まえて、昨今の社会情勢踏まえて大臣の改めてまた食料安全保障に関するお考え1点教えてください。

大臣

  今回のウクライナを含めた、いろいろな状況を見まして、我が国の食料安全保障を巡る状況が変化して、非常にリスクが高まっているというふうに私も認識しております。これを踏まえまして現在、省内でも検討チームにおいて、食料の安定供給へのリスクに対する検証を進めているところでありまして、今後とも食料の生産や供給を巡る国内外の情勢の変化を踏まえ、食料安全保障の強化に向けてしっかりと対応してまいりたいと思っております。

記者

  追加でもう1点伺います。5月16日に示された骨太の方針の中で、食料安全保障の位置付けについて、少し位置付けが低いんじゃないかと。項目の中で小項目以下にもなってて、羅列されてですね、本来であれば外交安全保障の強化といったところに、並列的に並べるべきじゃないかというのは、自民党の部会の中でも出てたようですけれども、その点、そういった骨太の位置付け、もう少し高い位置で位置付けられるべきではないかというような意見について、大臣どのようにお考えでしょうか。教えてください。

大臣

  重要性は、我々も考えておりましたが、たまたま書き方がそうなったのであって、書き方がそうだから、重要視してないということではございません。書きぶりが時々そういった書きぶりになりますけれども、我々はこういった問題については十分認識をして、非常に食料安全保障の問題は、特に今年に入ってから、こういった問題が表に出てまいりましたので、そういった意味で取り組んでおります。諮問会議の中で、そういったのが十分になかったことについては、今後我々もよく説明をしていきたいと思っております。

記者

  重ねて恐縮ですけど、6月の正式な決定とかそれに向けて交渉進めていくっていう考えでよろしいですか。

大臣

  それは今省内で検討させていただいています。

  • 日米首脳会談について

記者

  来週の日米首脳会談の関係でちょっと伺いたいんですけれども。今、農林水産省としては、牛肉の輸出などでアメリカに働きかけを行っているところだと思うんですが、そういったこと含めて農林水産分野ではどういった協議、また働きかけを行われる予定かお伺いしたいです。あともう1点。米国主導のインド太平洋経済枠組みも発足を予定されていますけれども、こちらで農林水産分野ではどういったことがテーマになると考えられているか、もし何かあればお聞かせください。

大臣

  二番目のIPEF。これにつきましては、現在米国は検討、調整している段階と承知しておりまして、今後の枠組みの具体化に向けた議論が展開していくものと考えておりまして、農林水産省としても議論の動向を引き続き注視してまいりたいと思います。詳しくは外務省が所管ですから、外務省にお尋ねいただきたいと思います。それから牛肉の輸出の問題ですね、関税が上がって。これは日米首脳会談の議題については外務省で現在調整中で、現時点では承知いたしておりません。米国向け牛肉輸出については現在、事務レベルで議論を行っている段階であり、引き続き関係国とも連携を取りつつ、適切に対応してまいりたいと思います。お願いして、できたら元に戻してもらいたいと思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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