外務省・新着情報

令和4年5月24日

 5月24日(現地時間同日)、フィジー共和国の首都スバにおいて、我が方、川上文博駐キリバス共和国日本国特命全権大使(フィジーにて兼轄)と先方テブアイ・ウアイ駐フィジー・キリバス高等弁務官(H.E. Tebuai Uaai, the Kiribati High Commissioner to the Republic of Fiji)との間で、供与額5億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. キリバスは、国土が広大な海域にまたがっており、国内市場が小さく、国際市場から地理的に遠いなど、開発上の課題を抱えています。同国の主要産業は漁業ですが、離島での漁獲物を市場のある首都まで船で輸送する間に、販売ができない状態まで品質が劣化し、廃棄されることが多く、実際の販売量が減ることで漁民の収入に悪影響を及ぼしています。また、海洋資源調査機材の不足により、水産物の資源量を正確に把握できないため、水産物の資源量を維持しつつ、持続可能な漁業を続けていく体制が万全ではありません。
  2. この計画では、キリバス政府に対し、水産物の輸送及び海洋資源調査の機能を兼ね備えた漁獲物運搬調査船を供与することにより、経済活動及び社会生活基盤の強化を図ることで、社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  3. 我が国は、昨年7月2日にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「法の支配に基づく持続可能な海洋」及び「持続可能で強靱な経済発展の基盤強化」を含む支援の重点分野を表明しており、上記の協力は同表明を具現化するものです。
(参考1)キリバス共和国基礎データ

 キリバス共和国は、面積は約730平方キロメートル(対馬とほぼ同じ)、人口は約11.9万人、一人当たり国民総所得(GNI)は2,960米ドル(2020年、世界銀行)。

(参考2)第9回太平洋・島サミット

 2021年7月2日、テレビ会議方式により、菅総理大臣(当時)とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回 太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting:PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。キリバスからは、ターネス・マーマウ大統領が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。 


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