外務省・新着情報

令和4年5月24日
首脳会談を前に、記念撮影を行う、岸田総理大臣とモディ首相 日印首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日印首脳会談が行われている様子 日印首脳会談(写真提供:内閣広報室)
夕食会を前に、鯉の餌やりをする日印両首脳の様子 鯉の餌やりをする両首脳(写真提供:内閣広報室)

 5月24日、岸田文雄内閣総理大臣は、日米豪印首脳会合出席のために訪日中のナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)との間で、迎賓館において、午後6時20分から約70分間、首脳会談を、また、午後7時44分から約50分間、夕食会を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

  • (1)岸田総理大臣から、3月の訪印時のモディ首相からの温かいおもてなしに謝意を表した上で、日印国交樹立70周年の節目に双方の往来が実現したことは強固な日印関係の証である旨述べました。また、岸田総理大臣から、日米豪印首脳会合で、法の支配の重要性や力による一方的な現状変更への強い反対のメッセージを発出できたことを心強く思う旨述べました。
  • (2)これに対し、モディ首相から、今回の岸田総理のおもてなしに謝意を表した上で、3月の岸田総理訪印は日印関係を加速化させる画期的なものであった、本年国交樹立70周年を迎えた日印両国は自然なパートナーであり、コロナ後の世界において、価値を共有する両国間のパートナーシップは最も重要となる旨述べました。また、モディ首相から、日米豪印4か国の協力枠組みは、自由で開かれ、包摂的でルールに基づくインド太平洋のビジョンにとって非常に重要であり、今回日本が主催した日米豪印首脳会合の成功を喜ばしく思う旨述べました。

2 「自由で開かれたインド太平洋」

  • (1)両首脳は、厳しい国際情勢の中、こうした状況だからこそ、同志国間で緊密に連携し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を一層推進していくことが重要との認識で一致しました。
  • (2)両首脳は、今回の日米豪印首脳会合の成果を踏まえ、様々な分野での実践的な協力を着実に進めて地域諸国に具体的な実益を届けていくことで一致しました。かかる観点から、日米豪印ワクチン・パートナーシップの取組の成果として、JBICとインド輸出入銀行との間で総額1億ドルの融資契約が調印されたことを歓迎しました。
  • (3)両首脳は、インド太平洋経済枠組み(IPEF)を、地域に実体的な利益をもたらす包摂的な枠組みとするべく共に取り組んでいくことで一致しました。
  • (4)両首脳は、スリランカ情勢について議論し、現下の経済危機及びそれに伴う人道状況の悪化を踏まえ、連携していくことを確認しました。

3 二国間関係

  • (1)両首脳は、二国間関係につき幅広く議論し、3月のデリーでの日印首脳会談の成果を基礎に、引き続き、「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を発展させていくことを確認しました。また、両首脳は、二国間の年次相互訪問としてのモディ首相の訪日を、双方の都合のよい時期に実現すべく、調整を行っていくことで一致しました。
  • (2)両首脳は、日米豪印4か国が参加する共同訓練「マラバール」の実施、ACSAの活用を含む共同訓練、ハイレベル交流といった防衛協力が活発化していることを歓迎し、初の戦闘機共同訓練の早期実施に向けて調整していくことで一致しました。また、防衛装備・技術協力を始めとする安全保障面での協力推進も念頭に、第2回日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を早期に開催することを確認しました。
  • (3)両首脳は、3月の岸田総理大臣訪印に際して、今後5年間で官民合わせて対印投融資5兆円目標を掲げたことを踏まえ、日本企業による積極的な投資を促していくことを確認するとともに、そのためにもインド側において日本企業の円滑な活動のための更なる環境整備を進めていくことが重要であるとの認識で一致しました。また、「産業競争力パートナーシップ」等を通じたサプライチェーンの多元化・強靭化に向けた協力や、安全で信頼性のある通信ネットワークの構築に向けた協力等、経済安全保障上の共通の課題への取組を一層強化していくことを確認しました。
  • (4)両首脳は、世界全体でのカーボン・ニュートラルの実現とエネルギー安全保障の確保に向け、3月の岸田総理訪印時に発表した「クリーン・エネルギー・パートナーシップ」を推進し、「日印エネルギー対話」等を通じて、水素、アンモニア、LNGといった分野で具体的な協力を進めていくことで一致しました。また、両首脳は、日印間の二国間クレジット制度(JCM)構築に向けて、協議を継続していくことを確認しました。さらに、両首脳は、今般、インドが推進する「太陽に関する国際的な同盟(ISA)」と日本政府・関係機関との間での協力覚書に署名がなされたことを歓迎しました。
  • (5)両首脳は、今般、高速鉄道第3期円借款の署名が行われたことを歓迎し、引き続き、日印の旗艦プロジェクトである高速鉄道事業を着実に進展させていくことを確認しました。
  • (6)両首脳は、日印国交樹立70周年における双方の往来を踏まえ、人的交流・文化交流を進めていくことで一致しました。

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