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令和4年5月26日
首脳会談を前に、握手をしながら写真撮影を行う、岸田総理大臣とリー・シェンロン首相 日・シンガポール首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・シンガポール首脳会談が行われている様子 日・シンガポール首脳会談(写真提供:内閣広報室)
牧島デジタル大臣とプトゥチェリ情報通信兼保健担当国務大臣の間で協力覚書が交わされている様子 文書交換式(写真提供:内閣広報室)

 5月26日、午後8時20分から45分間、岸田文雄内閣総理大臣は、リー・シェンロン・シンガポール共和国首相(H.E. Mr. Lee Hsien Loong, Prime Minister of the Republic of Singapore)と日・シンガポール首脳会談を行い、その後、午後9時10分から、両国間で署名された文書の交換式が行われたところ、概要は以下のとおりです。会談及び交換式には、牧島デジタル大臣や磯﨑内閣官房副長官他が同席しました。

  1. 首脳会談
  • (1)冒頭
     岸田総理大臣から、今般、デジタルやスタートアップに関する協力覚書の署名や官民対話の立上げが実現されたことを歓迎するとともに、国際社会が多くの挑戦に直面する中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化がより一層重要である旨指摘し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け、協力を強化したい旨述べました。これに対し、リー首相から、岸田総理大臣の歓待に対して謝意を述べつつ、ウクライナ情勢を始めとする地域・国際情勢への対処に当たっての連携、また、デジタル等の分野での協力を更に強化していきたい旨述べました。
  • (2)二国間関係
     ア 両首脳は、デジタル、スマートシティ、スタートアップ支援等の分野で協力を一層推進することで一致しました。 
     イ 両首脳は、日本のデジタル田園都市国家構想とシンガポールのスマート・ネーション構想の連携も念頭に、デジタル分野の協力推進で一致しました。
     ウ また、岸田総理大臣から、「アジア・ゼロエミッション共同体構想」にも触れつつ、各国の現実的なエネルギー移行を支援するため、ファイナンス面等で連携していきたい旨述べたのに対し、リー首相は、気候変動分野の取組を紹介の上、日本との連携強化の意向を表明しました。
     エ 岸田総理大臣から、日本の今後の水際措置の更なる緩和の方針につき説明し、リー首相から、日本との人的往来を強化したい旨発言がありました。
     オ また、リー首相から、2025年の大阪・関西万博にシンガポールとして参加する旨の表明がありました。
  • (3)地域情勢及び国際場裡における協力
     ア 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略を非難した上で、事態への対処に当たって連携していくことを確認しました。
     イ 岸田総理大臣から、東シナ海や南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みに対する強い反対を表明した上で、両首脳は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化の重要性を確認しました。
     ウ 両首脳は、25日の弾道ミサイル発射を含む核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
     エ 両首脳は、米国のインド太平洋経済枠組み(IPEF)の立上げを歓迎したほか、本年はシンガポールがTPP委員会の議長を務めることも踏まえ、TPPのハイスタンダードの維持の重要性について確認しつつ、今後も協力していくことで一致しました。
     オ このほか、両首脳はミャンマーを含む地域情勢及び国際社会の諸課題について意見交換を行いました。
  1. 文書交換式
     牧島デジタル大臣とプトゥチェリ・シンガポール情報通信兼保健担当上級国務大臣(Dr. Janil Puthucheary, Senior Minister of State, Ministry of Communications and Information & Ministry of Health)の間でデジタル分野の協力覚書が、また、JETROとシンガポール企業庁の間でスタートアップ支援の協力覚書が署名されたことを受け、両協力覚書の交換式が実施されました。

[参考]
 交換文書概要(PDF)別ウィンドウで開く


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