内閣府・新着情報
2022年5月
- 藤澤啓子
- 慶應義塾大学・東京財団政策研究所
- 深井太洋
- 筑波大学・内閣府経済社会総合研究所・東京財団政策研究所
- 広井賀子
- 慶應義塾大学
- 中室牧子
- 慶應義塾大学・東京財団政策研究所
要旨
本研究では,関東地方にある一自治体所管の認可保育所の3歳児クラス,5歳児クラス及び異年齢混合クラスを対象に,『保育環境評価スケール第3版』(Harms et al., 2015; 埋橋訳, 2016) をもちいて幼児教育・保育の質に関する定量的評価を実施した。その結果,海外先行研究と比較して「養護」や「相互関係」について強みがあり,「活動」については課題があることが分かった。施設別にスコアを検討したところ,一自治体下の認可保育所という共通項があったものの,施設間でスコアの高低にばらつきがあることが示された。また,「言葉と文字」や「相互関係」には施設内におけるスコアの分散の異質性が示唆された。特別な介入や支援を行わなかったにもかかわらず,三年間の期間の中で全体的にスコアが上昇したことが確認された。幼児教育・保育の質に関する定量的評価の実施によって,各施設で通常行われる質向上に向けての自律的な取り組みを尊重しつつ,質の確保についてのモニタリングとアカウンタビリティを実現する可能性について考察した。
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認可保育所における幼児教育・保育の質に関する評価の実施と課題(PDF形式 959KB)
全文の構成
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1 はじめに2ページ
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2 研究の背景と課題4ページ
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3 方法9ページ
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4 結果10ページ
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5 考察15ページ
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6 謝辞21ページ
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参考文献22ページ
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Appendix.A 付表26ページ