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令和4年6月10日(金曜日)
教育、その他

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夏季における児童生徒のマスク着用について、一橋大学私費外国人留学生選抜試験問題流出、大学入学者選抜実施要項と不正防止対策について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年6月10日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年6月10日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年6月10日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私から冒頭、1件でございます。
 まず、学校生活でのマスクの着用につきまして、熱中症対策を優先させて欲しい旨をこれまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、その中にあっても、熱中症により多くの生徒が救急搬送される事案が複数発生しておりまして、非常に憂慮をいたしております。今後、気温、あるいは湿度等が更に高くなりまして、マスクを着用するようにすることによりまして、熱中症リスクが一層高まることから、本日、都道府県教育委員会等に対しまして、改めて事務連絡を発出をしまして、熱中症対策を徹底したメリハリのあるマスクの取扱いをお願いすることにいたしました。事務連絡では大きく3点について述べております。まず1点目は、熱中症が命に関わる重大な問題であることを認識し、その危険性を適切に指導するということです。2点目は、体育の授業とか、あるいは運動部活動中ですね、あるいはまた登下校の際には、熱中症対策を優先しまして、マスクを外すことを指導すること。その上で、3点目として、できるだけ距離を空ける、近距離での会話を控えるなどの工夫をよく検討いただきまして、必要な対応をとること、以上3点を依頼することにいたしましたので、皆様方にも、ご協力のほど、お願いを申し上げたいと思います。そして、教育委員会や学校関係者の皆様におかれましては、これまで様々な困難に対応しながら、感染対策と学びの継続の両立に力を尽くしていただきましたが、深く感謝を申し上げるところであります。一方で、熱中症事故はどこでも起こり得るものでありますから、基本的な感染対策としてのマスクの着用の重要性は変わらないものの、熱中症の危険性を認識した上で、先ほど申し上げましたけれども、メリハリのあるマスクの取扱いをはじめ、熱中症対策にしっかりと取り組んでいただきますようお願いを申したいと思います。とりあえず、私からは以上でございます。

記者)
 1点、お伺いします。昨日、一橋大学でも、今年の入試で不正行為が発覚して、受験生が逮捕される事案となりました。まず、この件について大臣のお受け止めと、文科省については、先週に大学入試の実施要項が発表されましたが、改めて不正防止対策の徹底に対する大臣のお考えと受験生へのメッセージをお願いします。

大臣)
 令和4年1月に実施をされましたですね、一橋大学の私費外国人留学生の選抜におきまして、試験時間中に試験問題の画像が流出された疑いで、受験生及び中継役とみられます者が逮捕をされたことは私も報道で知りました。試験問題を試験時間中に流出させたことが事実であれば、これはもう、公平・公正に行われるべき入試の信頼性を著しく損なわれたという行為でありまして、誠に遺憾でございます。怒りすらも感じるものであります。一橋大学からは、警察の捜査中につきまして、本件に関する内容は現時点では公表できないものの、捜査に全面的な協力をしていくと聞いているところでございます、一橋大学がですね。文科省としましては、まず大学からの報告を通じまして、今回の事案の全容の把握に努めたいと、まず、そこが一番大事なので、そのように考えております。入試における不正というのは、公平・公正に試験を実施をされると信じて臨む受験生の入試への信頼を損なうものでありまして、絶対あってはならないことであるというように考えています。文部科学省としては、大学入試センターや大学とよく協力しつつ、引き続き、その対策に全力を挙げて取り組んでいきたいと、そのように皆さんに申し上げたいと思います。

記者)
 幹事社質問に関連してお尋ねします。今回の件で、共通テストに続いて個別試験でも流出、問題が流失していたということになるわけですが、実施要項に盛り込んだ不正防止策はこうした事案を防ぐ実効性のある対策となっているのでしょうか。巡視強化や抑止力に対することだけで十分なのでしょうか。大臣のご見解をお聞かせください。

大臣)
 今のお話はいろいろな方からも出てございますけれども、6月3日付で通知をしました「令和5年度大学入学者選抜実施要項」におきましては、様々な不正行為を念頭に置きまして、巡視の強化以外にも、警察にまず被害届を提出する場合があることの周知、これは警察にきちっと届出をしますよということで、この周知などですね、不正行為の抑止効果を期待した内容も盛り込んでおりまして、私は、一定の実効性があるというように、そのように、私なりに認識をいたしております。大分話し合いました、担当者とも。この他、技術的な対応につきましては、電波遮断であるとか、あるいは電波発信源の特定であるとか、防犯カメラ、私も防犯カメラはどうかということを申し上げました、防犯カメラを設置することなどですね、海外の事例も含めて検討を行いました。しかしながら、例えば電波の遮断装置の導入には、やはり約100億円の費用が見込まれるということ。導入コストが高額になるほか、電波法によりまして求められる免許を有する者の配置など、運用上の課題を解消することが困難であると判断されまして、この不正防止対策に盛り込むことを見送ったところでございます。電波法上の制約というのは、通信抑止装置を使用するためには、無線局の開設として総務大臣の免許を必要とするということも含まれておりますので、かなり、一つ一つ対応にですね、ある種ハードルが高いと言うんでしょうか、きちっとした対応が求められるということです。結構、難しい問題があるんだなと認識をいたしました。文部科学省としましては、実施要項の内容を踏まえまして、まずは各大学が不正防止対策の点検、あるいは充実を図ることで、不正の抑止に努めていただきたいと考えておりますが、今後、今回の事案の内容が明らかになれば、必要に応じて更なる対応を検討していきたいと思っております。まずは、スマホを持って来られますけれども、きちっと机に出して電源をオフにしてということでありますから、そういう対応を、ぜひ、求めていきますし、巡回監視なりですね、目線をどこにもっていくかということで、この試験の監督官には、その要領をですね、徹底したいと思っています。

記者)
 最初の冒頭発言のマスクの関連で、これ、何回も何回の事務連絡を出されていますけれども、なかなか学校現場では、マスクの着用をですね、臨機応変にやることがなかなかできないというところがありますので、そこの原因とですね、どのようにですね、もう一歩を踏み込んで、これまでと違う対応を求めるためには、どんなことが必要だとお考えでしょうか。

大臣)
 今、ご指摘のようにですね、マスクの着用が不要として示した場面におきましても、子供がマスクを着用している例もあるということは承知をいたしております。それらには様々な事由があると考えておりますが、例えばマスクの着用に慣れて、感染への不安や周囲の目を気にしてマスクを外したがらないといったこともあると、これは一つの例として考えられます。次に、学校生活におけるマスクの着用に関する考え方については、従来から「衛生管理マニュアル」において示してきたものとなりますが、先月末に都道府県教育委員会に対して周知をしました事務連絡やリーフレット等も活用しながら、引き続き、丁寧に説明していく必要があるというふうに考えています。その一環としてですね、長期にわたるこのコロナ禍の中で、例えば感染への不安や周囲の目など、様々な理由からマスクの着用を希望する児童生徒が、保護者も少なからずおられるということは、確かに、保護者の方がおられます。一方で、熱中症が命に直結する重大な問題であることから、その危険性について適切に理解していただく必要があると考えています。このため、文部科学省におきましては、厚生労働省等ともよく連携しまして、熱中症対策やマスク着用に関する通知、事務連絡、リーフレット等を活用しながら、教育委員会、学校教育関係者、それと保護者の団体等に対して情報発信を進めるとともに、文部科学省のホームページに分かりやすいQ&Aを掲載するなどの取組を実施してきております。今後とも、あらゆる機会を通じて、丁寧な説明を行っていきたいというように考えます。何度も申し上げるんですけれども、感染症対策は絶対的なものであるんですけれども、それ以上に、マスクによります熱中症対策によっては、即命を落としかねないという問題がありますから、外してほしいと、体育の授業は外してほしいと、登下校も外してほしいというお願いを申し上げています。しかし、今申し上げたような、今までずっとマスクをしてきたんで外したがらないとか、保護者の方がそれはちょっと気になるんだと言われましても、そこのところは、常識的にきちっと、現場、あるいは地域の事情を踏まえて判断してほしい。その上で、ぜひ、特に体育の授業とか登下校中はマスクを外すべしというのが文科省の考えです。徹底したいと思います。

(了)

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