外務省・新着情報

令和4年6月11日
共同記者発表に臨む、岸田総理とリー首相の様子 日・シンガポール共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 6月11日、シンガポールを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、大統領宮殿においてリー・シェンロン・シンガポール共和国首相(H.E. Mr. Lee Hsien Loong, Prime Minister of the Republic of Singapore)と日・シンガポール首脳会談を、また、ハリマ・ヤコブ大統領(H.E. Mdm. Halimah Yacob, President of the Republic of Singapore)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。会談には、木原誠二内閣官房副長官、寺田稔総理補佐官他が同席しました。なお、同日、リー首相との朝食会、歓迎式典、蘭(シンガポールの国花)の命名式、共同記者発表及び昼食会が行われました。

1 日・シンガポール首脳会談(現地時間午前11時3分(日本時間午後12時3分)から約30分間)

正面を向き、握手を交わす、岸田総理とリー首相の様子 日・シンガポール首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・シンガポール首脳会談の様子 日・シンガポール首脳会談(写真提供:内閣広報室)

(1)冒頭

 リー首相から、岸田総理のシンガポール訪問を歓迎するとともに、シャングリラ・ダイアローグでの基調講演に謝意が表されました。その上で、リー首相から、今後も緊密に連携しながら二国間関係を一層強化していきたい旨述べました。これに対し、岸田総理から、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の新たな展開に向け、「インド太平洋に関するASEANアウトルック」とも連携しながら、協力を推進したい旨述べました。

(2)二国間関係

  • ア 両首脳は、防衛装備品・技術移転協定の交渉開始を歓迎しつつ、防衛当局間の交流覚書の改定も踏まえ安全保障協力を更に具体化していくことで一致しました。
  • イ 両首脳は、経済安全保障の分野で、地域のサプライチェーンの強靱化に向け、両国の知見を活用した第三国研修を本年中に実施することを含め、両国の協力の裾野を拡大していくことで一致しました。
  • ウ 両首脳は、デジタル分野での協力を推進していくことを確認し、特に、二国間の専門家会合の早期開催で一致しました。
  • エ リー首相から、「アジア・ゼロエミッション共同体構想」に対する支持が示され、両首脳は気候変動、脱炭素化に向けた取組においても協力していくことで一致しました。

(3)地域情勢及び国際場裡における協力

 両首脳は、ウクライナ情勢、東シナ海や南シナ海の情勢への対応、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応、ミャンマー情勢、TPPを含む自由貿易、軍縮・不拡散、安保理を含む国連改革といった諸課題について、引き続き連携していくことで一致しました。

2 ハリマ・ヤコブ大統領との会談(現地時間午前10時21分(日本時間午前11時21分)から約35分間)

正面を向き、記念撮影に応じる、岸田総理大臣とハリマ・ヤコブ大統領の様子 ハリマ・ヤコブ・シンガポール大統領との会談(写真提供:内閣広報室)
岸田総理とハリマ・ヤコブ大統領による、会談の様子 ハリマ・ヤコブ・シンガポール大統領との会談(写真提供:内閣広報室)

 岸田総理大臣は、ハリマ・ヤコブ・シンガポール大統領と会談を行い、両国の経済関係、水際措置の緩和を含む新型コロナ対策、デジタル、気候変動、少子高齢化といった両国共通の課題について幅広く意見交換を行ったほか、核兵器のない世界に向けた取組、「自由で開かれたインド太平洋」の実現、ウクライナ情勢、北朝鮮、TPPといった地域及びグローバルな課題に関し、引き続き連携していくことで一致しました。ハリマ・ヤコブ大統領からは、核兵器のない世界の実現のための日本の役割に期待する旨、また、日本の水際措置の緩和を歓迎するとともに、人的往来の再活性化を期待する旨の発言がありました。

(参考)歓迎式典及び蘭の命名式

蘭の命名式で、正面を向き、記念撮影に応じる、岸田総理とリー首相の様子 蘭の命名式(写真提供:内閣広報室)

 現地時間午前10時頃(日本時間午前11時頃)から約10分間、リー首相主催の歓迎式典及び蘭の命名式が行われました。歓迎式典では、儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょうが行われました。蘭の命名式は、シンガポール政府が二国間の友好関係を記念して新種の蘭に命名するものであり、今回の命名式では、新種の蘭に(Dendrobium Kishida Fumio)と命名されました。


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