外務省・新着情報

令和4年6月16日

 本16日(現地時間15日)、ニューヨークの国連本部で開催されている第32回国連海洋法条約締約国会合において、「大陸棚の限界に関する委員会(CLCS)」委員選挙が行われ、我が国から立候補していた山崎俊嗣(やまざき・としつぐ)東京大学大気海洋研究所教授が再選を果たしました。

  1. 山崎教授は2017年以降CLCS委員を務めています。今回の再選による2期目の任期は2023年6月から2028年6月までの5年間です。
  2. CLCSは、国連海洋法条約に基づき設置された、地質学、地球物理学及び水路学の21名の専門家からなる機関です。CLCSは、国連海洋法条約に従って、沿岸国が200海里を超える大陸棚の延長を申請する場合、これを科学的な観点から審査して勧告を出すことを任務とします。国際法に基づいて国家が大陸棚の限界を決定する上で、非常に重要な役割を担っています。
  3. 我が国は、海洋大国として、CLCSに優れた委員を輩出することで、沿岸国による大陸棚限界設定作業を促進し、海洋法秩序の発展に積極的に貢献していく考えです。山崎教授は、海洋地質学等の分野における第一線の研究者であるのみならず、数々の国際研究プロジェクトにおいて海底調査を行うなど豊かな国際経験を持ち、引き続きCLCS委員として大いに活躍することが期待されます。
(参考1)国連海洋法条約

  • (1)国連海洋法条約 第76条8
     「沿岸国は、領海の幅を測定するための基線から200海里を超える大陸棚の限界に関する情報を、衡平な地理的代表の原則に基づき附属書IIに定めるところにより設置される大陸棚の限界に関する委員会に提出する。この委員会は、当該大陸棚の外側の限界の設定に関する事項について当該沿岸国に対し勧告を行う。沿岸国がその勧告に基づいて設定した大陸棚の限界は、最終的なものとし、かつ、拘束力を有する。
  • (2)国連海洋法条約附属書II 第2条1
     「委員会は、21人の委員で構成される。委員は、締約国が公平な地理的代表を確保する必要性に妥当な考慮を払って締約国の国民の中から選出する地質学、地球物理学又は水路学の分野の専門家である者とし、個人の資格で職務を遂行する。」
(参考2)山崎俊嗣(やまざき・としつぐ)東京大学大気海洋研究所教授・外務省参与

 我が国の海洋地質学等の専門家。現在、東京大学大気海洋研究所教授。1981年から2001年まで工業技術院地質調査所海洋地質部の研究官、主任研究官等を歴任後、2001年から2012年まで産業技術総合研究所において、海洋資源環境研究部門主任研究員、同部門研究グループ長、同地球科学情報研究部門グループ長及び同地質情報研究部門研究グループ長を歴任。この間にも、千葉大学大学院で客員助教授、筑波大学大学院で客員教授等を務める。2012年から東京大学大気海洋研究所教授(現職)。2017年からCLCS委員・外務省参与。理学博士(京都大学)。

(参考3)過去の我が国輩出のCLCS委員

 これまで我が国は、CLCS設立(1997年)以来一貫して委員を輩出。歴代の我が国出身委員は、葉室和親軍縮会議日本政府代表部一等書記官(1997年-2002年(肩書は当時。))、玉木賢策東京大学教授(2002年-2011年(肩書は当時。))、浦辺徹郎東京大学名誉教授(2011年-2017年)、山崎俊嗣東京大学教授(2017年-))。


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