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2022年6月17日

6月12日(日曜日)から17日(金曜日)に、第12回WTO閣僚会議がスイス・ジュネーブで開催され、細田経済産業副大臣が出席しました。会合では、パンデミック対応、食料安全保障、WTO改革等について議論がなされ、閣僚宣言が採択されました。

1.第12回WTO閣僚会議

(1)概要

  • 6月12日から17日に、第12回WTO閣僚会議(MC12)がスイス・ジュネーブで開催され、日本からは、細田経済産業副大臣、武部農林水産副大臣、三宅外務大臣政務官が出席しました。
  • WTO閣僚会議は、隔年開催されるWTO加盟国(164ヵ国)の貿易大臣による会合であり、今回は、2017年に開催された第11回閣僚会議以来、複数回の延期を経て約4年半ぶりに開催に至りました。
  • 会合では、パンデミック対応や食料安全保障、WTO改革等について議論がなされ、最後に閣僚宣言が採択されました。

(2)発言内容(一部)

細田経済産業副大臣は、多角的貿易システムが直面する課題、及び、WTO改革のテーマ別セッションにおいて、以下の旨を発言しました。

多角的貿易システムが直面する課題

  • ロシアによるウクライナへの侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、明白な国際法違反。日本は、これを断じて許さず、厳しく非難する立場を明確にし、迅速に、ロシアに侵略を一刻も早く停止させるため厳しい制裁措置を打ち出してきた。
  • 今般の侵略の影響で、石油・ガスの供給源が不安定化したほか、すべての国の食料安全保障を脅かしている。自国の物資確保のための輸出規制は、対象を絞った最小限のものであるべき。不公正な輸出規制を行わず、開かれた、予見可能性のある市場を保つことが重要。
  • パンデミック、気候変動問題、デジタル化への対応など、現行WTOルールのアップデートを行うことを含め、WTOにはこれらに対処する能力と責任がある。
  • WTOは、ロシアのウクライナ侵略や新型コロナの拡大によって分断された世界の経済を繋ぎとめ、経済環境の変化に対応した国際ルール作りを行うことができる、唯一の国際機関。

WTO改革

  • WTOが発足して20年以上が経ち、多角的貿易体制を取り巻く情勢が大きく変化してきた中、WTOが現代の課題に対応するためには、WTO改革に取り組むことは避けては通れない。
  • 交渉機能の強化について、有志国で交渉を機動的に立ち上げ、議論するという手法を、さらに積極的に活用していくべき。その際には、先進国・途上国を問わず、すべての加盟国に対する開放性、包摂性、透明性を確保することが重要。
  • 日本が共同議長を務める電子商取引交渉では、信頼性のある自由なデータ流通を実現するデジタル貿易のルール作りに取り組んでいる。昨年合意したサービス国内規制に続き、WTOが新たなルール作りにおいて有効に機能することを示すことにも繋がる。環境持続可能性に関しても議論が始まった。公平な競争環境の実現についても、MC13に向けて然るべきタイミングでWTOにおいて議論を始めたい。
  • 紛争解決制度についても、早期の改革の実現が必要。上級委員会の不在が長期化する中、現在の機能不全が続けば、WTOルールによる国際経済秩序のガバナンスが失われることを懸念。MC13までの機能回復を目指し作業することを閣僚に期待する。

(3)成果文書等

 

2.貿易・気候・持続可能な開発に関する非公式閣僚朝食会への出席

6月12日、エクアドル、EU、ケニア、ニュージーランドの共同議長国4ヵ国の呼びかけにより、気候変動対策等に熱心に取り組む国々の貿易担当大臣が集まり、貿易・気候・持続可能な開発に関する非公式閣僚朝食会が開催されました。
会合では、気候変動対策に貿易の観点からどう貢献するかに関して議論が行われ、細田副大臣からは、気候変動対策に資する製品・技術の普及に取り組む必要性や、グリーンな市場を拡大していくための政策協調の重要性を指摘しました。
 
 

3.参加閣僚等との会談

細田副大臣は、WTOのオコンジョ事務局長、サウジアラビアのカサビ商業大臣、ザンビアのムパンデ商業・貿易・産業省次官、アラブ首長国連邦のアル・マリ経済大臣、欧州議会国際貿易委員会のランゲ委員長、豪州のエアーズ貿易担当副大臣、スペインのメンデス産業・通商・観光省商務長官、ナイジェリアのカタグム産業貿易投資担当国務大臣との間で、意見交換を行いました。
意見交換の中では、第12回WTO閣僚会議での成果及びその後のWTO改革に向けた連携の確認や、エネルギー安全保障確保のための世界の原油市場の安定化に向けた協力の依頼、経済連携協定や投資協定を通じた2国間経済協力関係の強化等について議論するとともに、関西・大阪万博への参加表明を歓迎し、謝意を伝えました。
また、スイスで活躍する日系企業との意見交換を実施しました。海外における事業展開の課題等について、活発な意見交換が行われました。

WTOのオコンジョ事務局長との会談

サウジアラビアのカサビ商業大臣との会談

ザンビアのムパンデ商業・貿易・産業省次官との会談

アラブ首長国連邦のアル・マリ経済大臣との会談

欧州議会国際貿易委員会のランゲ委員長との会談

豪州のエアーズ貿易担当副大臣との会談

スペインのメンデス産業・通商・観光省商務長官との会談

ナイジェリアのカタグム産業貿易投資担当国務大臣との会談

担当

通商政策局 通商機構部 参事官 木村
担当者:佐志田、井上

電話:03-3501-1511(内線 3051)
03-3501-5923(直通)
03-3501-5983(FAX)

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