外務省・新着情報

令和4年6月17日
  1. 6月12日からジュネーブで開催されていた第12回閣僚会議(MC12)が、会期を延長の末、本日(17日)閉会し、閣僚宣言が発出されました。WTOの閣僚会議が開催されるのは約4年半ぶりです。また、WTOの閣僚会議で閣僚宣言が発出されるのは、2015年12月に開催された第10回会議以来6年半ぶりであり、WTOメンバー間でWTOが取り組むべき方向性を一致して示すものとして意義があります。
  2. 今次閣僚会議では、新型コロナ危機やロシアによるウクライナ侵略に伴う食料供給問題といった、現在国際社会が直面する課題に対し、WTOが貿易機関として果たすべき役割を確認するとともに、将来の危機への対応や経済回復の過程における貿易の果たす役割等について議論が行われました。また、漁業補助金等の分野について、ルール形成に向けた議論も行われました。
  3. これらの議論を踏まえ、164の国・地域が一致して閣僚宣言を発出し、貿易と保健や食料安全保障をはじめとする重要分野における取組の方向性を示すとともに、WTO改革をはじめとする今後のWTOの取組に推進力を与えることができたことは、WTOが国際的な課題に対して意味ある成果をもたらす機能を維持していることを示すものであり、この成果を高く評価します。
  4. また、今次閣僚会議では、20年以上に及ぶ漁業補助金交渉で、第一段階としてテキストの文言の合意に至りました。IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)に対する補助金の禁止や濫獲状態の資源に関し、資源回復の取組を伴わずに供与される補助金の禁止について加盟国全体で合意されたことは、SDGsの達成に貢献するものです。また、これに伴い、グローバルな漁業資源管理の促進につながることが期待されるとともに、WTOのルール形成機能が引き続き健在であることが示されたと考えます。引き続き、包括的な合意の形成に向けて取り組んでいきます。
  5. さらに、今次閣僚会議のタイミングで、我が国が共同議長を務める電子商取引交渉については、日本、豪州及びシンガポールによる共同議長国閣僚声明を発出しました。本声明では、世界的なデジタル貿易ルールの合意に引き続きコミットしており、交渉の速やかな進展を目指すことを表明しています。また、今次閣僚会議において、電子商取引を促進し、パンデミック対応にも貢献する、電子的送信に関税を賦課しないモラトリアムを延長できたことも歓迎します。
  6. ルールに基づく自由で開かれた多角的貿易体制は我が国の存立基盤であり、WTOはその礎です。我が国は、引き続き、WTOを通じた多角的貿易体制の維持・強化のための取組を主導していきます。
[参考]「第12回WTO閣僚会議(MC12)」:概要
  • (1)閣僚会議はWTOの最高意思決定機関。通常は2年に1度開催される。   
  • (2)MC12は、新型コロナウィルス感染症の影響を受け開催が延期され、今回は約4年半ぶりに、2022年6月12日-17日に、スイス・ジュネーブで開催。MC12の議長国はカザフスタン。164のWTO加盟国の代表が参加。

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