外務省・新着情報

冒頭発言

(1)林大臣のフィリピン訪問

【林外務大臣】私(林大臣)から2件ほど御報告がございます。
 まず、6月30日に、マニラにおいて開催をされますフィリピン共和国第17代大統領就任式に出席をするため、6月29日から7月1日まで、岸田総理の特使として、フィリピンを訪問する予定でございます。
 この機会に、フェルディナンド・マルコス新大統領、サラ・ドゥテルテ新副大統領を始めとするフィリピン政府要人との会談等も予定をしております。今回の訪問を通じて、地域の重要な戦略的パートナーであるフィリピンとの間で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認するとともに、二国間関係を一層強化する考えでございます。

(2)アフガニスタンに対する緊急無償資金協力

【林外務大臣】2点目でございますが、6月22日に、アフガニスタン東部で発生した地震に関しまして、その被害に対する人道支援として、300万ドル規模の緊急無償資金協力を実施することといたしました。
 既に24日には、緊急援助物資として、毛布やスリーピング・パッド等を供与することを決定し、物資の一部は、26日中にアフガニスタンに届けられております。
 今般の緊急無償資金協力は、現地の支援ニーズを踏まえて、国際赤十字・赤新月社連盟を通じまして、保健・医療等の分野において、人道支援を行うものであります。引き続き、日本政府として、アフガニスタンの人々に寄り添った支援を実施していきたいと考えております。
 私(林大臣)からは以上です。

林大臣のフィリピン訪問

【読売新聞 依田記者】冒頭ご発言がありました、フィリピン訪問に関連してお伺いします。

【林外務大臣】マイクを少し上に。

【読売新聞 依田記者】上に、はい。

【林外務大臣】聞こえにくいので。

【読売新聞 依田記者】はい、すみません。フィリピンのマルコス新大統領ですけれども、中国との関係を重視する姿勢を示しておりますけれども、これについての受け止めと、あと、日本政府として、今後、新政権と、どのようにして関係を築いていくお考えかをお聞かせください。

【林外務大臣】第三国間の外交関係の一つひとつにコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、我が国としては、地域の重要な戦略的パートナーであるフィリピンとの間で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力や、二国間関係の一層の強化に向けまして、マルコス新政権と緊密に連携していく考えでございます。
 日本にとって、フィリピンは、近隣に位置する海洋国家でありまして、基本的価値と戦略的利益、これを共有する戦略的パートナーであります。
 マルコス新政権との間で、二国間関係の更なる発展、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力の更なる具体化、地域・国際社会の諸課題に対する連携強化等を目指していく考えでございます。

NATOの新たな戦略概念/日本のNATO首脳会合参加

【朝日新聞 野平記者】NATOの戦略概念が、12年ぶりに改定される見通しです。この中で、中国への対処についても明記される見通しですけれども、これについての日本政府としての受け止めをお聞かせください。
 また併せて、今回、岸田首相が日本の首相として初めて出席されますけれども、こうした日本とNATOとの接近について、中国は強く反発しているんですが、これについての考えも改めてお聞かせください。

【林外務大臣】ご指摘のNATOの新たな戦略概念につきましては、12年ぶりの策定に向けて、現在NATOの加盟国内で議論が行われている段階でございまして、中国に関するNATOの立場についても、言及する見込みだと承知をしておるところでございます。
 NATOの新たな戦略概念の策定によりまして、NATOの現在の価値観、目的、任務、こういったものが再確認をされ、昨今の国際情勢に、より合致したものになると認識をしておりまして、その取組を評価しておるところでございます。
 NATOの新たな戦略概念に加えて、4月には、私(林大臣)が外相会合に出席をいたしまして、現地時間の29日から行われる首脳会合、これには岸田総理が招待されるなど、NATOが、近年インド太平洋地域の安全保障環境に関心を高めていることを歓迎をしており、引き続き、NATOとの連携を強化をしていきたいというふうに考えております。
 また、NATOは、2021年より、日、韓を含むアジア太平洋パートナーとの関係強化をしておりまして、今回は、アジア太平洋パートナーが、初めてNATO首脳会合パートナー・セッションに招待をされたものであります。
 我が国のNATO首脳会合参加に対する、第三国の反応の一つひとつにコメントすることは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、欧州とインド太平洋の安全保障を切り離せない、こうした認識の下で、ロシアのウクライナ侵略への対応や、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けまして、NATOとの結束を確認し、連携を強化していく考えでございます。

グローバルな食糧危機への対応(ウクライナ及びアフリカへの支援)

【毎日新聞 今野記者】ウクライナへの穀物輸出の支援について伺います。昨日、岸田総理が、2億ドルの支援も表明されました。先週、大臣がウクライナの穀物輸出への支援についても仰っていまして、それとの関連性という部分と、あとこの日本がウクライナの輸出の支援をする意義というのが、どういったところなのかというのと、あと、8月に今度、アフリカとのTICADがありますけれども、そういったアフリカ地域に支援をする、そういうときの日本の姿勢についても伺いたいです。

【林外務大臣】6月27日ですが、G7エルマウ・サミットにおきまして、岸田総理は、具体的な支援をもってG7の連帯を示すと、こうした考えの下で、グローバルな食糧危機への対応として、約2億ドルの支援を新たに実施することを表明をしたところでございます。この一環といたしまして、ウクライナからの穀物輸出が停滞し、ウクライナ国内での穀物の貯蔵庫の不足が喫緊の課題となっていることを踏まえまして、国連食糧農業機関(FAO)を通じて、ウクライナにおける穀物の貯蔵能力の拡大を支援をいたします。
 具体的には、ウクライナ国内の貯蔵能力の不足が予測される地域に対しまして、穀物の簡易貯蔵庫の配布・設置、及び搬出用の機材等の供与を行うために、急いで、その具体的内容の調整を行っているところでございます。
 加えて、黒海からの輸出停止を受けて、喫緊の課題となっております代替ルートからの輸出を促進するために、ルーマニアとの国境にある植物検疫所の処理能力の向上のための支援、これを実施すべく調整中であります。
 これらの支援によりまして、今後、本格的な収穫期、7月から8月と言われておりますが、これを迎えるウクライナからの穀物の輸出を促進し、世界の食料安全保障の強化に寄与したいというふうに考えております。
 TICADの閣僚会合をこの間行ったときも、この小麦を始めとした食糧の価格高騰による影響というものが、TICADの参加者の各外務大臣からも提起をされたところでございますので、今申し上げましたように、この食料安全保障の強化ということが、そうしたTICADにおける声に応えることにも繋がっていくというふうに考えております。

発信元サイトへ