外務省・新着情報

令和4年6月29日

 6月29日、総理特使として大統領就任式に出席するためフィリピンを訪問中の林芳正外務大臣は、テオドロ・ロクシン・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Teodoro L. Locsin, Jr., Secretary of Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)と会談したほか、サラ・ドゥテルテ次期副大統領(Hon. Ms. Sara Z. Duterte, Vice President–elect of the Republic of the Philippines)への表敬を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 日・フィリピン外相会談(現地時間午後3時10分(日本時間午後4時10分)から約15分間)

外相会談を前に、記念撮影を行う日本・フィリピンの両外相
日・フィリピン外相会談が行われている様子
  • (1)冒頭、ロクシン大臣より、林大臣の来訪及び大統領就任式への出席を歓迎するとともに、本年4月に開催された第1回日・フィリピン外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の成功を想起しつつ、日本はフィリピンにとって地域における最も緊密なパートナーであるとして、これまでの日本の協力に対して謝意が表明されました。これに対して、林大臣からも、ロクシン大臣の尽力により両国の協力の裾野が拡大し、両国関係が「黄金時代」を迎えたことに対して、謝意を伝達しました。
  • (2)続いて、両大臣は、地域・国際情勢について意見交換を行い、東シナ海・南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みや、経済的威圧、ロシアによるウクライナ侵略とそれに端を発するエネルギー・食糧価格への影響、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題等について、両国が連携を一層強化していく必要性を確認しました。
  • (3)さらに、林大臣から、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海上保安協力、防衛装備移転、インフラ協力等が進展したことを歓迎しつつ、本年4月にロクシン大臣と立ち上げた「2+2」も活用しながら、政権を越えて二国間協力を一層推進していきたい旨述べました。これに対して、ロクシン大臣からは、防衛装備移転、開発協力、巡視船の供与を含む海上保安協力等の日本の協力に対する謝意が述べられるとともに、退任後も両国の関係の更なる発展に寄与していく旨の発言がありました。

2 サラ・ドゥテルテ次期副大統領への表敬(現地時間午後4時(日本時間午後5時)から約20分間)

外相会談を前に、握手をしながら記念撮影を行う、林外務大臣とサラ・ドゥテルテ新副大統領
林外務大臣が、サラ・ドゥテルテ新副大統領を表敬している様子
  • (1)冒頭、ドゥテルテ次期副大統領から、副大統領選挙の当選に際する林大臣からの祝意書簡及び大統領就任式出席に対する謝意の表明がありました。
  • (2)林大臣からは、両国は共に海洋国家であり、基本的価値観や戦略的利益を共有する戦略的パートナーであるとして、引き続き「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けODAも活用しつつ、具体的な協力を進めていきたい旨述べ、双方は、法の支配に基づく海洋秩序の維持・強化に向けて緊密に連携していくことで一致しました。
  • (3)双方は、インフラ、環境対策、デジタルといった経済社会分野、また、スールー・セレベス海を含むフィリピン周辺海域の安定化を念頭に安全保障や海上保安の分野において、協力を推進していくことで一致しました。さらに、林大臣からは、ミンダナオの自治政府樹立を引き続き後押しする意向を伝達するとともに、戦後フィリピンに取り残された残留日系人の日本国籍取得に向けフィリピン側の協力を要請しました。ドゥテルテ次期副大統領からは、ダバオ市を含め、フィリピンのインフラ整備に対する日本の長年の支援に対する謝意が述べられました。
  • (4)双方は、地域・国際情勢に関し、東シナ海・南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みの継続・強化や、経済的威圧、ロシアによるウクライナ侵略とそれに端を発するエネルギー・食糧価格への影響、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題、ミャンマー情勢、安保理改革を含む国連の機能強化等について、連携していくことで一致しました。
  • (5)また、双方は、ドゥテルテ次期副大統領が教育大臣を兼務する予定であることから、林大臣の文部科学大臣時代の経験を踏まえ、意見交換を行いました。

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