外務省・新着情報

令和4年7月1日
国連海洋会議プレナリー会合において、三宅外務大臣政務官がスピーチを行っている様子 プレナリー会合におけるスピーチ
インタラクティブ・ダイアログにおいて、三宅外務大臣政務官が発言を行っている様子 インタラクティブ・ダイアログにおける発言
会談を前に、三宅外務大臣政務官が、アンドレ・ポルトガル外務・国際協力担当副大臣と握手している様子 アンドレ・ポルトガル外務・国際協力担当副大臣との会談

 6月27日から7月1日まで、「第2回『持続可能な開発目標(SDG)14』実施支援・国連会議(第2回国連海洋会議)」がポルトガル共和国リスボンで開催され、国連加盟国、国際機関、民間企業及び非政府組織(NGO)等が出席し、海洋の保全や持続可能な利用を始めとするSDG14に関する議論が行われました。我が国からは三宅伸吾外務大臣政務官を始めとする外務省、環境省、水産庁から成る政府代表団が参加しました。

  1. 国連海洋会議出席の概要
  • (1)本会議は、2015年9月に国連総会で合意された2030アジェンダに掲げられている17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、特に海洋・海洋資源の保全及び持続可能な利用に焦点を当てたSDG14の実施推進を目的とした会議の第2回として開催され、6月27日から7月1日の日程で、ポルトガル及びケニアが共同議長となって開催されました。
  • (2)プレナリー会合では、冒頭に共同議長であるマルセロ・ヌノ・ドゥアルテ・レベロ・デ・ソウザ・ポルトガル共和国大統領(H.E. Dr. Marcelo Nuno DUARTE REBELO DE SOUS, President of the Portuguese Republic)及びウフル・ケニヤッタ・ケニア共和国大統領(H.E. Mr. Uhuru KENYATTA, President of the Republic of Kenya)や、アントニオ・グテーレス国連事務総長(H.E.Mr. António Manuel de Oliveira Guterres, , Secretary-General of the United Nations)などからオープニング・スピーチが行われ、それに続いて各国・機関代表によるスピーチが実施されました。我が国を代表して、三宅政務官がスピーチを行い、様変わりする海洋環境の状況に触れた上で、水産資源の持続的利用やIUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)対策、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン及び新しい条約作りの主導といった海洋プラスチック汚染対策、海洋関連の自然災害対策等に関する日本のSDG14実現に向けた国内外での貢献について述べ、今回の会議に当たって計18件(約24百万米ドル)の自主的取組を登録した旨表明しました。また、他の国でも応用可能な日本の優れた取組を「日本モデル」として発信していき、今後も世界と共にSDG14実現に向け協力していきたい旨述べました。
  • (3)プレナリー会合と並行して開催されたインタラクティブ・ダイアログにおいては、海洋に関する8つのテーマ(ア 海洋汚染、イ 海洋及び沿岸生態系の管理・保護・保全・回復、ウ 海洋酸性化・脱炭素化・海洋温暖化への対処、エ 持続可能な漁業、オ SIDSやLDCのための持続可能な海洋経済の促進・強化、カ 科学的知見の増強と海洋技術移転、キ 国連海洋法条約履行による海洋及び資源の保全と持続可能な利用、ク SDG14と他のSDGs目標の連携)についての議論が行われました。三宅政務官はこのうち、エ 持続可能な漁業に関するダイアログに出席してスピーチを実施し、IUU漁業対策に関する我が国の国内外での取組及び途上国への支援等に言及しました。
  • (4)また、三宅政務官は、持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベルパネルの首脳級昼食会に岸田総理大臣の代理として出席し、海洋と気候変動対策・生物多様性保全の繋がり等について発言したほか、会期中に開催された各種サイドイベントにも出席し、海洋プラスチック汚染対策、海洋における生物多様性の保全、IUU漁業対策を含む持続可能な漁業等に関する日本の国内外での取組等を紹介し、我が国として引き続きSDG14の実現に向けて貢献していくことを表明しました。
  • (5)今回の国連海洋会議に参加していたブラジル、ケニア、チリ、太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局、国連環境計画(UNEP)の代表とバイ会談を行い、パラオ、ガーナ、フィジー、米国、トンガ、モザンビーク、インドネシア、国連防災機関(UNDRR)の代表とも短時間立ち話を行いました。
  1. ポルトガル関係者との会談
     今回のポルトガル訪問の機を捉え、アンドレ・ポルトガル共和国外務・国際協力担当副大臣(H.E. Mr. Francisco André, Secretary of State for Foreign Affairs and Cooperation of Portuguese Republic)との会談や、ブリリャンテ・ディアス社会党国会担当団長(Dr. Eurico Brilhante Días, President of Socialist Party Parliamentary Group)ほかとの会談を行い、日本ポルトガル交流480周年となる来年に向けた二国間関係の強化や、国際・地域情勢について議論しました。

[参考1]「『持続可能な開発目標(SDG)14』実施支援・国連会議」(国連海洋会議)

  • (1)2015年9月に国連総会で合意された「2030アジェンダ」に掲げられている17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、特に海洋・海洋資源の保全及び持続可能な利用に焦点を当てたSDG14の実施推進を目的として開催。日本は、開催を決めた国連総会決議の共同提案国。
  • (2)第1回会議は、2017年6月5日-9日、ニューヨークで開催された。

[参考2]SDG14(持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する)について
  14.1 2025年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
  14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
  14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。
  14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
  14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
  14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。
  14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発 途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
  14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。
  14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
  14.c 「我々の求める未来」のパラ158 において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。

[参考3]我が国が登録した18件の自主的取組(Voluntary Commitment

  • ASEAN+3海洋プラスチックごみ協力アクション・イニシアティブに基づく、ASEAN諸国の海洋プラスチックごみ削減支援
  • 離島における持続的水産開発促進プロジェクト
  • 島嶼国型ブルーエコノミーの優良事例形成プロジェクト
  • 太平洋島嶼国におけるSDG14「海の豊かさを守ろう」プロジェクト
  • アジアにおけるプラスチックごみの環境にやさしい管理、技術、扱いに関する調査への支援
  • アジア・太平洋地域におけるプラスチックごみ流出防止対策支援(カウンターメジャー2)
  • メコン川流域におけるプラスチックごみ及び気候変動に対する地域の強靭性促進
  • SDG14に向けた海洋観測網の拡充のための取組
  • SDG14の達成に向けた海洋プラスチック分布実態と深海生物多様性把握のための取組
  • SDG14達成に向けた北極海域における研究開発の拡充
  • 宇宙機関と現場関係者との連携に基づく、沿岸漁業と生態系管理のための観測と予測の強化
  • アフリカのきれいな街プラットフォーム
  • アジア太平洋3R・循環経済推進フォーラム
  • 持続的漁業達成事業
  • 東南アジア地域持続的水産業推進事業
  • 地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク東アジア地域活動の推進
  • ブルーカーボンによるCO2吸収の促進
  • アフリカにおける水中文化遺産調査に関する能力形成及び意識向上

[参考4]別添


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