外務省・新着情報

冒頭発言

(1)林大臣のG20外相会合(インドネシア)出席

【林外務大臣】私(林大臣)から2件ございます。
 7月7日から7月8日まで、G20外相会合に出席するために、インドネシアのバリを訪問を致します。
 今回の会合においては ロシアによるウクライナ侵略が継続する中、多国間主義のあり方、食料やエネルギーの問題など、現下の国際情勢における重要課題につきまして、日本の立場と取組を積極的に発信をしてまいります。

(2)グローバルな食料安全保障のための支援

【林外務大臣】2件目ですが、先月27日、G7首脳会合の際に、岸田総理が、ウクライナ情勢の影響を受けて一層悪化したグローバルな食料安全保障への対応として、約2億ドルの支援、これを行う旨表明いたしましたが、本日、その具体的な内容を決定いたしました。
 ウクライナの情勢の影響によって、特に中東・アフリカ諸国等では、食料安全保障を巡る状況が悪化しつつあります。今回の支援では、食料不足に直面する国々への食料支援及び生産能力強化支援といたしまして、二国間、また、WFP、FAOを通じて約1億ドルの支援を行います。また、併せて緊急のニーズに応じるための食料関連支援についても、緊急無償資金協力及び日本のNGOを通じて1億ドルの支援を行います。この緊急無償資金協力には、ウクライナの穀物輸出促進のための穀物貯蔵能力拡大等の支援も含まれます。
 私(林大臣)も、6月24日に、G7外相会合、更にはドイツ主催の閣僚会合に出席をし、議論を行ったところでございますが、日本は、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携しながら、世界の食料安全保障の確保のために取り組んでまいります。私(林大臣)からは以上です。

林大臣のG20外相会合(インドネシア)出席(ロシア外相参加への対応)

【朝日新聞 野平記者】冒頭ご発言のあった、G20外相会合についてなんですけれども、ロシアのラヴロフ外相の出席が見込まれております。ウクライナ侵攻後の国際会議では、その抗議の意を示すために、退席すると、閣僚が退席する、というケースもあったのですが、大臣、今回どのように対応する考えでしょうか。

【林外務大臣】国際社会は、ロシアのウクライナ侵略によりまして、ロシアとの関係、これをこれまで通りにすることは、もはやできないと考えております。
 こうした考えの下で、ラヴロフ外相が参加した場合、関係各国と連携して、国際秩序の根幹を揺るがすロシアによるウクライナ侵略について、日本の立場をしっかりと主張したいというふうに考えております。

サハリン2プロジェクト(ロシア大統領令)

【NHK 青木記者】サハリン2についての、ロシアの大統領令についてお伺いします。現時点でのプロジェクトについての見解と、それから大統領令というのは、プロジェクトの主体を新しい法人に移すことについて、日本企業の意向というのを問うているものだと思うんですけれども。政府として、権益というものは維持されると考えているかどうか、教えてください。

【林外務大臣】サハリン2は、日本の電力やガスの安定供給といったエネルギー安全保障において、重要なプロジェクトであります。
 今回の大統領令によって、直ちにサハリン2からのLNG輸入が止まるわけではございませんけれども、本件大統領令については、サハリン2プロジェクトにおける日本企業の権益の扱い等の内容、それから、サハリン2プロジェクトからの日本へのLNG輸入への影響、これを精査するとともに、現在ロシア側に対して、外交ルートで説明を求めるなど、政府としても情報収集を行っているところであります。
 LNGの安定供給が守られるように、経済産業省とも連携して、政府として慎重に対応策を考えたいと考えております。

【NHK 青木記者】関連で伺います。今、外交ツールで説明を求めるとおっしゃいましたけど、どのような点について懸念があって、具体的には、どのように説明を求めているかというのを教えてください。

【林外務大臣】大統領令によって、先ほど申し上げましたように、日本企業の権益の扱い等の内容、それから、同プロジェクトからの輸入への影響、これを精査しなければなりません。そうした観点も含めて、ロシアに対して説明を求めておると、こういうことでございます。

林大臣のG20外相会合(インドネシア)出席

【毎日新聞 青木記者】話戻ってしまって恐縮ですけれども、G20の外相に関して、重要課題についてお話をされるということで、特に、やはり日本として力を入れて、伝えたいことは何か、それと、もう一点、バイ会談について、今どのように調整状況、どういう意気込みを持ってらっしゃるかというのをお聞かせください。

【林外務大臣】今回のG20では、ロシアによるウクライナ侵略、これは継続している中で、多国間主義のあり方、それから、まさに食料やエネルギーの問題等々、現下の国際情勢における重要課題について、しっかりと日本の立場等、発信していきたいと考えております。
 それから、バイ会談については、現段階でまだ決まっているものはございません。

中国・ロシア軍艦による尖閣諸島周辺接続水域内航行/中国海警局船舶による領海侵入

【読売新聞 依田記者】尖閣諸島沖で、中国・ロシア海軍の艦艇の動きが活発になっております。本日朝早くも、中国海警局の船が、領海に侵入したということですけれども、これについての受け止めをお願いします。

【林外務大臣】7月4日午前7時44分頃に、尖閣諸島周辺の我が国接続水域内に、中国海軍の艦艇が入域をいたしました。
 これを受けて、同日、山田重夫外務審議官から孔鉉佑(こう・げんゆう)駐日中国大使に対して、重大な懸念を表明して抗議するとともに、再発防止を求めたところでございます。
 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない日本固有の領土であり、現に日本はこれを有効に支配をしております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題、これは、そもそも存在しないわけでございます。日本の領土・領海・領空を断固として守り抜くという決意の下で、主張すべきは主張しつつ、今後とも冷静かつ毅然と対応していく、このことが必要であると考えております。
 なお、午前7時5分から午前8時16分にかけて、ロシア海軍艦艇が、尖閣諸島周辺の我が国接続水域内を航行したことを受けて、ロシアに対しては、尖閣諸島周辺の水域におけるロシア軍の動向について、高い関心を表明するとともに、ロシア側が適切な対応をとることを強く求める旨申し入れたところでございます。
 また、本日も午前4時30分頃、中国海警局に所属する船舶2隻が、尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、当該海域において航行していた日本漁船一隻に近づこうとする動きを見せました。現在も、いずれも領海に留まっていると承知をしております。
 中国海警局に所属する船舶のこのような活動は、そもそも国際法違反であり、本事案についても、外交ルートにおいて厳重に抗議し、速やかに我が国領海から退去するように強く求めたところでございます。
 中国海警局に所属する船舶が、尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入したことは誠に遺憾であり、受入れられないと考えております。引き続き、中国側に対しては、冷静かつ毅然と対応してまいります。

林大臣のG20外相会合(インドネシア)出席

【共同通信 前田記者】先ほど大臣、G20にラヴロフ外相が来たときの対応のところで確認させてもらいたいんですけれども、大臣、関係各国と連携して、日本の立場というのをしっかり主張したいというふうにおっしゃったのですが、これは、要は、議場等に留まって、日本の主張をきちんとしてくるという意味合いなんでしょうか。

【林外務大臣】我が国の主張をしっかりと、立場を主張したいと考えております。ロシアに対する具体的な対応につきましては、関係各国と連携して、適切に対応していきたいと考えております。

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