外務省・新着情報

令和4年7月19日
新型コロナ対策(グローバル行動計画)に関するオンライン外相会合に臨み、発言を行っている林外務大臣の様子
オンライン会合に参加している各国外相の様子(テレビのモニター映像)

 7月19日、午後8時30分頃から、林芳正外務大臣とアントニー・ブリンケン米国務長官(The Honorable Antony Blinken, Secretary of State of the United States)の共催で、「新型コロナ対策(グローバル行動計画)に関する外相会合」(テレビ会議形式)が開催されました。

  1. 冒頭、林大臣から、新型コロナの収束に向け、引き続き対策を維持・強化し、強い意志を持ってグローバルに行動し続ける必要性を改めて強調し、日本がこれまで途上国に対し包括的に行ってきたワクチン支援を始めとする新型コロナ対策支援の取組を紹介しました。また、各国のニーズにあった支援を実施していくため、「グローバル行動計画(GAP)」を通じた現場での情報共有と連携の円滑化の重要性を指摘しました。その上で、林大臣は、国際保健に関するガバナンスとファイナンスの脆弱性に対処し、将来の健康危機へのより良い予防・備え・対応(PPR)に資する基盤となる「グローバルヘルス・アーキテクチャー」を強化しなければならないと強調しました。また、世銀に設立されることが決定した金融仲介基金(FIF)の運用開始に向け、日本が、初期貢献として1千万ドルの拠出を決定した旨述べました。さらに、林大臣は、8月27日及び28日にチュニジア共和国で開催される「第8回アフリカ開発会議」は、アフリカにおけるPPRのための国際的なパートナーシップを強化する絶好の機会であるとし、来年のG7サミット議長国として、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成を念頭に、積極的にグローバルヘルス・アーキテクチャーの強化に貢献していく意思を示しました。
  2. 続いて、ブリンケン米国務長官は、新型コロナを収束させるための世界全体での取組を継続し、9月の国連総会に先立ち、「グローバル行動計画(GAP)」の6つの柱に関する具体的成果を出すべく、ハイレベルな政治的機運を維持するよう呼びかけました。またブリンケン国務長官は、参加国・機関に対し、将来の健康脅威を予防し、備えるため、グローバルヘルス・アーキテクチャーの強化に向けた集団的コミットメントに焦点を当てるよう促しました。さらに、HIV/AIDS、結核、マラリア等、その他の健康上の脅威と同時に闘う必要性を強調し、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の増資やFIFへの各国の協力を呼びかけました。
  3. 本会合には、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、コスタリカ、コロンビア、サウジアラビア、ジャマイカ、スペイン、セネガル、タイ、韓国、ドイツ、ナイジェリア、ニュージーランド、ノルウェー、バングラデシュ、ベリーズ、南アフリカ共和国、モロッコ、モルディブの外務大臣等の他、アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)代表、テドロスWHO事務局長やマルパス世界銀行総裁といった地域機関の代表が出席し、新型コロナを収束させ、将来のパンデミックへの備えを強化するための「グローバル行動計画(GAP)」の6つの柱に関する取組の進捗や課題を見直すとともに、関係国・機関の連携を通じて、ワクチン接種を推進し、サプライチェーンの強靱性を高め、グローバルヘルス・アーキテクチャーを強化していくための決意を再確認しました。

[参考2]林外務大臣メッセージ(日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く

[参考3]グローバル行動計画(Global Action Plan for Enhanced Engagement

  • (1)目的
       2022年中に新型コロナを収束させ、将来のパンデミックへの備えを強化するために、各国の具体的な取組を促進。
  • (2)行動計画の柱:以下の6つの取組から構成
       

    • ア ワクチン接種の推進:
       ワクチン供与量の増加、政治的紐づけがなく使用期限まで十分な期間のあるワクチンの供給(COVAX経由)、ワクチン接種体制の整備、紛争地等人道的危機のある地域へのワクチン供与など
    • イ サプライチェーンの強靱性の強化:
       医療物資の需給ギャップの是正、サージキャパシティの強化、重要物資をめぐる問題にかかる早期警戒システムの整備など
    • ウ 情報格差への対応:
       誤情報や偽情報の撲滅、ワクチンへの信頼の向上など
    • エ 医療従事者の支援:
       十分かつ質の高い個人用防護服(PPE)の提供やワクチン接種を含む医療従事者の環境改善、専門分野にかかる医療従事者のキャパビルなど
    • オ ワクチン以外のインターベンションの推進:
       検査体制の改善、治療薬へのアクセスの改善など
    • カ 世界健康安全保障枠組みの強化:
       世銀、IMF、WHOの取組への支援、新たな基金や枠組みの設立など

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