外務省・新着情報

令和4年7月20日
正面を向き、お互いに笑顔で握手を交わす、両首脳の様子 握手を交わす両首脳(写真提供:内閣広報室)
テーブルに着き、会談を行う、両首脳の様子 日・アイルランド首脳会談(写真提供:内閣広報室)
共同記者発表で、両首脳共同声明について説明する、岸田総理大臣の様子 日・アイルランド共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 7月20日、午前11時10分から約50分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のミホル・マーティン・アイルランド首相(H.E. Mr. Micheál Martin, T.D., Taoiseach, Prime Minister of Ireland)と首脳会談を行い、共同記者発表の後、午後0時15分から約1時間、ワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。
 また、両首脳は、日・アイルランド首脳共同声明を発出しました。

1 冒頭

  • (1)岸田総理大臣から、日・アイルランド外交関係開設65周年の年にマーティン首相が訪日したことに歓迎の意を表するとともに、安倍元総理大臣の逝去に際するマーティン首相からの弔意に謝意を表しました。また、ロシアのウクライナ侵略が国際秩序の根幹を揺るがす中、現在、国連安保理非常任理事国であるアイルランドと緊密に連携していきたい旨述べました。
  • (2)これに対し、マーティン首相から、約20年ぶりの自身の訪日が65周年の節目に実現でき嬉しい旨述べると共に、安倍元総理大臣の逝去に対する心からの哀悼の意を改めて表しました。また、経済をはじめ二国間関係をさらに発展させたい、ウクライナ情勢を始めとした地域情勢や国際場裡においても日本との協力を強化していきたい旨述べました。

2 ウクライナ情勢

 岸田総理大臣から、ロシアのウクライナ侵略は、欧州のみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙である、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、力による一方的な現状変更は世界のどこであれ認められない旨述べた上で、日本は前例のない強力な対露制裁措置を行っていること等を説明したのに対し、マーティン首相から、岸田総理大臣及び日本の取組を高く評価するとの反応があり、アイルランドの取組について説明がありました。両首脳は、同志国が結束して対露制裁とウクライナ支援を続けていくことが重要であること、また、侵略により食料やエネルギーの不足や価格高騰に国際社会が直面する中、脆弱な国々と丁寧に意思疎通して支援していくことの必要性を確認しました。

3 二国間関係

 マーティン首相から、今回の訪日に合わせ、東京・四谷の「アイルランド・ハウス」建設予定地を視察した旨紹介があり、岸田総理大臣から「アイルランド・ハウス」の建設を歓迎する旨述べました。両首脳は、今般発表した日・アイルランド首脳共同声明に基づいて、グリーンやデジタルをはじめとする経済関係や両国国民の交流の活性化など、二国間関係をさらに発展させていくことで一致しました。また、岸田総理大臣から、EUによる日本産食品への輸入規制の早期撤廃に向けたアイルランドの協力を求めました。

4 地域情勢

  • (1)両首脳は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を実現していくことが重要であるとの認識を共有し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、連携を一層強化していくことで一致しました。
  • (2)両首脳は、東シナ海及び南シナ海における状況を深刻に懸念し、力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対することを確認しました。また、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
  • (3)また、両首脳は、北アイルランド議定書についても意見交換し、岸田総理大臣から、EUと英国の間の協議を通じた決着を期待する旨述べました。

5 国際場裡における協力

  • (1)岸田総理大臣から、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」に向けた国際的な取組をリードしていきたい旨述べ、両首脳は、8月の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に向けて緊密に連携していくことで一致しました。
  • (2)また、両首脳は、本年の安保理非常任理事国であるアイルランドと来年から安保理非常任理事国となる日本とで協力していくことを確認しました。

[参考1]別添PDF

[参考2]アイルランド・ハウス
 アイルランド政府が、海外施設としては過去最大規模の予算をかけて東京・四谷に建設予定の施設(2024年完成予定)で、大使館をはじめ、アイルランド政府関係機関事務所や文化関連施設が入る総合施設となる予定。


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