外務省・新着情報

令和4年7月29日
日米外相会談の様子

 現地時間7月29日13時43分(日本時間30日2時43分)から約55分間、ワシントンD.C.を訪問中の林芳正外務大臣は、アントニー・ブリンケン米国国務長官(The Honorable Antony Blinken, Secretary of State of the United States of America)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、ブリンケン長官から、安倍元総理の逝去に対する哀悼の意が改めて示されたのに対し、林大臣から、先般の訪日も含め、ブリンケン長官、そして米国国民の弔意に対する感謝を表明しました。また、両外相は、5月のバイデン大統領訪日の成果をフォローアップすべく、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。
  2. 両外相は、日米間の安全保障・防衛協力を拡大・深化させ、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことを再確認しました。その上で、両外相は、先般の日米拡大抑止協議の実施を歓迎し、米国による拡大抑止の信頼性・強靱性を引き続き確保する観点から、今後とも様々なレベルで緊密な意思疎通を続けていくことで一致しました。また、両外相は、沖縄を始めとする地元の負担軽減の観点から、在日米軍再編を着実に推進していくことで一致しました。
  3. 両外相は、地域情勢について意見交換を行いました。
  • (1)両外相は、ロシアによるウクライナ侵略について、引き続きG7を始めとする国際社会と結束して、強力な対露制裁及びウクライナ支援に取り組んでいくことを改めて確認しました。
  • (2)両外相は、今般の侵略がインド太平洋地域に及ぼし得る影響について議論し、同地域において力による一方的な現状変更の試みを許さぬよう、同盟国・同志国間の連携を一層強化していくことで一致しました。
  • (3)両外相は、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。また、両外相は、台湾に関する両国の基本的な立場に変更はないことを確認し、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促すことで一致しました。さらに、両外相は、中国との率直な対話の重要性を確認しました。
  • (4)両外相は、北朝鮮の核・ミサイル活動について深刻な懸念を共有した上で、6月29日の日米韓首脳会合や7月8日の日米韓外相会合の成果を踏まえ、安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に向け、引き続き日米、日米韓で緊密に連携していくことで一致しました。また、林大臣から、拉致問題について引き続きの理解と協力を求め、ブリンケン長官から、支持を得ました。
  1. 両外相は、インド太平洋地域の経済秩序に対する米国の関与がますます重要となっているとの認識を共有しました。その上で、林大臣から、IPEFへの支持と併せて米国の早期のTPP復帰を改めて促しました。
  2. 両外相は、日米安全保障協議委員会(「2+2」)や日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)での議論のフォローアップを含め、定期的に意見交換を行い、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

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