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令和4年8月2日

 7月31日から8月1日にかけて、岸田文雄内閣総理大臣は米国を訪問し、日本の総理大臣として初めて、第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に出席したところ、概要は以下のとおりです。(いずれの行事も現地時間8月1日に実施されました)。

1 一般討論演説

NPT運用検討会議で一般討論演説を行う岸田総理(写真提供:内閣広報室)
NPT運用検討会議で一般討論演説を行う岸田総理(写真提供:内閣広報室)

 冒頭、岸田総理大臣は、現下の情勢において核軍縮をめぐる国際社会の分断は一層深まり、「核兵器のない世界」への道のりは更に厳しいものになっている中、NPT体制の維持・強化が国際社会全体にとっての利益である旨指摘し、その共通目的のために各国が協力すべきである旨訴えるとともに、各国と共にNPTの守護者としてNPTをしっかりと守り抜いていくとの決意を表明しました。 また、「核兵器のない世界」という「理想」と「厳しい安全保障環境」という「現実」を結びつけるための現実的なロードマップの第一歩として、核リスク低減に取り組みつつ、(1)核兵器不使用の継続の重要性の共有、(2)透明性の向上、(3)核兵器数の減少傾向の維持、(4)核兵器の不拡散及び原子力の平和的利用、(5)各国指導者等による被爆地訪問の促進、の5つの行動を基礎とする「ヒロシマ・アクション・プラン」に取り組んでいくべきことを訴えました。
 さらに、演説の中で、岸田総理大臣は、(1)本年9月の国連総会の際の包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ会合の首脳級での開催、(2)国連への1,000万ドルの拠出を通じた「ユース非核リーダー基金」の立上げ、(3)「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議」第一回会合を11月23日に広島で開催することを発表しました。
 最後に、佐々木禎子さんの折り鶴のエピソードに触れつつ、「核兵器のない世界」に向けて歩みを進めていく旨決意を表明しました。

2 第11回軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)ハイレベル会合

NPDIハイレベル会合(写真提供:内閣広報室)
NPDIハイレベル会合で冒頭発言を行う岸田総理大臣(写真提供:内閣広報室)

 岸田総理大臣は、第11回NPDIハイレベル会合に出席し、冒頭発言を行い、2010年に日豪主導で立ち上げた同グループへの日本の強いコミットメントを示すとともに、核兵器の透明性の向上を始めとするNPDIの現実的・実践的な取組の更なる推進・強化を呼びかけました。 

  • 岸田内閣総理大臣 発言(令和4年8月1日):和文(PDF) 別ウィンドウで開く

 また、会合の後、共同声明が発出されました。

3 その他

岸田総理大臣は、国連本部における広島県のバナー展示を視察 広島県のバナー展示を視察する岸田総理大臣(写真提供:内閣広報室)

 上記のほか、岸田総理大臣は、国連本部における広島県のバナー展示を視察しました。同視察には、湯崎広島県知事、大石長崎県知事、広島県議会議長他同県議会議員が立ち会いました。また、岸田総理大臣は、核軍縮・軍備管理を含む安全保障分野の米国有識者との間で、現下の国際的な安全保障情勢を踏まえつつ、「核兵器のない世界」に向けた具体的方策について意見交換を行いました。

【参考】意見交換に参加した有識者
(1)ローズ・ゴッテメラー 元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)
(2)クリストファー・フォード 元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)
(3)ローラ・サールマン ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)上級研究員兼 東西研究所上級フェロー
(4)アンキット・パンダ カーネギー国際平和財団核政策プログラム上級フェロー


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