外務省・新着情報

令和4年8月8日
グテーレス国連事務総長と林外務大臣
林外務大臣とグテーレス国連事務総長との会談

 8月8日、午前9時15分から25分間、林芳正外務大臣は、実務訪問賓客として訪日中のアントニオ・グテーレス国連事務総長(H. E. Mr. António Manuel de Oliveira Guterres, Secretary-General of the United Nations)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、林大臣から、グテーレス事務総長の訪日及び広島平和記念式典への出席を歓迎するとともに、安倍元総理大臣の逝去に対するグテーレス事務総長の弔意表明に感謝しました。グテーレス事務総長からは、日本政府の招待に謝意が表明されるとともに、8月6日に平和記念式典出席のため広島を訪問したことを意義深く思う旨述べました。グテーレス事務総長からは、安倍元総理大臣への弔意が改めて表明されました。
  2. 林大臣から、ロシアがウクライナを侵略し、中国は台湾周辺で軍事活動を行い、北朝鮮に続いて日本近海に弾道ミサイルを撃ち込んでいる旨指摘しつつ、法の支配に基づく国際秩序の維持が問われている旨述べました。特に、今回の中国の弾道ミサイル発射は、日本の安全保障にかかわる重大な問題であり、強く非難する、今般の中国側の行動は、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものであると指摘しました。双方は、緊迫する地域情勢への深刻な懸念を共有し、緊張緩和の重要性について一致しました。
  3. 林大臣から、ウクライナ情勢に関して、5月のマリウポリの文民退避や、黒海を通じたウクライナからの穀物輸出に関する合意等へのグテーレス事務総長の取組を評価しました。
  4. 林大臣から、安保理改革はもちろん、事務総長をサポートする体制や総会の役割強化を含む国連全体の機能強化も重要である旨述べました。グテーレス事務総長より、日本の安保理入りに祝意を述べ、国連全体の機能強化を含め、国際社会の直面する諸課題への対応に緊密に協力していくことを確認しました。
  5. 双方は、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化への深刻な懸念を共有すると共に、林大臣から、拉致問題への国連側の引き続きの理解と協力を求め、グテーレス事務総長の全面的な支持を得ました。
  6. また、双方は、食料危機、気候変動、感染症等の人間の安全保障を脅かす地球規模課題への対応について意見交換し、こうした課題に対応するため引き続き連携していくことで一致しました。

発信元サイトへ