外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】本日、私は、TICAD8に総理特使として出席をするため、チュニジアに向かいます。
 若い人口に支えられましたアフリカは、ダイナミックな成長が期待をできる、そうした大陸であります。一方、ロシアによるウクライナ侵略がもたらす食料・エネルギー価格の高騰、また新型コロナからの早期回復、さらには不公正・不透明な開発金融など、アフリカの飛躍を妨げる課題、こういったものへの対応が急務となる中で、TICADのプロセスを通じました日本とアフリカ、そして国際社会との連携はこれまで以上に重要になってきております。
 こうした状況の中で、我が国は、TICAD8を通じて、アフリカと「共に成長するパートナー」として、アフリカの課題克服に共に取り組んで、日・アフリカ双方の更なる成長、これに繋げていく考えであります。
 今回、岸田総理は対面での出席はかないませんけれども、オンラインなどの形でできる限り多くの行事に参加される予定であります。私も、総理特使として、現地でバイ会談等を通じまして総理のメッセージ、これをアフリカ各国の指導者に直接お届けをしたいと思っております。
 また、この機会に、開催地でありますチュニジアの政府要人との会談等、チュニジアとの二国間の行事も実施する予定になっております。

質疑応答

【記者】ウクライナ情勢をめぐり、アフリカの中には国連でのロシアへの非難決議を棄権した国もあり、現在の食料危機は、ロシア制裁に起因すると考えているアフリカの国もあります。アフリカと、日本を含む西側との間に溝が生じている原因は何だとお考えでしょうか。また今回のTICADを通じて、どのように対応するお考えでしょうか。

【林外務大臣】現在の食料価格高騰に関しましては、そもそも対露制裁、これは食料分野を対象にしておりませんので、国際的な食料価格の高騰の根本的な原因というのは、言うまでもなく、ロシアによるウクライナ侵略そのものにあると考えております。重要なことは、こうした事実をですね、影響を受けている国々を含めて、各国に対して丁寧に説明をしていくということであり、また今回のTICADでも、しっかりと訴えていきたいと思っております。また、日本は、グローバルな食料危機への対応ということで、主にウクライナや食料不足に直面しているアフリカ・中東向けにですね、合計約2億ドルの支援、これを実施することを表明済みであります。こうした日本の支援実績も含めてですね、我が国の取り組みを的確にインプットして、アフリカ諸国との連携を深めていきたいと考えております。

【記者】日本はアフリカへの投資促進を掲げていますけれども、投資は伸び悩んでいます。投資促進の課題は何だとお考えでしょうか。一方で、中国などによる開発金融の問題が生じており、これはどう解決していくお考えでしょうか。

【林外務大臣】民間企業の投資判断でございますので、一義的には個別民間企業の自主的な経営判断というところによるわけでございますが、日本のアフリカ投資が全体として伸び悩んでいる理由としてはですね、コロナ禍によって物流が世界的に混乱をして、そういうことによってコスト増が起こっている、また、資源価格の低迷していることによって、収益減少が生じてですね、それによって事業撤退する、そういう様々な原因が指摘をされているところでございます。こうした状況を踏まえてですね、政府としても、ビジネスからみた不透明性というものを排除して、民間の皆さんがですね、アフリカのビジネスの一歩目、これを踏み出せるよう、TICAD7以降、アフリカ・ビジネス協議会や二国間ビジネス環境改善委員会、こういうものを開催し、この投資協定の締結等に取り組んでまいりました。投資環境は着実に改善してきていると考えております。また、アフリカにはですね、巨大な資金需要そのものが存在する中で、お尋ねのあった不公正・不透明な貸付も含めてですね、国際的なルール・スタンダード、こういうものを遵守しない開発金融、こういったものに対処するということが喫緊の課題であると認識をしておりまして、TICAD8でもですね、自由で開かれた国際経済システムの強化ということの重要性についてしっかり議論を行いたいと考えております。

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