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令和4年8月27日
開会式に出席している林外務大臣の様子

 岸田文雄内閣総理大臣は、チュニジアで開催されている第8回アフリカ開発会議(TICAD8)の共同議長を務め、現地時間8月27日9時55分(日本時間同日17時55分)から、開会式にテレビ会議方式で出席しました。また、岸田総理は全体会合1にビデオ・メッセージの形で参加しました。
 この会議には、総理特使としてチュニジアを訪問中の林芳正外務大臣も対面形式で出席しました。また、アフリカ48か国から、20名の首脳級が参加したほか、国際機関、民間企業、国会議員、市民社会の代表等が出席しました。

1 開会式

開会式の会場の様子
開会式で総理スピーチを傾聴する林外務大臣と各国首脳の様子
  • (1)岸田総理は、開会式スピーチにおいて、日本はアフリカと「共に成長するパートナー」として、「人」に注目した日本らしいアプローチでアフリカ開発を推進し、「成長と分配の好循環」などを通じ、アフリカ自身が目指す強靱なアフリカを実現していく考えを表明しました。そして、「人への投資」、「成長の質」を重視し、今後3年間で官民あわせて総額300億ドル規模の資金の投入を行い、日アフリカ関係の躍進につなげていく旨表明しました。具体的には、「アフリカ・グリーン成長イニシアティブ」を立ち上げ官民あわせて40億ドルの資金を投入していくこと、投資を促進すること、債務健全化の改革を進め、強靭なアフリカを支援し人々の生活を向上させるために、新たに特別枠10億ドルを含む、最大50億ドルのアフリカ開発銀行との協調融資を実施していく旨発表しました。さらに、三大感染症対策支援及び保健システム強化のためグローバルファンドに次の3年間で最大10.8億ドルを新たに拠出することや、アフリカと日本の未来を支える30万人の人材育成を実施すること、さらには「核兵器のない世界」に向けてアフリカ諸国と協働していく旨表明しました。加えて、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であるが、侵略の継続により、アフリカにおける食料危機がこれまで以上に深刻なものとなっており、日本はアフリカ開発銀行との協調融資で3億ドルの食料生産強化支援や20万人の農業人材育成を行う旨発表しました。
  • (2)共同議長を務めるサイード・チュニジア大統領(ホスト国)からは、不安定な世界情勢によってもたらされた様々な課題を解決するために、日本と協働していきたい旨発言がありました。また、同じく共同議長を務めるサル・セネガル大統領(AU議長)からは、保健分野を始めとする日本のアフリカ開発に対する貢献への謝意が示されるとともに、民間投資の一層の促進に取り組んでいきたい旨発言がありました。

2 全体会合1(経済)

全体会合が行われている様子
全体会合に参加している林外務大臣の様子
  • (1)岸田総理のビデオ・メッセージは会合冒頭で流され、その中で総理は、新型コロナやウクライナ情勢を受け、アフリカの経済・社会は深刻な影響を受けたが、アフリカは「可能性の大陸」である、まず重視すべきは民間投資の促進であり、100億円超のスタートアップ向け投資ファンドを立ち上げるとの日本経済界の計画を歓迎する旨述べました。また、人々の暮らしを向上させるためには、透明で公正な開発金融の確保が重要であり、日本は、アフリカ開発銀行との協調枠組みであるEPSA(アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ)の下、最大10億ドルの特別枠を創設し、資金を投入していく旨を表明しました。さらに、グリーン経済の促進においては、日本は、アフリカの将来を見据え、成長とグリーンの配慮のバランスを取りつつ、アフリカに投資していく旨述べました。最後に、ロシアによるウクライナ侵略により、人々の生活が脅かされていることを踏まえ、中長期的な食糧生産能力の強化に向け、アフリカ開発銀行の緊急食糧生産ファシリティへの約3億ドルの協調融資や20万人の農業分野の人材育成を行っていくと発表しました。
  • (2)また、TICAD7以降公式なパートナーとなった企業関係者が日・アフリカ双方から登壇しました。若い人口に支えられ、ダイナミックな成長が期待できるアフリカにおいて、アフリカの人々、特に、活力ある若者が活躍できるよう、投資を通じてアフリカ経済の飛躍に繋げたいといった意見が交わされ、スタートアップへの投資や日系企業の更なるアフリカ進出に期待するといった発言が多くありました。
[参考]別添
 岸田総理開会式スピーチ(日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く仏語(PDF)別ウィンドウで開く

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