外務省・新着情報

冒頭発言

(1)エリザベス二世女王陛下の崩御

【林外務大臣】私(林大臣)から2件ございます。
 昨夜、新たに就任された、英国のクレバリー外務・英連邦・開発相と電話でお話ししたばかりのところに、エリザベス二世女王陛下の訃報に接しました。英国王室、英国政府及び英国民の皆様に対して心から哀悼の意を表します。
 エリザベス二世女王陛下は、1952年の御即位以降、英国王室史上最長となる70年にわたり在位をされ、世界の平和と繁栄のために極めて大きな役割を果たしてこられました。
 日英関係は、皇室・王室の伝統的な友好関係に支えられて発展してきましたが、エリザベス二世女王陛下は、1975年に自ら御訪日されるなど、特に日英関係の強化に大いに貢献をされました。
 激動の世界情勢において、英国を導いたエリザベス二世女王陛下の御崩御は、英国民のみならず国際社会にとっての大きな損失であり、謹んで哀悼の意を表します。英国民の皆様が、この深い悲しみを乗り越えるに当たり、日本は常に英国と共にあります。

(2)開発協力大綱の改定

【林外務大臣】2件目でございますが、我が国の開発協力政策の基本方針を示す「開発協力大綱」につきまして、2015年の策定時からの大きな情勢変化を踏まえ、時代に即した形で開発協力の在り方をアップデートし、一層効果的・戦略的に実施するため、改定を行うことといたしました。
 国際情勢が大きく変化する中で、日本が引き続き国際社会の期待と信頼に応えるとともに、自由や民主主義といった普遍的価値を守り抜き、同時に、我が国自身の平和と繁栄を確保していくため、重要な外交ツールであるODAの更なる活用が不可欠となっております。
 そうした中で、今回の改定を通じ、ODAが今日果たすべき役割を明確にし、今後の開発協力の方向性を示したいと考えております。具体的には、第一に、普遍的価値に基づく国際秩序を守り、「自由で開かれたインド太平洋」の理念を推進するための協力を強化していくこと、第二に、世界と日本が共に繁栄をする環境作りを一層進めていくこと、第三に、地球規模課題の国際的取組を主導し、新たな時代の人間の安全保障を推進すること、こうした点が考えられます。
 こうした点について、幅広い関係者から御意見をいただくために、私(林大臣)の下に、有識者懇談会を設置をいたします。座長は中西寛(なかにしひろし)京都大学大学院教授に務めていただきます。今後、有識者懇談会での議論を始め、広く国民の皆様からの御意見を踏まえながら、来年前半を目途に、新たな開発協力大綱を策定する考えでございます。なお、詳細については、この後報道発表を行う予定でございます。私(林大臣)からは以上です。

尖閣諸島国有化から10年

【共同通信 福田記者】明後日、9月11日、尖閣の国有化から10年の節目を迎えます。これの受け止めと、あと尖閣周辺では中国公船による、領海侵入あるいは接続水域の航行といった挑発行為が散見されています。これに対し、日本政府としてどう臨むべきかという2点についてお答えください。

【林外務大臣】尖閣諸島が、我が国固有の領土であるということは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に我が国はこれを有効に支配をしております。
 平成20年12月以降、尖閣諸島周辺海域においては、昨日発生したものも含めて、中国海警局に所属する船舶による領海侵入が相次ぎ、情勢は依然として予断を許さない状況にあり、我が国としては極めて深刻に懸念をしております。
 政府としては、国民の生命・財産及び我が国の領土・領海・領空、これを断固として守り抜くという方針の下で、引き続き冷静かつ毅然として対応するとともに、関係省庁間において緊密に連携しつつ、尖閣諸島周辺海空域における警戒監視活動等に万全を期していく考えでございます。

故安倍晋三元総理大臣の国葬儀

【パンオンリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 各国の首脳や閣僚、政府高官等が安倍元総理の国葬に参列する予定であり、活発な弔問外交が行われると思います。二国間や三国間の首脳会談を行う予定でしょうか。

【林外務大臣】海外からの参列者についてですが、これまでに、米国のハリス副大統領、カナダのトルドー首相、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相、シンガポールのリー・シェンロン首相、ベトナムのフック国家主席、カンボジアのフン・セン首相、EUの首脳であるミシェル欧州理事会議長に加えて、オーストラリアのハワード元首相、アボット元首相、ターンブル元首相が参列の意向を示されておられます。
 「国葬儀」の機会には、このように多くの海外要人が訪日することが見込まれておりまして、「国葬儀」の前日から翌日にかけまして、首脳レベル、また外相レベルで、可能な限り集中的にバイ会談を行うということを予定をしております。まだ具体的な議題についてお話する段階にはございませんけれども、安倍元総理が培われた外交的遺産を、我が国としてしっかり受け継ぎ、発展させるという意思を内外に示していく、そうした機会にしたいと思っております。

【朝日新聞 野平記者】今の質問に関連なんですけれども、閉会中審査、昨日行われまして、国葬についての審議が行われたのですけれども、その中で、何故国葬にするのかという基準について、曖昧だというような指摘が相次ぎました。昨日の総理の質疑で、こういった国民からの疑念というのは払拭できたと大臣はお考えでしょうか。

【林外務大臣】昨日の議院運営委員会におきます閉会中審査におきまして、総理からは「国葬儀」を実施する意義等について、説明をされたと承知をしております。引き続き、政府として丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。

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