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2022年9月29日

9月22, 23日に、インドネシア・バリでG20貿易・投資・産業大臣会合が開催され、太田経済産業副大臣が出席しました。会合では、WTO改革、SDGs達成強化のための多角的貿易システムの役割、持続可能な投資、インダストリー4.0等について議論がなされました。

1.G20貿易大臣会合

(1)概要

  • 9月22日(木)から23日(金)にかけて、インドネシア・バリでG20貿易・投資・産業大臣会合が開催され、日本からは太田経済産業副大臣、髙木外務大臣政務官が出席しました。
  • 会合では、WTO改革、SDGs達成強化のための多角的貿易システムの役割、経済回復のための持続可能な投資の促進等について、G20参加国の閣僚の間で活発な議論がなされました。

(2)発言内容(一部)

太田経済産業副大臣は、各セッションにおいて、以下の旨を発言しました。

SDGs達成強化のための多角的貿易システムの役割

  • WTOを中心とする、自由で公正な多角的貿易体制の維持・強化は、SDGsという我々の共通課題の解決に向け、先進国・途上国の双方にとって不可欠。
  • 特に、輸入に頼る脆弱な途上国にとって重要であり、G20が率先して確実に実行に移す必要がある。パンデミックやロシアのウクライナ侵略によりサプライチェーンが混乱する中、オープンな市場を維持することが、G20に期待される。
  • 環境持続可能性については、漁業補助金協定に係る各国の迅速な批准手続、および残存論点の議論に取り組みたい。また、炭素排出削減に資する製品・技術の普及のため、規制面からのアプローチを含め、WTOにおいて有志国での議論を続けたい。

WTO改革

  • WTOの活動はSDGs実現のために不可欠であり、機能不全が指摘されるWTOの改革は喫緊の課題。
  • 加えて、WTOルールによる世界経済のガバナンスが失われないよう、2024年までに完全かつ良好に機能する紛争解決制度を得るため、G20で議論を前進させたい。

経済回復に向けた持続可能な投資促進

  • SDGsの目標である貧困撲滅を含め経済回復を図りつつ、同時に環境の持続可能性を達成させるための方法は決して二律背反ではない。例えばカーボンニュートラル実現のための取組は、新たな成長の原動力としてポジティブにとらえ、政策を進める必要がある。
  • 研究開発等によりイノベーションを創出することが重要。また、トランジションに際しては、各国の事情に応じて多様な道筋が認められるべき。そして、新興国等に対して、ファイナンス支援や人材育成等積極的に関与することも重要。
  • 加えて、脱炭素に必要な技術や製品の自由な流通に向けて、関税撤廃だけでなく、流通を妨げる規制の改廃等の環境整備も必要。
  • 経済成長と持続可能性を両立するための政策を、G20で協力して実行していきたい。

インダストリー4.0を通じた持続的、包括的な産業化

  • デジタル技術を活用した産業の高度化と人材育成は社会全体が包摂的に発展するために必須。
  • 海外との連携としては、世界経済フォーラム、アジア・パシフィック・イニシアティブと共同で「第四次産業革命日本センター」の創設や、日ASEANによる「アジア未来投資イニシアティブ(ASIA-Japan Investing for the Future Initiative)」の立ち上げ等を実施。
  • このような活動を行う上で、公平な条件での競争と規律の確保が重要。有害な政府支援、技術移転要求を懸念。

(デジタル貿易、持続可能なGVCs)

  • デジタル貿易は、途上国の人々や企業がグローバル経済に参加する機会を拡大し、デジタルデバイドの解決にも資するもの。特に、バリューチェーンの強靭化のためには、デジタル貿易促進のためのデータの取り扱いや貿易円滑化に関するしっかりとしたルールが欠かせない。
  • その発展に必要な基本的な考え方が、データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト(DFFT)であり、プライバシーやセキュリティ、知的財産等の信頼を確保することでデータの流通を促そうとする概念。WTOでの電子商取引交渉は、DFFTを実現する上で重要な交渉であり、早期合意を目指したい。
  • 電子商取引の関税不賦課モラトリアムの恒久化も必要。データ移転等に対する関税の賦課は、費用増加による当該国企業の事業機会損失に繋がりかねない等、バリューチェーンの一部を担う途上国企業にとっても重要。
  • このような活動を通じて、デジタル貿易を通じたサプライチェーンやバリューチェーンの強靱化を各国と連携して構築していきたい。

(3)成果文書等

現時点で未公表。

 
 

2.参加閣僚等との会談

G20貿易投資産業大臣会合の機会を捉えて、太田副大臣は、トルコのトゥズチュ貿易副大臣、アルゼンチンのトデスカ外務副大臣、アラブ首長国連邦のゼイユーディ貿易担当大臣、英国のダドリッジ国際貿易閣外大臣、OECDのクヌッセン事務次長との間で、会談を行いました。

会談では、二国間経済協力関係の強化、来年の日本主催G7貿易大臣会合、2025年の大阪・関西万博等について、意見を交わしました。

トルコのトゥズチュ貿易副大臣との会談

アルゼンチンのトデスカ外務副大臣との会談

アラブ首長国連邦のゼイユーディ貿易担当大臣との会談

英国のダドリッジ国際貿易閣外大臣との会談

OECDのクヌッセン事務次長との会談

担当

通商政策局 通商機構部 参事官 木村
担当者:佐志田、井上

電話:03-3501-1511(内線 3501)
03-3501-5923(直通)
03-3501-5983(FAX)

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