外務省・新着情報

冒頭発言

(1)査証免除措置の適用停止等の解除にかかる閣議了解

【林外務大臣】私(林大臣)から2件ございます。
 先般、岸田総理及び松野官房長官から、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策の緩和について発表されたところでございますが、その一環として、これまで閣議了解に基づいて実施してきた査証免除措置の適用停止及び発給済みの査証の効力停止を解除することにつきまして、先ほどの閣議で了解を得ました。
 これらの解除は10月11日から実施いたします。今回の緩和により、国際的な交流が一層活発化することを期待いたしております。

(2)改正旅券法施行令の閣議決定

【林外務大臣】2点目ですが、本日の閣議で、本年4月に公布されました改正旅券法の施行令等が決定されました。旅券に関する国際的な動向や情報技術の進展を踏まえつつ、申請者の利便性の向上、旅券事務の効率化などを図るため、旅券の発給申請手続等が一部オンライン化されます。施行は来年3月27日からとなります。
 外務省としては、国民の皆様の利便性向上や事務の効率化等に向けまして、今後とも領事業務のオンライン化を着実に進めてまいります。
 詳細につきましては、事務方にご照会いただければと思います。
 私(林大臣)からは以上です。

ロシアによる在ウラジオストク総領事館員に対するペルソナ・ノン・グラータの通告

【NHK 岩澤記者】ロシア、ウラジオストクの総領事館員について伺います。ロシアで国外追放処分を受けた領事館員について、その後、日本に帰国したかなど、現在どのような状況かお答えをお願いします。
 また、ロシア側に「相応の措置を講じる必要があると考えていると伝えた」とのことでしたが、現在その措置は、どのような検討状況でしょうか。よろしくお願いします。

【林外務大臣】本件につきましては、一昨日、申し上げましたとおり、在ウラジオストク総領事館の館員が、ロシア側が主張するような違法な活動を行ったという事実は全くなく、威圧的な取調べなどのロシア側の行為は、領事関係に関するウィーン条約及び日ソ領事条約の明白かつ重大な違反であり、極めて遺憾であり、決して受入れられないと考えております。
 それに加えて当該館員に対し、ペルソナ・ノン・グラータを通告したことは信じがたい行為であり、ロシア側に強く抗議をしたところでございます。ロシア側が日本の抗議と申入れを真剣に受け止めることを、引き続き強く求めております。
 その上で、「相応の措置」については、現在検討中であり、現時点で明らかにすることはできないということであります。
 なお、当該館員ですが、28日にロシアを出国したところですが、まだ帰国はしておりません。事柄の性質上、これ以上の詳細は差し控えたいと思います。

ウクライナにおけるロシア編入に向けた「住民投票」と称する行為

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 引き続きロシアについて伺います。ウクライナの一部では、自ら独立を主張する地域において住民投票が行われており、ロシアへの編入を望んでいますが、この住民投票に対する日本の立場を伺います。日本はどう対応する予定でしょうか。これを承認するのか、もしくは別の対応を取るのでしょうか。

【林外務大臣】ウクライナ国内で実施されましたロシア編入に向けた住民投票と称する行為及び「編入」に向けた動きは、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、認められてはならず、強く非難いたします。
 我が国は、力による一方的な現状変更の試みを決して看過できず、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携しつつ、強力な対露制裁及びウクライナ支援の二つの柱にしっかりと取り組んでまいります。
 我が国は、26日に、化学兵器等関連物品の輸出禁止措置等を実施したところですが、更なる対露制裁については、今般の動きも踏まえつつ、G7を始めとする国際社会と連携して、適切に対応してまいりたいと思っております。

日露関係(サハリン州協力事業)

【北海道新聞 玉邑記者】ロシアとの安全操業協定に基づく北方四島周辺でのホッケ漁が始まりました。日本政府は、ロシア側が協定履行の条件として求めていた、サハリン州との援助金の支払をしました。日本は対露制裁を続けていて、ロシアは制裁の対象国ですけれども、この支払を判断した理由を教えてください。

【林外務大臣】本件につきましては、漁業者の意向も踏まえつつ、関係する様々な事柄につきまして、関係者間で調整を続けてまいりました。その結果、本日からの操業開始に至ったものでございます。
 サハリン州協力事業は、同州の経済社会改革への支援を通じて、対日理解の促進等を図ることを目的として行われているものでございます。したがって、その事業の実施、これは操業の対価ではありませんが、ロシア側は、その不可分な要素と考えており、事業の実施は、間接的には操業実施に資するという面があるということでございます。
 今回、本件事業の支払を行ったのは、先ほど申し上げた対日理解促進といった協力事業の意義や、地元漁業者からの枠組協定に基づく操業への強い要望等を総合的に検討した結果でございます。

故安倍晋三元総理大臣の国葬儀(駐日ミャンマー大使の参列)

【朝日新聞 野平記者】ミャンマーについてお伺いします。先日の安倍元総理の国葬に、クーデターで国軍が実権を掌握しているミャンマーの駐日大使が参列しました。ミャンマーの外務省がSNSでその様子を配信したことで、人権団体などからミャンマーの軍事政権にお墨付きを与えるんじゃないかというような批判が上がっております。今回ミャンマーを招待したことというのが適切だったかどうかについて、大臣のお考えをお聞かせください。

【林外務大臣】本件について様々なご意見があることは承知しております。今般の国葬儀に際しては、行事の性質に鑑み、我が国が外交関係を有する国には全て通報を行うことといたしました。
 ミャンマー国軍によるクーデターの正当性を認めないという我が国の立場、これは今回の駐日ミャンマー大使の参列によって何ら変わるものではございません。日本政府は、クーデター発生以降、ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む被拘束者の解放、民主的な政体の早期回復について具体的な行動をとるよう一貫して求めてきており、引き続き強く求めていく考えでございます。

日中国交正常化50周年

【読売新聞 阿部記者】日中関係についてお尋ねします。昨日、日中国交正常化50周年という節目となりました。昨日、記念行事にも出席されて挨拶されたと思いますけれども、改めて質問になりますけれども、今後、中国とどのように向き合っていくお考えかということ、首脳会談、もしくは自身の外相会談についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。

【林外務大臣】昨日、日中国交正常化50周年を迎えまして、この節目に、岸田総理と習近平(しゅう・きんぺい)国家主席、李克強(り・こくきょう)国務院総理との間でメッセージの交換を行いました。また私(林大臣)も王毅(おう・き)国務委員兼外交部長とメッセージを交換するとともに、政府代表として記念レセプションに参加いたしました。その際にも述べましたが、現在、日中関係は様々な可能性とともに、数多くの課題や懸念、こうしたものに直面しております。主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案も含め対話をしっかりと重ねて共通の諸課題については協力するという「建設的かつ安定的な日中関係」、これを双方の努力で構築していく必要があるというのが、我が国の一貫した立場でございます。
 このような時こそ、しっかりと意思疎通をすることが重要であり、我が国は中国側との対応については常にオープンであるということでございます。
 日中首脳会談、また私(林大臣)と王毅国務委員との会談について、現時点で決まっていることはありませんけれども、様々なレベルで対話をしっかりと重ねていきたいと考えております。

ロシアによる在ウラジオストク総領事館員に対するペルソナ・ノン・グラータの通告

【毎日新聞 今野記者】話が戻って恐縮なんですが、ウラジオストクの領事の拘束について伺います。自民党内ではロシア側の意図について、タイミングが安倍総理の国葬の時期と近かったこともあり、いろいろな意図とかタイミングについて、分析する見方が出ていますけれども、大臣は、このタイミングとか意図について、どのようにお考えでしょうか。

【林外務大臣】本件についての私(林大臣)の考え方は、先ほど申し上げたとおりでございます。与党、また、与党を含めていろいろなところで、いろいろな議論があるということは承知をしておりますけれども、私(林大臣)自身の考え方は、先ほど申し上げたところに尽きるということでございます。

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