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令和4年10月26日

 10月24日から25日まで、山田賢司外務副大臣はセネガル共和国を訪問し、「第8回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム」に出席するとともに、この機会に各国要人への表敬、懇談等を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 第8回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラムへの出席

  • (1)10月24日、山田副大臣は、今年で第8回目となるアフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラムに出席し、マッキー・サル・セネガル共和国大統領、ジョアン・マヌエル・ゴンサルヴェス・ロウレンソ・アンゴラ共和国大統領、ジョセ・マリア・ネーヴェシュ・カーボベルデ共和国大統領、ソアレシュ・サンブ・ギニアビサウ共和国副首相、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア外務大臣、クリズラ・ザカロプル・フランス欧州・外務相付開発・仏語圏・国際連携担当長官とともに開会式に参加してスピーチを行い、続くハイレベルパネルにおいて質疑応答に参加しました。
  • (2)山田副大臣は、これらの発信機会を通じ、日本が、本年8月にチュニジア共和国で開催された第8回アフリカ開発会議(TICAD8)において、アフリカの「平和と安定」の実現に向け、民主主義の定着及び法の支配の推進、紛争予防及び平和構築、そしてコミュニティの基盤強化のための取組を一層促進していく旨表明したことに言及するとともに、今次フォーラムのテーマである「外生的ショック」に対応するため国際社会が一致団結する必要があると呼びかけました。
    また、TICAD8で表明した新型コロナ、気候変動等に関する日本の取組を紹介するとともに、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の一環として、連結性強化やアフリカの域内統合に向けた取組を後押しすること等を述べました。
    そして、来年1月から2年間、安保理非常任理事国として、アフリカの平和と安全に係る諸課題への対応において、より大きな役割を果たすとの考えを示すとともに、国連の機能強化は急務であり、安保理改革の実現に向けた行動をアフリカと共に開始する旨表明しました。
第8回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラムの開会式

2 セネガル要人への表敬・会談

(1)サル・セネガル大統領

 10月24日、山田副大臣は、マッキー・サル・セネガル共和国大統領(H.E.Mr. Macky SALL, President of the Republic of Senegal)を表敬しました。
 山田副大臣から、本年8月のTICAD8における共同議長としてのサル大統領の貢献に対する感謝の意を伝達するとともに、セネガルのイニシアティブにより開始されたダカール国際フォーラムが今回で第8回目を迎えること、セネガルが安保理改革を積極的に推進していること等、国際場裏におけるサル大統領の取組に敬意を表しました。これに対し、サル大統領から、ダカール国際フォーラムに対する日本の長年の協力を高く評価する旨述べるとともに、日本が実施している開発協力に対する感謝の意を示し、また、セネガルに対する日本企業の関心が高まっていることを歓迎する旨表明しました。両者は、開発協力のみならずビジネス分野においても両国間の協力を強化するとともに、国際場裏における諸課題に関して引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

マッキー・サル・セネガル共和国大統領

 

(2)タル・セネガル外務・在外自国民大臣

 10月24日、山田副大臣は、アイサタ・タル・サル・セネガル共和国外務・在外自国民大臣(H.E. Mrs. Aïssata TALL SALL, Minister for Foreign Affairs and Senegalese Abroad of the Republic of Senegal)と会談を行いました。
 山田副大臣から、本年8月のTICAD8における共同議長国としての貢献への感謝を伝達しました。また、ビジネス分野においても両国間の協力が活発化する中、日本企業の投資を引き続き後押しし、進出を一層促すため、セネガルにおけるビジネス環境の更なる改善が重要であることを強調しました。これに対し、タル大臣から、TICADはアフリカとの間で初めて立ち上げられた国際的な連携の場であるとした上で、TICAD8がチュニス宣言等の成果を挙げた旨述べるとともに、ダカール国際フォーラムに対する日本からの参加と支援に謝意を表しました。両者は、二国間関係の強化に加え、国際場裏において団結して取り組むべき諸課題について、平和と安全というダカール国際フォーラムのテーマも踏まえつつ議論を行い、アフリカの開発課題解決及び国際秩序の維持・強化のために引き続き連携していくことで一致しました。

アイサタ・タル・サル・セネガル共和国外務・在外自国民大臣

 

(3)カバ・セネガル国防大臣

 10月25日、山田副大臣は、シディキ・カバ・セネガル共和国国防大臣(H.E. Mr. Sidiki KABA, Minister of Armed Forces of the Republic of Senegal)と会談を行いました。
 山田副大臣から、ダカール国際フォーラムの開催に示されるような平和と安定に向けたセネガルの取組を高く評価するとともに、TICAD8において表明した民主主義の定着と法の支配の推進等の取組について説明しました。これに対し、カバ大臣から、ダカール国際フォーラムに対する多大な貢献を始めとする日本の協力に謝意を表しました。両者は、サヘル情勢、海洋安全保障、ウクライナ情勢、北朝鮮への対応等につき意見交換を行い、国際場裏における諸課題に関して引き続き緊密に協力していくことで一致しました。

カバ・セネガル国防大臣

3 ダカール国際フォーラムに参加した第三国要人への表敬・会談

(1)ソアレシュ・カーボベルデ外務・協力・地域統合大臣

 10月24日、山田副大臣は、ルイ・アルベルト・ドゥ・フィギュレイド・ソアレシュ・カーボベルデ共和国外務・協力・地域統合大臣(H.E.Dr. Rui Alberto de Figueiredo SOARES, Minister for Foreign Affairs, Cooperation and Regional Integration of the Republic of Cabo Verde)と会談を行いました。
 山田副大臣から、日本はカーボベルデを始めアフリカとの協力関係において「人づくり」を重視してきている旨述べるとともに、水産業振興や再生可能エネルギー導入等を通じて、カーボベルデの開発努力を後押しし、二国間関係を深化させたい旨述べました。これに対し、ソアレシュ大臣から、両国間の協力の長い歴史に触れつつ、漁業、食糧安全保障等様々な分野における日本の協力に対する感謝の意を表明しました。両者は、海洋安全保障を始めとする国際場裏における諸課題に関して引き続き緊密に協力していくことで一致しました。

カーボベルデ外相と山田副大臣

 

(2)ジョップ・マリ暫定政府外務・国際協力大臣

 10月24日、山田副大臣は、アブドゥライ・ジョップ・マリ共和国暫定政府外務・国際協力大臣(H.E.Mr. Abdoulaye DIOP, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation of the Transition Government of the Republic of Mali)と会談を行いました。
 山田副大臣から、マリの平和と安定はサヘル地域全体の平和と安定の礎であり、マリにおける早期の民政移管の実現を期待しており、民政移管のタイムラインの遵守及び公正なかつ透明性ある形での選挙の実施が必要であると述べるとともに、日本としてもマリの民政移管に関する支援を行っていく旨述べました。また、マリが直面している経済社会開発上の課題の解決に向けて引き続き協力を行っていく旨述べました。これに対し、ジョップ暫定大臣から、日本からの長年の支援に対する感謝の意を表明するとともに、マリは日本を始めとする国際社会のパートナーの協力を得ながら民政移管に向けて引き続き取り組んでいく旨述べました。両者は、地域の平和と安定を始めとする国際場裏における諸課題に関して引き続き緊密に協力していくことで一致しました。

山田副大臣とアブドゥライ・ジョップ・マリ共和国暫定政府外務・国際協力大臣

 

(3)サンブ・ギニアビサウ副首相

 10月24日、山田副大臣は、ソアレシュ・サンブ・ギニアビサウ共和国副首相(H.E. Mr. Soares SAMBU, Deputy Prime Minister of the Republic of Guinea-Bissau)を表敬しました。
 山田副大臣から、ギニアビサウの安定は、西アフリカ地域の安定に貢献するものであり、公正にかつ透明性ある形で国民議会選挙が予定どおり実施されることを期待する旨述べました。また、食料安全保障強化やガバナンス強化に関する支援等を通じ、二国間関係を深化させたい旨述べました。これに対し、サンブ副首相から、TICADを通じた日本の取組に対する敬意を表するとともに、長年にわたる様々な分野での日本の協力に対する感謝の意を表明しました。両者は、地域の平和と安定を始めとする国際場裏における諸課題に関して引き続き緊密に協力していくことで一致しました。

山田副大臣とソアレシュ・サンブ・ギニアビサウ共和国副首相

4 経済・開発協力案件の視察等

  • (1)10月25日、山田副大臣は、ダカール港を訪問し、無償資金協力「ダカール港第三埠頭改修計画」の完工式に参加し、スピーチを行いました。完工式には、セネガル政府からンバイ漁業・水産経済大臣も参加し、山田副大臣と懇談しました。
    • 「ダカール港第三埠頭改修計画」の完工式
    • 「ダカール港第三埠頭改修計画」の完工式2
    • 「ダカール港第三埠頭改修計画」の完工式3
  • (2)10月25日、山田副大臣は、セネガルで活動するJICA専門家及び青年海外協力隊員と懇談し、セネガルにおける開発課題や、農業、水産、保健、教育等の分野における日本の協力等について意見交換を行いました。また、同日、山田副大臣は、35年以上にわたりセネガル及び周辺国の人材育成に貢献してきたセネガル日本職業訓練センター(CFPT)を訪問し、同センターが果たしている役割や実績等について関係者から説明を受けました。
    • セネガルで活動するJICA専門家及び青年海外協力隊員と懇談
    • セネガル日本職業訓練センター(CFPT)を訪問
  • (3)10月25日、山田副大臣は、セネガルに進出する日系企業関係者と懇談し、セネガルのビジネス環境の現状について聴取するとともに、経済交流を一層促進するための課題や日本政府の役割等について意見交換を行いました。
(参考) 


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