外務省・新着情報

冒頭発言

キルギスに対する緊急無償資金協力

【林外務大臣】本日ですが、キルギスに対する支援として、合計100万ドルの緊急無償資金協力を行うことを決定いたしました。
 今回の支援は、本年9月に、キルギス・タジキスタンの国境付近にて軍事衝突が発生し、キルギス国内では国内避難民が発生するなど、人道ニーズが高まっていることを受けまして、WFP及びUNHCRを通じて、食料、生活必需品などの緊急人道支援を行うものでございます。
 今回の支援が、長きにわたる友好関係を有するキルギスの国民が直面する困難を克服する一助となることを願っております。
 私(林大臣)からは以上です。

米空軍によるF15戦闘機の嘉手納基地常駐見直し報道

【産経新聞 岡田記者】在日米軍の運用についてお聞きします。米国の空軍が、沖縄県の嘉手納基地で今、F15戦闘機を常駐させていると思いますが、これを見直して、F22ステルス戦闘機の巡回配備に切り替えるということを、来年に検討しているという報道が出ています。台湾有事、それから尖閣諸島を巡る事態を念頭に、専門家からも中国に対する抑止力が低下するのではないかと、そういった懸念も出ています。こうした計画への受け止めと、それから安全保障上の影響について、大臣のお考えをお願いします。

【林外務大臣】報道につきましては承知しております。
 一層厳しさを増す安全保障環境に適切に対応するために、在日米軍が必要な能力を確保していくということは重要だと認識しておりまして、日米間では平素から様々な議論を行っております。
 他方で、米側との関係もありまして、日米間の具体的な議論の詳細についてお答えすることは差し控えたいと思います。
 いずれにしても、いかなる事態においても、我が国の平和と安全を確保するために、引き続き、日米間で緊密に連携して取り組んでまいりたいと思っております。

北朝鮮によるミサイル発射

【時事通信 田中記者】韓国軍の合同参謀本部の情報として、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを先ほど発射したという発表がありましたが、これについて日本政府で把握している事実関係と、対応について教えてください。

【林外務大臣】この報道は承知しておりますが、詳細については、防衛省の方に照会していただきたいと考えております。

ロシアによる核兵器の使用の可能性

【NHK 岩澤記者】ロシアの核兵器の使用について伺います。ロシアのプーチン大統領は、昨日行った演説で、核兵器を使用する可能性について積極的に発言したことはないと述べました。これまでロシアは、核兵器の使用を示唆してきましたが、ウクライナ情勢が緊迫化する中、ロシアによる核兵器の使用の可能性について、大臣のお考えを伺います。また、こうした核兵器の使用を巡り、今後国際社会に対して、日本としてどのような場面で何を訴えていくかも、併せてお願いします。

【林外務大臣】このヴァルダイ会議におけるプーチン大統領の発言は、承知しております。
 ロシアによるウクライナ侵略が継続している中で、ロシア側からはこれまでも様々な核をめぐる発信がなされておりまして、我が国として、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念するとともに、ロシアの核兵器による威嚇、ましてや、使用もあってはならないと思っております。
 我が国としては、また、ウクライナが「汚い爆弾」を使用する準備を行っているとのロシアによる虚偽の主張も認められないと考えております。ゼレンスキー大統領も一貫して否定していると承知しております。いかなる口実を用いたとしても、ロシアによる更なるエスカレーションは決して許されるものではないと考えております。
 日本は、唯一の戦争被爆国として、こうしたことを、国連やG7といった国際場裡や、先般の日豪首脳会談、また、日・リトアニア首脳会談を始めとする二国間会談の場で訴えてきておりまして、引き続き、取り組んでまいりたいと思っております。

米国の「核態勢の見直し(NPR)」

【中国新聞 樋口記者】バイデン政権の核戦略とNPRの見直しについて伺います。昨日発表されたのですけれども、唯一の目的とかですね、先制不使用とか、こういったことについては盛り込まれておりませんで、被爆地からは、憤りの声が上がっております。このことに対しての政府の見解を、まず、お願いします。

【林外務大臣】この今回のNPRですが、米国の抑止力の実効性の確保と、我が国を含む同盟国に対する、核抑止を含めた、力強く信頼性のある拡大抑止のコミットメントを改めて明確にしておりまして、米国のこのような方針を示した今回のNPRを強く支持をいたします。
 また、NPRにおいては、米国が、核兵器の役割低減という目標に改めて言及しつつ、軍備管理、核不拡散、及び核リスク低減に重点を置いた包括的でバランスのとれたアプローチを追求する旨言及をしておりまして、「核兵器のない世界」に向けた、現実的かつ実践的な取組を進める我が国としては、効果的な抑止の体制を確保しつつ、核軍縮・不拡散を推進する米国の姿勢を高く評価をしており、本日、その旨の外務大臣談話を発出したところでございます。
 その上で、いわゆる核の「唯一の目的」、政策には、一般的に申し上げて様々な定義ぶりがあると承知しておりますが、いずれにいたしましても、米国は今次NPRにおいて、核の「先行不使用」や「唯一の目的」も含めて徹底的に検討した結果として、これらの宣言は、競合国が開発・配備する非核戦力の幅広さに照らして、米国や同盟国に受入れがたいレベルのリスクをもたらすと結論づけたため、そうした宣言を行っていないものと理解をしております。

【中国新聞 樋口記者】すみません、関連で伺います。そうした「先制不使用」とか「唯一の目的」の採用に対して、同盟国として日本が反対したんじゃないか、というふうな見方もありますけれども、この点に関してはどうでしょうか。

【林外務大臣】日米両国間は、日頃から、核抑止政策も含めて、日米安保・防衛協力や軍縮・不拡散政策に関連する様々な事項について、緊密かつ幅広く意見交換を行っておりますが、こうしたやりとりの詳細については、まさに我が国の安全保障にも関わるという事柄の性質もありまして、また米側との関係もありますので、お答えを差し控えたいと思います。

ウクライナへの越冬支援

【朝日新聞 野平記者】総合経済対策が、きょう閣議決定されます。大臣、ウクライナの越冬支援等について取り組む考えを、これまで述べてこられたと思いますけれども、具体的に、どういった対応をしていく考えか教えてください。

【林外務大臣】日本はこれまで、ウクライナ及びその周辺国等影響を受けた関係国に対しまして、約11億ドルの人道、財政、食料関連の支援、これを表明してきておりまして、その中で、越冬支援も実施をしております。
 今後の支援については、総合経済対策に基づいて、現地のニーズも踏まえつつ、更なる越冬支援を含む人道支援や、ウクライナの人々の生活再建に必要な復旧・復興支援を検討をしてまいります。
 日本は、来年のG7議長国という立場からも、自由を守り抜こうとするウクライナを、引き続き、支援をしていく考えでございます。これまでの知見や経験をいかして、国際社会と連携しつつ、ウクライナの人々に寄り添った支援においても、積極的に役割を果たしてまいりたいと考えております。

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