外務省・新着情報

令和4年11月1日
正面を向き、笑顔で握手を交わす、岸田総理大臣とシュタインマイヤー大統領の様子 日独首脳会談(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、会談を行う、岸田総理大臣とシュタインマイヤー大統領の様子 日独首脳会談(写真提供:内閣広報室)
演台に立ち、共同記者会見を行う、岸田総理大臣とシュタインマイヤー大統領の様子 共同記者会見(写真提供:内閣広報室)

 11月1日、午後6時09分から、岸田文雄内閣総理大臣は、一対一の会談を含め約60分間、我が国を公式訪問中のフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー・ドイツ連邦共和国大統領(H.E. Dr. Frank-Walter Steinmeier, President of the Federal Republic of Germany)と会談を行うとともに、午後19時55分から約60分間、ワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

 岸田総理大臣から、本年4月のオラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相(H.E. Mr. Olaf SCHOLZ, Chancellor of the Federal Republic of Germany)、7月のアナレーナ・ベアボック・ドイツ連邦共和国外務大臣(H.E. Ms. Annalena BAERBOCK, Federal Minister for Foreign Affairs, Federal Republic of Germany)の訪日に続く、今回のシュタインマイヤー大統領の訪日を心から歓迎する旨述べ、同大統領との間で、国際社会が大きな課題に直面する中、基本的価値を共有する日独の役割は重要であり、特に、本年と来年のG7議長国である日独の緊密な連携は不可欠であるという点で一致しました。また、双方は、それぞれが外相であった時期から積み上げてきた相互の協力関係を踏まえ、引き続き、総理大臣と大統領という立場で日独関係の強化に向けて連携していくことを確認しました。

2 二国間関係

  • (1)日独政府間協議
     岸田総理大臣から、4月にショルツ首相との間で立ち上げに合意した日独政府間が日独関係を更に高いレベルに導く枠組みとなることを期待する旨述べました。
  • (2)安全保障協力と「自由で開かれたインド太平洋」
     岸田総理大臣から、本年9月末のユーロファイターを含むドイツ軍用機の日本への派遣をはじめ、ドイツがインド太平洋への関与を強めていることを高く評価した上で、3日に予定される日独「2+2」の開催等を通じ、力による一方的な現状変更の試みは、世界のいかなる場所においても認められず、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日独間で緊密に連携していきたい旨述べ、双方で認識を共有しました。
  • (3)経済安全保障
     双方は、ドイツ議長国下で経済安全保障に関するG7連携の重要性が確認されたことを踏まえ、協力を強化していくことを確認しました。

3 国際情勢

  • (1)ロシアによるウクライナ侵略に関し、双方は、ロシアによるウクライナ東部地域の違法な「併合」を含め、同国の主権と領土一体性を侵害する行為は決して認められないということを確認しました。
    また、岸田総理大臣から、ロシアがウクライナにおける核兵器の使用を示唆していることは極めて憂慮すべき事態であり、広島と長崎に原爆が投下されてから77年間、核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることがあってはならない点を強調するとともに、ロシアによる威嚇的な発信に対する強い懸念を共有しました。
    また、世界的な食料・エネルギー危機の原因は、ロシアによる侵略であることについて、所謂グローバルサウスに丁寧に説明し、寄り添った支援を行っていくことの重要性について一致しました。
    さらに、直近のシュタインマイヤー大統領のウクライナ訪問についての説明を受け、目前に迫った冬に向けたものを含む対ウクライナ支援と、ロシアに対する制裁を、日独を含むG7をはじめとする国際社会で強力に進めていくことの重要性について一致しました。
  • (2)双方は、東シナ海及び南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みに対する懸念を共有しました。また、極めて高い頻度で行われている弾道ミサイル発射を始めとする北朝鮮の核・ミサイル問題について意見交換し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き、連携していくことを確認しました。
  • (3)双方はさらに、「核兵器のない世界」に向けた核軍縮・不拡散分野での取組、安保理改革を含む国連の機能強化、気候変動など、グローバル課題の解決への対応にあたり、日独間で連携していくことを確認しました。

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