外務省・新着情報

冒頭発言

(1)林大臣の長崎県訪問「地方を世界へ」

【林外務大臣】私(林大臣)から3件ございます。
 まず1件目ですが、明日11月12日、地方の魅力を世界に発信をする「地方を世界へ」プロジェクトとして、駐日外交団と共に長崎県を訪問いたします。本件訪問には、武井俊輔外務副大臣が同行します。
 今回の訪問では、長崎ならではの魅力あふれた観光地、また、地元の特産物生産施設等を外交団と共に視察をし、長崎の魅力を世界に発信していく考えでございます。
 また、若者を含めて長崎を拠点に多様な分野で活躍される方々と、我が国の外交政策、また、地方の魅力の発信等について、車座で対話を行う予定にしております。

(2)国際賢人会議

【林外務大臣】二つ目ですが、この「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議につきまして、12月に開催する方向で、所要の調整を行ってきましたが、今般、第1回会合を12月10日及び11日の日程で、広島で開催することを決定いたしました。
 同会議は、核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて、知恵を出し合い、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について自由闊達に議論を行う場として、岸田総理が立ち上げを表明したものでございます。
 この会議においては、白石隆(しらいし たかし)熊本県立大学理事長に座長を務めていただくことになりました。
 また、諸般の事情が許せば、岸田総理が、12月10日午前の開会セッションに出席すべく、調整を行っているところでございます。
 政府としては、国際賢人会議も活用し、8月のNPT運用検討会議で、岸田総理が発表されました「ヒロシマ・アクション・プラン」に沿って取組を進め、「核兵器のない世界」に向けた、現実的かつ実践的な歩みを進めていく考えでございます。

(3)ソマリアに対する緊急無償資金協力

【林外務大臣】それから3件目でございますが、本日、ソマリアに対する支援として1,400万ドルの緊急無償資金協力を行うことを決定いたしました。
 ソマリアは、干ばつによって深刻な食糧危機に直面しておりまして、緊急の対応が求められております。こうした中で、ウクライナ政府が、ソマリアに対し無償でウクライナ産の小麦を提供することとなりまして、日本が、ソマリアへの輸送や現場への配布、これをWFPを通じて支援するものでございます。
 我が国として、引き続き、関係各国と緊密に連携をしながら、ロシアによるウクライナ侵略の影響による小麦価格等の高騰によって、食糧危機の深刻化が懸念されている国々に対する支援に取り組んでまいります。 私(林大臣)からは以上です。

「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議

【中国新聞 樋口記者】今、ご紹介ありました「核兵器のない世界」に向けた「国際賢人会議」について伺います。今、ロシアのウクライナ侵攻という中で行われる会議ということで、非常に意義が、核威嚇をロシアがしている中で、ということで、意義があると思うんですけれども、この会議で、その期待する成果、これについてお考えをお願いします。

【林外務大臣】まだ今から会合を行われるという、この時点でございますので、議論の見通しや成果について、予断を持ってお答えすることは、差し控えたいと思いますが、「国際賢人会議」においては、核兵器国と、そして、非核兵器国、この双方からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて、知恵を出し合って、また、各国の現職・元職の政治リーダーの関与も得て、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について、自由闊達な議論が行われる、こういうことを期待しております。

葉梨法務大臣の発言

【NHK 岩澤記者】閣僚の更迭について伺います。岸田総理大臣は、葉梨法務大臣を更迭する意向を固めました。大臣と同じ派閥のメンバーでもある閣僚の更迭についての受け止めを伺います。また、政権運営に与える影響について、大臣のお考えを併せてお願いいたします。

【林外務大臣】御指摘の葉梨法務大臣の発言については、御本人が政治家として、説明責任を果たすべき問題だと考えておりまして、葉梨大臣の一連の発言について、自ら見直し、真摯に反省した結果、本日に至り、その発言を撤回したものと承知しております。
 政権に与える影響というのは、外務大臣の立場でコメントすることは差し控えたいと思います。

【朝日新聞 野平記者】関連なんですけれども、その影響で、今日の午後にASEANに向けて総理が出発予定でしたが、延期になっています。このことについての受け止めと、今後、どういったスケジュール、また外交的な影響について、どのように考えているか、教えてください。

【林外務大臣】総理の外国訪問の日程に変更が生じた、ということは事実でございますが、現時点で影響等に関するコメントは差し控えたいと思います。
 総理の出発等々、また明日予定されている会議等に、どういう対応するのかということは、まさに現在調整中であります。

「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議

【中国新聞 樋口記者】すみません。繰り返しの先ほどの「国際賢人会議」の関係で伺います。まさに、その政治リーダーの現職・元職のというところなんですけれども、現在の招致の調整状況を伺いたいのと、あと、オバマ米国大統領、ビデオメッセージを、乗せてもらう方向というふうに聞いておりますけれども、そのあたりのこともお願いします。

【林外務大臣】今、お尋ねのあった方も含めて、関与する政治リーダー、また参加する有識者も含めて、詳細について、現在調整中でございます。

ウクライナ情勢(邦人死亡事案)

【毎日新聞 宮原記者】ウクライナでの邦人死亡事案について伺います。長官会見でも出ましたが、ロシア軍との戦闘に参加していた20代の邦人男性が、9日に死亡したことが、現地時間の10日に、ウクライナ当局から確認されたとのことでしたが、外務省として確認されている情報やご家族への対応、御遺体の帰国、また、今後のウクライナへの渡航に対して、どのように注意喚起していくか、お願いします。

【林外務大臣】在ウクライナ日本国大使館から、ウクライナ当局に対して、確認を行いましたところ、ウクライナにおいて、ロシア軍との戦闘に参加していた20代の邦人男性が、現地時間11月9日に亡くなられたことが、現地時間10日に確認をされました。
 現在、在ウクライナ大使館において、邦人保護の観点から、ご家族との連絡や、御遺体を管理しているウクライナ政府との調整等、必要な支援を行っているところでございます。
 また、今後の対応といたしましては、既にウクライナ全土には退避勧告を出しておりまして、どのような目的であれ、同国への渡航は止めていただきたい、と繰り返し申し上げたいと思います。また、既に滞在されておられる方は、安全を確保した上で、直ちに退避をしていただきたい、このことも申し上げておきたいと思います。

ODA予算

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 ODAについて伺います。以前大臣から言及がありましたが、円の下落の結果、一部の円借款や無償資金協力が減額になるかもしれないことについてお伺いします。日本は、為替市場の変動に合わせて、ODA予算の拡充を行いますでしょうか。

【林外務大臣】ODAの事業費が、円安や物価高の影響を受けている状況を踏まえまして、先日閣議決定された補正予算案においても、影響を受けている実施中のODA案件に対する追加予算、これを計上するなど、対応を行ってきております。
 因みに、今回の補正予算案では、ウクライナ支援や、アジア、中東、アフリカ等の途上国への支援を含めまして、前年度比でドルベースでも、大幅増となるODA予算を計上しております。
 ODAは、言うまでもなく、我が国の外交の重要な政策ツールでありまして、今年の骨太の方針においても「ODAを拡充する」という方針が示されております。円安が進む中でも、ODAを目減りさせることなく、しっかりと拡充をしまして、外交的取組が強化できるよう、引き続き、必要な予算の確保に取り組んでまいりたいと思っております。

ウクライナ情勢(邦人死亡事案)

【NHK 岩澤記者】先ほどのウクライナの「義勇兵」について、関連して伺います。今回、ロシア軍との戦闘に参加していた邦人男性が死亡したとのことですが、この戦闘に参加していた男性が死亡した、ということに対する、その大臣の受け止めをお願いいたします。

【林外務大臣】今般のロシアによる侵略、これは国際秩序の根幹を脅かすものであり、政府としては、ロシアに対して、即時に侵略を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう強く求めてきております。
 そのような中で、ウクライナにおいて邦人が亡くなられたということは、誠に遺憾であると思っております。

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