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令和4年11月29日
首脳会談を前に、握手しながら記念撮影を行う岸田総理大臣とフレルスフ大統領 日・モンゴル首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・モンゴル首脳会談が行われている様子 日・モンゴル首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・モンゴル両首脳による共同記者発表において、岸田総理大臣が発言している様子 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 11月29日、午後7時30分から約25分間、岸田文雄内閣総理大臣は、日本を公式訪問中のオフナー・フレルスフ・モンゴル国大統領(H.E. Mr.Ukhnaa KHURELSUKH, President of Mongolia)と首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 総論

  • (1)冒頭、岸田総理大臣から、日・モンゴル外交関係樹立50周年という節目の年に、フレルスフ大統領をお迎えすることができ嬉しい、半世紀の間に、両国関係は飛躍的に発展し、現在では普遍的価値を共有するパートナーとなっている旨述べました。また、岸田総理大臣から、新たな戦略環境の下、両国が国際社会の課題について協力していくことの必要性につき述べました。
  • (2)フレルスフ大統領からは、今回の公式訪問での日本側の歓迎に対する謝意が改めて示されるとともに、岸田総理との間で今後の日モンゴル関係を拡大・深化させることへの強い期待が示されました。
  • (3)両首脳は、二国間関係の更なる強化及び「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンの下でのグローバルな課題解決に向けた協力・協働の強化のため、両国関係を「戦略的パートナーシップ」から「平和と繁栄のための特別な戦略的パートナーシップ」に格上げすることで一致しました。

2 二国間関係

  • (1)両首脳は、安全保障分野の関係強化の一環として防衛装備・技術協力推進の検討開始で一致しました。また、岸田総理大臣から、経済分野について、蓄電システム供与を含め、モンゴルのエネルギー事情改善のための協力を継続する旨述べ、その上で、民間ベースの経済関係強化のため投資環境整備を要請しました。国民交流についても、様々な50周年交流事業が行われたことを評価しつつ、引き続き促進していくことで一致しました。
  • (2)フレルスフ大統領からは、これまでの日本からモンゴルに対する支援への謝意が改めて示されるとともに、「第三の隣国」である日本との政治、安全保障、経済関係、人的交流を含め様々な関係強化への期待が示されました。また、環境問題に関してモンゴルにおける「10億本の植樹」運動について紹介があり、岸田総理大臣からしっかりと支援していく旨述べ、フレルスフ大統領から謝意が示されました。

3 国際的課題

  • (1)岸田総理大臣から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことの重要性及び安保理改革を含む国連の機能強化の必要性を強調しつつ、モンゴルとの連携・協力に対する期待を述べ、フレルスフ大統領から賛意が示されました。また、両首脳は、力による一方的現状変更は、世界のどこであっても決して許容してはならないことを改めて確認しました。
  • (2)両首脳は、ウクライナ情勢をはじめとする地域情勢についても議論を行いました。そして、核による威嚇は断じて受け入れられず、ましてやその使用もあってはならないという点で一致しました。
  • (3)両首脳は、北朝鮮による前例のない頻度と態様で繰り返される弾道ミサイル発射といった挑発行為に対する強い懸念を共有するとともに、フレルスフ大統領から拉致問題の即時解決の重要性について改めて力強い支持が示されました。
  • (4)フレルスフ大統領からは、岸田総理大臣が本年8月のNPT運用検討会議で発表した「ヒロシマ・アクション・プラン」について力強い支持が述べられました。
会談終了後、共同声明に署名する岸田総理大臣とフレルスフ大統領 署名式(写真提供:内閣広報室)
共同署名した共同声明を抱え、握手する岸田総理大臣とフレルスフ大統領 署名式(写真提供:内閣広報室)

 会談終了後、両首脳は、「日本国とモンゴル国との間の平和と繁栄のための特別な戦略的パートナーシップ設立に関する共同声明」に署名したほか、林芳正外務大臣とボルド・ジャブフラン・モンゴル国大蔵大臣(H.E. Mr. Bold JAVKHLAN, Minister of Finance of Mongolia)との間で、無償資金協力「電力供給改善計画」の交換公文の交換が行われました。

[参考1]別添

[参考2]首脳会談同席者
 モンゴル側:バトムンフ・バトツェツェグ外務大臣、ヤンゴグ・ソドバータル大統領府長官、チメド・フレルバータル経済・開発大臣、ボルド・ジャブフラン大蔵大臣、ニャムオソル・オチラル・デジタル開発・通信大臣他。
 日本側:林外務大臣、磯崎官房副長官、秋葉国家安全保障局長他。

 



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