外務省・新着情報

令和4年12月3日

 12月3日、武井俊輔外務副大臣はイタリア・ローマを訪問し、イタリア外務・国際協力省及びイタリア国際政治研究所(ISPI)が共催する「第8回地中海対話」に出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 地中海対話での議論

地中海対話でのスピーチ

 武井副大臣は、地中海地域における経済協力をテーマとしたセッションにパネリストとして登壇しました。武井副大臣からは、ロシアによるウクライナ侵略等によって現在の国際情勢が極めて流動的である今こそ、国連憲章を始めとする国際ルールの重要性を再認識すべきである旨指摘した上で、日本と地中海地域との経済協力に関し、人づくり、基礎インフラ整備、そして支援国や民間との連携強化を通じた日本の取組について、具体例も交えながら紹介しました。また、日本の経済構造を踏まえたサプライチェーン強化に係る政策を説明した上で、サプライチェーン上のリスクに対処する際に、開放性、包摂性及び競争の原則に則った、国際貿易ルールの強化が不可欠である旨強調しました。

2 地中海対話に出席した各国政府要人との会談

 3日、武井副大臣は地中海対話に出席した以下の各国政府要人と会談を行いました。

(1)マーリキー・パレスチナ外務移民庁長官との会談

武井副大臣とマーリキー長官

 武井副大臣はリヤード・マーリキー・パレスチナ外務・移民庁長官(H.E. Dr. Riad Malki, Minister of Foreign Affairs and Expatriates of Palestine)と会談しました。武井副大臣からは、日本は「二国家解決」を支持しており、引き続き対パレスチナ支援などを通じて、中東和平の進展に尽力していきたい旨述べました。マーリキー長官からは、中東和平問題をめぐる現下の情勢につき説明があり、日本のこれまでの協力や貢献に対する謝意が表明された上で、今後日本が引き続きパレスチナ支援を行うことへの期待が示されました。

(2)ブーハビブ・レバノン外務移民大臣との会談

武井副大臣とブーハビブ大臣

 武井副大臣はアブダッラー・ブーハビブ・レバノン外務移民大臣(H.E. Mr. Abdullah Bouhabib, Minister of Foreign Affairs and Emigrants of Lebanon)と会談しました。武井副大臣からは、レバノンの平和と安定は中東地域全体にとって極めて重要であり、日本は引き続きレバノンの人々に資する必要な支援を行っていく考えである旨述べた上で、レバノンの安定に向けた早急な大統領選出に対する強い期待を表明しました。ブーハビブ大臣からは、日本のこれまでのレバノンに対する支援への謝意が表明された上で、日本が、レバノン国内におけるシリア難民対応に関し引き続き支援を行うことへの期待が示されました。

(3)ビン・ムバーラク・イエメン外務・移民担当大臣との会談

武井副大臣とビン・ムバーラク外相

 武井副大臣はアフマド・アワド・ビン・ムバーラク・イエメン外務・移民担当大臣(H.E. Dr. Ahmed Awad Bin Mubarak, Minister of Foreign Affairs and Expatriates of the Republic of Yemen)との間で会談を行いました。武井副大臣からは、本年10月に失効した停戦合意の延長に向けたイエメン正統政府の努力を評価するとともに、日本は、イエメン正統政府と引き続き連携しながら、イエメンにおける恒久的和平の実現に向けた取組を継続していく旨述べました。これに対し、ビン・ムバーラク外相から、人道支援を含む、イエメンの平和と安定に向けた日本の貢献に謝意が表明されるとともに、引き続き日本と連携していきたい旨述べました。

(4)ザキ・アラブ連盟事務総長室長による表敬

ザキ・アラブ連盟事務総長室長による表敬

 武井副大臣はザキ・アラブ連盟事務総長室長(H.E. Mr. Hossam Zaki, Assistant Secretary General of the League of Arab States )の表敬を受けました。武井副大臣からは、近年、日アラブ関係は一層深化しており、引き続き長年の友好関係をより強化していきたい旨述べました。これに対し、ザキ事務総長室長からは、第3回日アラブ政治対話の開催に向けて、引き続き日本と連携していきたい旨述べました。

【参考】地中海対話

イタリア外務省及びイタリア国際政治研究所(ISPI)の主催する国際会議。2015年から毎年開催されている。


発信元サイトへ