外務省・新着情報

令和4年12月12日
閉会セッションに臨む、岸田総理、白石隆座長、およびオンライン による出席メンバーの様子 「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議(写真提供:内閣広報室)
閉会セッションで挨拶を行う、岸田総理の様子 挨拶する岸田総理(写真提供:内閣広報室)
国際賢人会議第1回会合の様子(会議室内の様子) 挨拶する岸田総理(写真提供:内閣広報室)

 12月10日及び11日、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第1回会合が広島において開催されました。会合には、白石隆座長(熊本県立大学理事長)を含む日本人委員3名の他、核兵器国、非核兵器国等からの外国人委員10名の合計13名の委員が対面参加し、率直かつ忌憚のない議論が行われました。

  1. 10日午前の開会セッションでは、武井俊輔外務副大臣が歓迎の辞を述べつつ岸田文雄内閣総理大臣の挨拶を代読しました。その後、政治リーダーとして(1)オバマ元米国大統領、(2)シュタインマイヤー独大統領、(3)アルバニージー豪首相、(4)グテーレス国連事務総長、(5)モゲリーニ欧州大学院大学学長(前欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長)、(6)エルバラダイ元国際原子力機関(IAEA)事務局長という6名からの、また、今次会合への対面参加が叶わなかった委員であるマルティ元インドネシア共和国外務大臣からのビデオメッセージがそれぞれ紹介されました。この間、対面参加した各委員からの挨拶や、開催地の有識者として出席した小泉崇・広島平和文化センター理事長の挨拶が行われました。また、岸信夫・内閣総理大臣補佐官から参加者への感謝の意が表されました。
  2. 10日及び11日の2日間にわたり、委員は4つのセッションを通じ、核軍縮を取り巻く現下の国際情勢や安全保障環境についての分析を行うとともに、核軍縮を進める上での課題、核軍縮分野で優先的に取り組むべき事項や国際賢人会議の今後の議論の進め方等について闊達な議論を行いました。
  3. 11日午後、岸田内閣総理大臣は議論の内容について委員からの説明を受けた上で閉会セッションに臨みました。同セッションにおいて、岸田総理は、核軍縮をめぐる状況が一層厳しさを増す中、広島出身の総理大臣として核軍縮に向けた国際的な機運を高めるべく現実的かつ実践的な取組を進めてきた旨述べるとともに、国際賢人会議において、厳しい「現実」を「理想」に近づけていくための具体的な方策について更に議論を深め、次回NPT運用検討会議も見据え有益な成果を達成いただくことを期待している旨述べました。
  4. 今次会合に参加した委員は、被爆の実相についての認識を深めるべく、八幡照子氏(8歳の時に広島で被爆)による被爆体験の講話に真剣に耳を傾けるとともに、原爆死没者慰霊碑への献花及び平和記念資料館視察を行いました。このほか、委員との間で、ユース非核特使OB・OG等との対話や、NGO等との意見交換が実施されました。
  5. 今次会合において、国際賢人会議は来年は2回の会合を開催することとなり、次回会合(第2回会合)は、委員各位の日程等も踏まえつつ、委員による議論を軸として来年春頃を目処にハイブリッド方式(オンライン方式と対面方式の組合せ)にて実施する方向で調整することとなりました。

[参考1]別添PDF

[参考2]「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議

  • (1)経緯及び目的
     2022年1月、岸田総理大臣が施政方針演説で、核兵器国と非核兵器国、さらには、核兵器禁止条約の参加国と非参加国からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて、知恵を出し合い、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について、自由闊達な議論を行う場として表明。
  • (2)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議委員(15名)
  • 白石 隆(座長) 熊本県立大学理事長
  • アンゲラ・ケイン 元国連事務次長兼国連軍縮担当上級代表
  • ローズ・ゴッテメラー 元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)
  • 高見澤 將林 東京大学公共政策大学院客員教授
  • ジョージ・パーコビッチ 米カーネギー国際平和財団副会長
  • グスタヴォ・スラウビネン 第10回NPT運用検討会議議長
  • イアン・アンソニー ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)ヨーロッパ安全保障プログラムディレクター
  • ブルーノ・テルトレ 仏戦略研究所副所長(注:第1回会合はオンライン参加)
  • ディナ・カワール 駐米ヨルダン大使
  • マルティ・ナタレガワ 元インドネシア外務大臣(注:第1回会合はビデオメッセージ)
  • マンプリート・セティ 印空軍力研究センター(CAPS)フェロー
  • 秋山 信将 一橋大学国際・公共政策大学院院長
  • ターニャ・オグルビー・ホワイト 核軍縮・不拡散アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)リサーチディレクター
  • アントン・フロプコフ 露エネルギー・安全保障研究センター(CENESS)センター長
  • 趙 通(ジャオ・トン) 米カーネギー国際平和財団シニアフェロー/プリンストン大学客員研究員

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